甲子園という場所vol.19
▶︎頑張ろう
もう、ぼうけんのしょが壊れ始めてるかもしれません。
何がともあれ、見て頂きありがとうございます。
さぁ、愛知県大会も大詰めです。
誰もが予想していなかったカード。
いつも通りの朝を迎え、球場へ。
でも、共通してみんなが思っていた事。
『優勝の瞬間、マウンドに駆け寄りたい』
選抜甲子園が決まった時は、マウンドではなく、選考の末に電話で伝えられたので、ブレザーを着て学校でした。
冷静を装いながら、多分みんな興奮していたと思います。
対戦相手は、豊川高校。
当時はほとんど試合をした事もなく、情報もそんなにない。でも、特に三河地方の良い選手が集まる県内の強豪校で有名。
そして、何と言っても当時2年生エースだった
後にソフトバンクで活躍する森福投手。
夏の大会に入り、56イニング連続自責点ゼロの
通称:『三河のドクターK』
と呼ばれていた。
〜自責点とは〜
・呼んで字の如く、試合において自分の責任で失った点。
要するに、決勝に上がって来るまで、点をほとんど取られてないという事。
パワプロのサクセスモードでもこんな選手作れないと思う。
この56イニング連続自責点ゼロの記録は、名電の大先輩である現ソフトバンク監督:工藤さんの記録を塗り替えた。
成績を突きつけられると、普通は、多少怯む事もあると思うけど、当時の名電には、あまり関係なかったかもしれない。
情報がない分、やりやすい。
そして、当時の高校生には、刺激的なチアリーダーの存在。
名電も甲子園に行き出してから、最初は勇姿でチアリーダーを結成して頂いて、選抜に続き、夏の大会も。それだけで、テンション上がってましたから。
今では、正式に名電にもチアリーディング部が。
女性の力って偉大です。
『絶対負けない』
『チアにまた会える』
〜古茂田伝説〜
名電もさることながら、中京大中京のチアも可愛かったため、引退した後、中京の文化祭に行く。女子とたわむれてる中京の野球部を見て嫉妬した古茂田は、親友が、文化祭でやっていた出し物のストラックアウトでパーフェクトを出して帰って来た。
2年生エースの対決となった決勝。
どうゆう展開になって行くのかが注目されていましたが、終始、名電ペース。
こんな事思ってしまったら行けないんですが、やっぱり中京との一戦を乗り越えた事で、負ける気がしなかった事はあったのかなぁと思います。
名電がコツコツ点を積み重ねて、気がつけば3-0で迎えた
9回ツーアウト。
運命的にもバッターは、森福投手。
打った打球は、快音を響かせるも、そのままセンターの足が止まり落下地点へ。
センターのグローブにボールが吸い込まれた瞬間に、まずは、センターがガッツポーズ。
それを見て、ベンチから選手が飛び出し、あの眉毛が順調に生えて来ていた2年生エースにみんな飛びつきに行く。
朝の山手線くらいのもみくちゃで。
ある意味、白線の内側で、盛り上がっていました。
愛工大名電
初の春夏連続甲子園出場!!!
本当にやってしまった。
怒涛の県内8連勝。
名電の優勝が決まり、豊川が準優勝。
1年後、中京の2年生エースと同様、森福投手を擁して夏の愛知大会の決勝に2年連続で豊川が戻って来る事になるんですが。
まさに、戦国時代です。
幼馴染み含め、友人達がフェンス越しに集まって来て、バイオハザードなら完全にピンチです。
『おめでとうー!!』
『やったなー!!』
『甲子園楽しんで来いよー!!!』
『ウゥゥ、アァァァ、!!!』
球場に、本当のゾンビが居たとかいないとか。
古茂田は、テンションが上がってしまい、後先考えず、ベンチにあった選手の水分補給用のキーパーを頭から被り自分を見失いました。
全身びしょ濡れになり、ほんのりアクエリ臭。
ポカリ臭だったかな。
ここから、試合が終われば、それで終わる訳ではなく、閉会式、(優勝旗授与、メダル授与)、写真撮影、新聞社挨拶、市長挨拶等、学校へ出向いての報告。
すぐには帰れません。
古茂田は、そんな事も頭に入れておらず、全身にドリンクを被った事から来る寒気。震え。そして暑さ。グロッキー状態でした。
その時のグロッキー古茂田。
(芸名ではありません)
完全に硬直から来る、感情の低下。
『頼むから帰らせて欲しい.....。』
喜怒哀楽寒震無失
感情がより豊かになれるきっかけだったかもしれません。
そして、
『まだ、このチームで野球出来る!』
そんな思いを持ち、沢山の支えてくれる人のおかげで今がある。沢山の人に応援して頂ける。
こんな嬉しい事はないです。
今度は、県の代表として、破れ去って行った仲間の分をしっかり背負いながら、甲子園に乗り込んで行きます。
寮に戻り、祝勝会兼決起大会を兼ねてのバーベキュー大会。
最高の瞬間です。
今食べているお肉も
次第にタコ焼きに変わって行く。
『待ってろ!甲子園!!』
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