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#君のことばに救われた
高校を卒業する僕らに「二度とこの学校には来ないでください」と口にした女性教師の真意
高校卒業を間近に控えたある日、家庭科の先生から言われた言葉が忘れられない。
その日は普通授業の最終日。各教科の先生方はそれぞれ、「ここはみなさんの母校です。困ったことがあったり、先生に会いたくなったりしたら、またいつでも遊びに来てください」と話し、最後の授業を終えていた。
そんな中、50代半ばくらいの、加藤登紀子似の家庭科の先生だけがこんなことを言った。
「卒業後、先生や後輩に会いに、学校へ
ママ、死にたいなら死んでもいいよ――17歳の岸田奈美さんが下半身麻痺の母に放った言葉
その日、岸田奈美さんから届く原稿を待っていた。
最後にひとつだけ残っている、巻末の「娘から母への手紙」。
約束は早朝6時。でも、もし早く送ってきてくださった時のために、深夜2時からパソコンをつけてスタンバイしていた。真っ先に目を通そうと思っていた。奈美さんの頑張りに応えることはもちろん、自分が純粋に、その原稿を早く読みたかったからでもある。
そして、午前2時30分。原稿は届いた。
「娘から
装幀界の巨匠・川上成夫さんから教わったこと――「魂を込めて作った本は必ず伝わるんだよ」
川上成夫先生が亡くなった。
いまでもまだ、信じられない。
秋に突然入院されたと聞いたから、慌てて見舞いに行ったら、事務所からMacを持ち込んで、「ここで仕事をするんだ」と笑っていた。
あれ? パソコンは使えない人じゃなかったか……と思ったら、会社のスタッフを通わせて、直接指示を出すんだ、という。
事務所からは、そこそこ距離もある。ここまで来る女性スタッフのほうが大変そうだな、と思った