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夢夢 第5話

目が覚めたら、私は何か草原のような場所にいた。いや、これは草原じゃなくて…公園?
ブランコに乗ってるし…?夢…?


「あれ?遠藤さんどした。」


あ、○○だ…。いやでも○○は昨日の件で今は病院…?やっぱり夢…?にしては意識がはっきりしてるし…


「怒った…とか?」


明晰夢とかかな…?うーんでも妙にリアルなような…


『○○…?』


「うん…どした?」


その瞬間私の意識はプツリと途絶えた。

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『はっ!』


『さっきの…変な夢…』



『○○…会いたいよ…』



グー…ッ



『ひゃっ…い、いびき?だ、だれ??』


『あれ…?○○…??』


おかしい、今は病院にいるはずの○○がなぜかベッドで寝ている。また、夢?いやでも…夢が移り変わるなんてなんか変…しかもまたリアルだし…



『そ、そうだ今日の日付…』


3月21日、忘れもしない私が彼と初めて遊びに行った日



『か、過去…?タイムスリップ…??』




『な…わけないか…』


時間を巻き戻せるなら、もし時間を巻き戻せたら…彼はこんな目に遭わずに済んだのだろう。こんなくだらない夢を見る自分が嫌になる。


『夢でくらい…いいよね…』


私は、彼の横に横たわるとそっと涙を流した。
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『はっ!』


やっと目が覚めたのだろうか…寝起きにしては意識がはっきりとしている…


グーッ…


『ひゃっ!』


『あれ…?また○○だ…』


また…夢?にしては多すぎる…この展開…

日付は4月6日


『あれ…さっきより進んでる…しかもこれ…昨日の日付だ…。』


ふと…時計の置いてある引き出しを見るとそこには私のカメラと彼のネックレスがおかれていた。


そっとその2つを持ち上げる…


『私が、これ無くさなかったらな…』



プツンッ…

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『はっ!…ってさすがにもう慣れた…』


やっぱり変だ…1つの夢でこんなに場面転換するなんて…


グーッ


やっぱりまた寝てる…


もしかして本当に過去に戻ってる?…



ん?あれ?


私はそこで自分の手に何か持っていることに気がついた。


『カメラとネックレス…?』



『も、もしかしてさっきのやつ持ってきちゃったのかな?』



『ど、どういうこと??』


日付は12月3日



私が彼の家に初めて来た日



『かなり時間が戻ってる…?』


私のさっきまでの夢を振り返ると…ピクニックの夢、○○の横で寝る夢…、カメラとネックレス…


『も、もしかして夢遊病…?』



『確かに○○、ピクニックでブランコに乗ってる時、私が急に黙りこんだって言ってたし…夢遊病で添い寝しちゃったって言ってた…しかもカメラとネックレス無くしたのも今ここに持ってきちゃったからだとしたら…』



『私…タイムスリップしてる…?』



頭の整理なんて出来ない…こんな突拍子もないこと…でも…でももしもこれが本当にタイムスリップだとしたら…私は彼を救えるかもしれない…


でも私が過去に戻れるのは今までの感じ…夢遊病を発症してる時だけ…?

て…ことは彼を叔父から救うことは出来ない…

彼をどうにか救う方法……


『あ…事故の日…車の事故の日だ…私何故かあの日の記憶が全くないんだ…もしこれが夢遊病だとしたら…その日に○○を見つけ出して車の事故から救えたら…』



私は寝ている○○の手を握りしめた。



『○○…絶対助けるからね…あの時言ってた夢叶えて…』


「ん…遠藤さん…?」



遠くから○○の声がする気がする


「遠藤さん…!おーい!」


プツン…

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『あ、ここ…』


いつもとは違う感覚、彼の家のソファーの上ではなく、布団の上…


『私が借りてた家だ…』


日付は12月2日


手には相変わらずカメラとネックレスを持っている。


『確か…私布団被ったまま公園のベンチに座って寝てたんだよね…』



外は0度に限りなく近いらしい…


『この時間だと電車も出てないし…あの公園まで…あ、歩き…』


『○○…私のことまた見つけてくれるかな…』


本当はここで○○に会わなければいいのだろうけれど、これは私のわがまま…本当に最後のわがままだ。彼との出会いだけは変えたくない…


『絶対救ってみせるね…○○…』


『あっ…布団忘れてた…これないと○○気づかないか…』


私は布団を体にまきつけたまま…公園へと歩き出した。


公園に座り、ベンチに座ったところで私の意識は途絶えた。



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「さくらーっ…起きなさい…ゴホッゴホッ」




『お、お母さん…!?』


「何そんな驚いてるの…?」



「今日○○くんと会うんでしょ?時間大丈夫?」




『え…?え…?』


『お、、お母さん…今何年?』



「なに言ってんの…?2017年だけど…」


『あ…』


まさか本当にこの日に戻ってくるとは……事故の日…



「てかあんたなんでカメラとネックレスなんて持って寝てんのよ…」


『あ、これはえっと気にしないで!』


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こうして家を出た私…


『確か…待ち合わせの公園は…』


いた…○○だ。ベンチに座ってる。


『ま…○○?』


「お、さくら…」


『ひ、久しぶり…?』


「ん?…この前卒業式だからそんなに経ってないと思うけど笑」


『あ、だ…だよね笑』


「で、今日は話って何?」


『は、話…!』


やってしまった。私は彼を呼び出していたらしいが…用件が分からない…?こ、告白…?
いやでもここでそんなことしてしまったら過去の私に申し訳ないというかなんというか…


『え…えと…ゆ、夢!夢の話!』


「え…?夢?」


『私たち高校からバラバラでしょ!今まで一緒に勉強とかしてきたしさ…ここで将来の夢語って決意表明とか…はは…』


何言ってんだ…?私


「あ…あぁ…」


「それで呼び出したのね笑」


『う…うん…』


「俺の夢は…前にも行ったことあるけど医者になること、さくらは?」


『私か…』


私の夢…


『私は…大切な人を助けること…』


「ぷふっなにそれ笑」


『あ、いやえーっと…』


「いいね…助けてやれよ…絶対」


「2人の夢が叶ったらさ…また会おうよ」


『うん…』


『じゃあさ、叶えようね夢…』


「おう」


『約束だよ』


『これ…その日まで持ってて欲しい』


「なに?これ」


『ネックレス』


『誓いの証…的な?』


「いいね笑、大切にする」


『じゃあそろそろ行こっか』


こうして私たちは公園を出て歩き出した。


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いったい事故はいつ起きるのであろうか…不確定要素はそこだけである。車の事故ということで○○が家に帰るまでは一緒にいてあげれば安心だろうか…

「あ、綺麗な桜…」

『え…//』

「あ…!えっとこっちの話笑」

『あ、ご、ごめん…』

「いやさくらも綺麗だけどさ」

『う…//』


○○こんなキザなこと言う人だっけ…


「そうだ、さくらカメラ持ってない?」


『あるけど…』

「写真撮りたい…いいかな?」

『うん…いいよ』


「じゃあさくらそこ立って」


『え!私…?私はいいよぉ』


「いいからいいから!」


パシャ…


「うん…いい写真!」



キキィッーーー!!




危ない!避けて!!!


『えっ…』



このタイミング…あぁ…車ってこんなに早いんだ…間に合わ…




いや○○だけでも…!!








「うわっ!」





『○○…ありがとう…』





ドンッ!



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「さ、さくら!さくら!…」


「だ、誰か救急車!」

彼女が俺を庇って事故にあった日…俺の手元に残されたのは彼女のネックレスとカメラだけだった。












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