小麦粉入りのご飯

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夢夢 最終話

○○〜起きてる〜?? 「うん、起きてるよ」 齢20歳になった俺、もう母親からの怒声が目覚ましなんてことはさすがに無くなった。 「時間は…大丈夫か…」 今日は、彼女のお見舞いに行く日 そう俺を事故から救ってくれた、さくらのお見舞いだ。 彼女は、命に別状はなかったが、どうやら意識が戻る気配がないらしい。 あの日、彼女は迫り来る車から俺を突き飛ばした。 まるで事故にこれから合うのが分かってるみたいな顔で俺を突き飛ばした彼女は俺にこういったんだ…ありがとうって その

    • 夢夢 第5話

      目が覚めたら、私は何か草原のような場所にいた。いや、これは草原じゃなくて…公園? ブランコに乗ってるし…?夢…? 「あれ?遠藤さんどした。」 あ、○○だ…。いやでも○○は昨日の件で今は病院…?やっぱり夢…?にしては意識がはっきりしてるし… 「怒った…とか?」 明晰夢とかかな…?うーんでも妙にリアルなような… 『○○…?』 「うん…どした?」 その瞬間私の意識はプツリと途絶えた。 ______________________ 『はっ!』 『さっきの…変な夢…

      • 夢夢 第4話

        この同居生活が始まってからというもの、特に事件という事件はなく全てが順調に進んでいた。このままもう何十年か先までこんな生活が続くような…でもまぁ実際、記憶を無くした男、複雑な家庭環境で一人暮らしをしていた女が2人揃って暮らして、何事もなく日々が続いているってのも不思議な話である。まぁ、これに関しては非常にありがたい。さくらという女の子と2人で暮らせるなんて機会何度人生を繰り返してもそうそう巡り会えそうにない。この機会を大事に使わせてもらおう。 まぁでもしかし、そんな奇跡みた

        • 『夢夢』第3話

          夢夢 3話 「遠藤さん起きてー!」 『うーん...あとちょっとぉ...』 不思議なものである。1ヶ月ほど前、つまり彼女と同棲を始める前にはけたたましく鳴り響く目覚ましに1度の朝で3回は叩き起されていた俺がまさか誰かの目覚ましになる日が来るとは... 遠藤さんはものすごく寝起きが悪かった... 「遠藤さん今日パートの仕事あるって言ってたでしょ」 『うぅん、そうだったぁ』 「ご飯作ってあるから食べちゃって」 『ありがとぅ』 こうして、また同棲生活1ヶ月目、そろ

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        • 夢夢
          7本

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          夢夢 第2話

          夢夢 2話 『じゃあ、私一旦帰って荷物とかまとめてきますね。』 「了解です。」 _____________________ 時間は刻々と迫っていた。なんの時間かと言うと彼女が家にやって来る時間である。 これから始まるのは人生初、女性との同棲生活である。緊張の度合いが違う。 幸い、この時代のおかげか、過去の男子諸君の屍の上に立っている俺は、男子の劣情を抱え込んだ雑誌や漫画を所持していない。すべてインターネットの海に眠らせてきた。 これで彼女からベットの下を探られ軽

          『夢夢』第1話

          「夢夢」1話 『じゃあさ、叶えようね夢····』 「おう」 『約束だよ』 _______________________ 「さぶっ...」 秋晴れで20℃近くあったのがつい数週間前とは思えないほど冷え込んだ冬の空を拝みながら、今俺は大学へと通学中である。 風がまるで針のように顔にぶち当たって来る中、イヤホンで白い恋人達を流しながら通学中である。自転車で... 本当はバスか電車でも使えれば暖房が効いた車内でそれこそ真夏の果実でも聞いてやろうかという感じだが、家が

          『夢夢』 プロローグ兼予告

          予告 長編 高画質なんて言葉、お世辞にもかけられたもんじゃないこのデジタルカメラ と 銀色のネックレスをもって、病室で眠る君のもとへ。 タイトル 「夢夢」

          『夢夢』 プロローグ兼予告