護られなかった者たちへ(感想)
響いた言葉が「声を上げる」こと。自分の思いを言葉にしなければ相手には分からない。そして、救ってくれる人もいるということ。
他人の人生との関わりの深い職業であることを深く思い知る。
東日本大震災は、残されたものたちへ光と闇を与えた。
市役所の職員も人を助けるために働いている。しかし、すべての人たちをすくうことはできない。
また、不正受給を目論む不埒な奴らもいる。
助かるべき人が助からず、遊んでしまう人もいる。
人の感じ方、受け取り方は様々で、だからといって人を殺す理由にはならない。泰兄ちゃんの言ってた、死んで良い人などいない。
まさかのどんでんがえしで、泰兄ちゃんは白だった。市役所に勤めていた幹子が犯人で上司二人を殺害していた。女手一人で殺せるものなのか、スタンガンをつかわれるとひとたまりもないのか。
できるできないは別として、上崎の「死んだらおしまいだ」という言葉が、彼女の人生を変えてしまった。
言葉は使いかたによっては、悪にも善にもなりうる。魔法のようだ。
普段の仕事が本当に恵まれており、甘えた考えにどっぷり浸っているなと我が身を振り返る。
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