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いつだって原点に戻れる音楽 -NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019-

「ここにいる何人が有給使ったんだろうね」

11月1日(金)18時の横浜アリーナ。
続々と埋まっていく会場を見ながら友人とそんな話をした。私たちも午後休を取ってこの場所にいる。だって定時退社では間に合わないから。


ASIAN KUNG-FU GENERATION、ELLEGARDEN、ストレイテナーの3組によるNANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019、最終日。

この3組を同時に観れるツアーがあるなんて!とツアー発表の時には大興奮だったし、いざチケットが当選した時だって何度も当選メールに目を通した。

夢みたいだ、この3組のライブが観られるなんて。



ELLEGARDEN

大阪、名古屋のツアーの情報を全く観ないままの参戦だったので、すっかり油断していた。あのね、エルレ、トリかと思っていたの。

スクリーンに映し出される髑髏とELLEGARDENのロゴにすでに感極まってしまう。エルレは昨年夏のマリンスタジアム振りだ。あの時はボロボロに泣きながら観ていたっけ。

「It's time for a ride〜」の歌い出しから幕開け。
大好きな『Surfrider Association』からナナイロツアー最終日は始まった。大好きって書いたけどまあエルレは全曲好きなんだよね。全曲イントロからうわあって口に出しちゃう。頬が緩みっぱなしになっちゃう。

3曲目の『風の日』は気が付いたら涙が溢れていた。

雨の日には濡れて 晴れた日には乾いて
寒い日には震えてるのは当たり前だろ
次の日には忘れて 風の日には飛ぼうとしてみる
そんなもんさ

細美武士が両腕を思いっきり横に広げて気持ち良さそうに歌う姿が好きだ。彼は気持ち良さそうに楽しそうに歌う。いつもそう。そこが何よりも好き。

Fire Cracker → Space Sonic → Salamander の攻めてる流れににやにやしちゃう。
わたしはね、ライブを楽しんでいるひとたちを観ている時に最高に幸せだなあって思うの。この日はずっとそれが続く夜だった。

アジカンのゴッチをゲストに迎えた『虹』では「時間だけ過ぎて行くけど」の部分をゴッチが「時間だけ過ぎて行くけど」って歌っていてそれがすごくゴッチらしいなあって。
ギター持っていないとあんなにぴょんぴょん跳ねるのね。かわいくて、おもしろかった。笑


「いつも何も考えずにMCするんだけど、今日はちゃんと言いたいことがあったからさ、手紙書いてきたよ」なんて細美さんが言っていたからもしやとは思っていたけれど、ここで直接の結婚報告。
とっても嬉しい、おめでとう細美さん!

結婚報告が大きく取り上げられているけれど、実は手紙の前半部分もとても良くて。

一つだけ自信を持って言えることは、
みんなは俺にとってほとんど生きる理由でした

エルレの音楽があったからこそ死んでいた心が救われたひとをわたしは知っている。
細美さんもわたしたちリスナーのことを「生きる理由」と語ってくれた。その言葉がどれだけ嬉しかったか。

ありがとう細美さん。
手紙を読んでくれて本当にありがとう。
音楽を続けてくれて本当にありがとう。


そうだ、わたしが初めてエルレガーデンを観たのも横浜アリーナだった。活動休止前に出演したNANO-MUGENだった。ラストの『スターフィッシュ』の時に急にそんなことを思い出してぶわっと震えた。

同じ会場でも見え方が違った。
でもあの時と同じくずっとずっと格好良い。

ああ、最高だ。ELLEGARDENが大好きだ。



ストレイテナー

3組の中で一番観るのが久しぶりだったバンド。
ホリエくんのソロだったり、シンペイちゃんの別バンドは観る機会があったんだけど、テナーとして観るのはいつぶりだっけ。さすがに純さん加入後だよね?ってくらい久しぶり。

結果から書くと、ナナイロから1週間経った今でも毎日ホリエアツシのことを考えているくらい良かったです。ここにきてハマりそう。

前日にたけのこさんがストレイテナーへの愛を語るnoteを書いていたおかげでいつも以上にわくわくしていました。あのタイミングで読めて本当に良かった。

まず『REMINDER』がものすごく好き。
ああ、そう、これこれ!ストレイテナーのこの音の厚みが好き。ひなっちのベースが奏でる重低音の格好良さよ。

細美さんの結婚パーティーで歌ったというMCからの『灯り』もあまりにも素敵だった。曲にまつわるエピソードを聴くと、また違った聴こえ方になるのも音楽の面白さのひとつ。

結婚パーティーで大泣きしてしまったというホリエくんも、飛行機までの空き時間で石垣島の綺麗なビーチにゴッチとふたりで訪れた際にたまたまファンに出会ってしまい今日まで(細美さんの結婚発表まで)変な風に誤解されていないだろうか心配だったって言うホリエくんも、ライブ中のホリエくんも、どの姿も魅力的で困ってしまう。

エルレの時にゴッチとのコラボがあったのでテナーでもあるんだろうなって思っていたらラストの『ROCKSTEADY』で細美さんが登場。

僕らは進まなくちゃ 先を急がなくちゃ
足が言うことを 聞いてくれるうちに

ROCKSTEADY × 細美武士の組み合わせ、合う!コラボ選曲ぴったり。ふたりとも、いや5人とも楽しそうだったなあ。ワンマンじゃないけれど終わってしまうのがとても寂しいなと思うくらいに満たされた。



ASIAN KUNG-FU GENERATION

昨年のワンマンツアーぶりのアジカン。3組の中ではいちばんライブに行っているバンド。高校生の頃から何度も行っている。それこそアジカンやテナーも出演していたナノムゲンフェスは最後に開催された時に両日とも行ったし、横浜スタジアムだって2日間とも行った。

久しぶりの「らっせー!らっせー!」に興奮したり、『リライト』のゴッチにひたすら笑ったり(あんなに面白いリライトはじめて…笑)いつも通り喜多建介のコーラスにときめいたり。

ホリエくんとのコラボはホリエくん作曲ゴッチ作詞の『廃墟の記憶』でした。あまりにも良かったのであれから毎日聴いてます。心地良い曲。

ホリエくんとの石垣島のビーチの話で、ファンに会って焦ったゴッチがとりあえず眼鏡を外して誤魔化そうとしたエピソードすごく好き。笑

ライブの時にやるお馴染みのセッションも好き。セッションから入る『Re:Re:』が最高に好き。いつだったかな、この定番の流れじゃなくセッションから『トラベログ』っていう流れの時もあったな。

ラストの『ボーイズ&ガールズ』が、全てだった。

はじまったばかり
We've got nothing

ずっとバンド界を引っ張ってくれているアジカンがいま歌う「はじまったばかり」という歌詞の意味。
いつだっていまこの瞬間をスタートにできる。今更なんて思う日だってあるよ。それでもわたしたちはいつだって何度だって始めることができる。始めることも出来れば、やり直すことも出来る。それをずっと続いているアジカンが歌ってくれるのがとっても嬉しい。

この3バンドはわたしの中高時代を彩ってくれた音楽たちだ。自分がその頃に戻ったように楽しめたというのももちろんあるけれど、それだけじゃなくて自分の原点を再認識させてくれる音楽たちだなあって思いました。
またここから始めよう、は何度でもやっていいんだ。



アンコールは「キノコ頭に」と歌われた『FADE TO BLACK』で、本編でどのバンドも口々に「メンバーが欠けること無く」と言っていたのはこのためか、と気付いて泣けた。

ラストは細美さんAメロ、ホリエくんBメロの『遥か彼方』でした。こんなコラボが観られるんだね。中学生のわたしが知ったら驚いちゃう。


次回のナナイロツアーの開催と、NANO-MUGENの復活と、木下理樹を、わたしはずっと待ち続けるよ。

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