ピースアートマスク発売スペシャルインタビュー|宮谷泰平さん-前編-アートのこと
ピースアートは、障がいのある人が描いた作品を商品化する広島発のプロジェクト。この度、ピースアートの新商品としてマスクが発売されました。商品はもちろん、コンセプトも魅力的なピースアートのマスクを、こんこんとしても盛り上げたい!ということで、原画を提供された新 三千代(あたらし みちよ)さんと宮谷 泰平(みやたに たいへい)さんにお話しを伺ってきました。
初回は宮谷さんへの1日密着取材。宮谷さんの職場である就労センターあっぷにて、アートについてお話しを伺った前編と、お仕事の「あられ」製造の取り組みをご紹介する後編。宮谷さんのお人柄と一緒に、アートの魅力が伝わったらうれしいです。
商品化されたマスクを付けて原画「いろいろなアート」を持つ宮谷さん
ピースアート
「ピースアート」では作品が美術的、芸術的価値によって評価されることにとどまらず、商品となり流通していくことや、日常生活の中に溶け込むことで、創る人も、見る人、買う人、使う人にとっても、豊かな暮らしを実現できるきっかけでありたいと考え、障がいのある人の芸術活動の支援活動を続けておられます。
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運営:株式会社ニューズアンドコミュニケーションズ
社会福祉法人ひとは福祉会 就労センターあっぷ(生活介護・就労継続支援B型)
平成12年「就労センターあっぷ」は、仲間たちの働く場所として「給料アップ」を目指し、甲田町で産声を上げました。
「食品製造」、「アグリサポートひとは」、ひとはの文化(アート)を発信する「3番のりば」の3つの事業からなり、安芸高田の地域づくりにも積極的に参加しています。
〒739-1103 広島県安芸高田市甲田町下小原 222-2
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3番のりばの二宮さんに聞いてみた
二宮由香理さんは、就労センターあっぷでアート活動を立ち上げ、今は3番のりばをご担当されている職員さん。以前、こんこんでも取材させていただきました。宮谷さんのアートを一番間近で見てきた二宮さんに、まずはお話しを伺ってみました。
二宮由香理さん
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宮谷さんの作品について少しお話し聞かせてもらえませんか?
二宮
以前、事業所それぞれが利用者さんの作品を持ち寄って感想を言い合うケース検討みたいな会があって、その時に宮谷さんの作品を持っていったことがあるんですね。
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こういう作品です?(筆者が当日来ていたのは、宮谷さんの作品がプリントされたTシャツ)
二宮
そうそう、最初は模様みたいな記号みたいなものが白黒で描いてある作品からはじまって、そこに少しずつ色が入ってきて、しまいには全部に色が埋め尽くされるようになって。今はまた作風が戻ったりしているんですが、それをね、その会で出会ったみなさんも「おもしろいね」って言ってくれて。
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確かに、すごくおもしろいです。
二宮
よく見ると宮谷さんのこだわりがつまっている気がしていて、例えば車とか時刻表とか、宮谷さんの好きなものなのかな?お葬式のように思えるものもあったりするんです。
時刻表?
その領域がどんどん消されていくような、減っていくような心情が「不思議だね」って言われたのは特に印象に残っていますね。
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うんうん。
二宮
ただ、作品のことを詳しく宮谷さんに聞けたことがなくって。わたしが手話ができないっていうこともあるんだけど、聞こうとすると「どうでもいいよー」(顔の前で手を動かしながら)って感じで返されちゃって。(笑)そういうキャラだから、あんまりしつこく聞いてもなあって感じで、深くは聞けてなくて。
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そうなんですねー。
二宮
毎回、タイトルを筆談で聞いても「いろいろなアート」と答えられることが多いですね。
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マスクの原画も「いろいろなアート」でしたけど、他にも「いろいろなアート」がたくさんあるんですか?
二宮
そうそう。「これは何?」っていっても、「うーん」って感じのことが多くって…わからないのか、どうやって伝えたらいいのかわからないのか、どっちなのかはわからないんですけどね。
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そうだったんですね。
二宮
今まで詳しいことを聞けてないので、今日、聞いて欲しいです。(笑)
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うふふ。聞けるかな?聞いてみます(笑)
宮谷さんへのインタビュー
いよいよ宮谷さんご本人へのインタビュー。まずは自己紹介から。筆談とジェスチャーを交えながら、こんこんのことを説明させてもらいました。
今日の取材がどういった形で公開されるか、筆者のスマートフォンを使って、過去に公開された仲間のインタビューを見てもらいました。
慣れた手つきでスマホを操作する宮谷さん
このまま筆談で会話が続くのかな?と思っていたその時、宮谷さんのスイッチがオン!机の上に束になっていた作品の上から順に、説明書きをしてくださいました。
約20分 書きつづける宮谷さん
今まで自分の作品について多くを語ることがなかった宮谷さんの、ご本人による貴重な作品解説。一部を抜粋してお届けします。
「まずは、マジック(黒)をかいて赤、水色などにぬりました。色は、あかだけなく、みどり、ピンクなどにぬった。」
「しかく さんかく まる、皿、「?」「×」などいろいろなアートをかきました。」
(おそらく、どちらかを見ながら、もしくはどちらも見ながら)「コップ(コーヒーカップ)にも大きさかくのはたのしかったと思いました。」
「サッカーコートの人形をかきました。ボールある。だけどはたをかきました。」
「えのぐは、あお、あか、きみどり、みどり、ちゃいろなど」
(おそらく、この3作品のどれかを見ながら、もしくは複数の作品を見ながら)「あかではない、あお+あかにむらさきなるので、同じあわせてかきました。みどりは、全てぬいたでしたけど、いろはかわるとよしありました。えをおわるとたいようでかわいたのでした。」
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最初は宮谷さんが”今”作品を見て、何を描いてあるか書き出ていたようですが、途中から「たのしかったと思いました」と感情を表現されたり、最後の方では「えをおわるとたいようでかわいたのでした」と制作当時の様子を振り返ったりしている様子が印象的でした。
最後にマスクの原画に採用されたことについて伺ってみました。
マスクになったこと どう思いますか?
すごいと思いました。
どんな人に マスクをつけて ほしいですか?
だれでもマスクをしたいですね。
宮谷さんの「いろいろなアート」がプリントされたマスクは、ピースアートOnline Shopにてご購入いただけます。
こんこんでは、宮谷さんのリングノートをお取り扱いしております。
後編は、宮谷さんのお仕事である「あられ」製造の取り組みと、職場での宮谷さんの様子をご紹介。ぜひご覧ください。
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広島の障がい者福祉の現場で生まれた商品やアートを通して、作り手のみなさんと出会ってほしい。
一人でも多くのお客さまに「こんこん」と気軽にノックしてもらえますように。
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