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小3の娘が商品説明を作ってみた

私が勤務する関内のシェアオフィス、G Innovation Hub Yokohamaのキッチン前の床に、あるシールが貼ってある。これを踏むと、チャリン!と、ファミコン世代ならわかる、あのマリオのコインの音がする。この音を聞きたくて、無駄にそこを通り遊んでしまう私。そして初めて通った人が驚く顔が好きな私。この仕掛け、本当に面白い。

これは、同じく関内に拠点を持つ、NOSIGNER代表の太刀川英輔さんが、コロナウイルス対策をデザインでわかりやすく伝えようと立ち上げた「PANDAID」の活動の一環。ソーシャルディスタンスをゲーム感覚で楽しく守れる仕掛けだ。このほか、A41枚のクリアファイルから作るフェイスシールドも有名になった。

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私がライフコインステッカーを知ったのはFBで、動画をみて「これは面白い、子どもが喜ぶ」と直感した。小3の娘に見せたら案の定、「面白い、これやりたい!」と大騒ぎ。加えてソーシャルディスタンスを守る仕掛けであることを教えると、「これ考えた人すごい、みんな楽しいから守るよ」と、興奮冷めやらぬだった。

そして職場に展示されることになり、私が説明を書くことになったのだが、頭のなかから、この仕組みを知った時のテンション高い娘の姿が離れず、なぜ娘はそんなに楽しいそうだったのか?子供をこんなに虜にするこの仕組みのすばらしさは何なのか?を考え、それをまとめようとした。しかし、どうも降りてこない。そこで思い切って娘に書いてもらおうと考えた。

実際作るにあたり、真っ白い紙に「書いて」では難しいと思い、家にあった夏休みの宿題に使う小学生用の「しんぶん作成用紙」を活用した。一応元記者として、娘に伝えたのは、

1、大見出しには、一番伝えたいことを書くこと

2、新聞名は何のことかすぐにわかるもの

3、すごいと思った理由を添えること

の3点のみ。実は大まかな文章の流れも用意したのだが、それはちょっと違うと却下された。本人の言いたいことがあったようだ。

そして完成したのがこちら

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勢いそのままに書いたので、字の汚さは勘弁を。製作時間20~30分。文章も校正は一切なし。一番最後の段は、私の文章を入れるつもりだったが、娘が書きたいことがあるということで、最後の3行のみとなった。

思ったことの部分を読んで、私の文章が却下された理由がよくわかった。私は「踏むと楽しい、だから踏みたくなる」と目の前の事実のみの表記だったが、娘の頭のなかは、「私が楽しく踏んでいると、みんなが楽しく踏んで、それが世界中に広まる。そして世界でソーシャルディスタンスが守れる」という壮大な視野で考えていたのだ。そりゃ興奮するわけだ。

これだけだとわからないので、ライフコインステッカーのクラウドファンディングのページをみてもらいたいのだが、今は、目標金額も達成されて、応援していた娘も私も嬉しい。

自粛期間中、一番しんどかったのは、子どもたちだろう。私たち大人はオンラインで、会社でも友達でも簡単につながれた。6年生の息子もスイッチでオンライン上で友達とゲームができた。しかし、娘はそんな手段を持っていないので、本を読んだり、テレビをみたり、一人で遊ぶばかりだった。

自粛が明けてもマスクの着用や、ソーシャルディスタンスを守るなど、子どもたちにはまだまだじっと我慢することが求められている。その我慢を楽しみに変えられる仕組み、デザインってすごいなと娘が思ってくれたのは、大きな収穫だ。