見出し画像

『あしたのあの子』

去年(2023年)の秋、初めて作詞をした。

私は居場所支援教室でボランティアをしている。そこに通う子どもたちに向けて、何か一緒に作らないかと同期の二人に誘われた。うち一人は、同じくうつの治療途中だった。

作詞は、日記やブログのように徒然と書くのとは違う。
「ひとに響く言葉」が必要だ。

まず、歌が「他人事」にならないように、主語は「あの子」にしよう。
子どもに伝えたいことって、なんだろう。
辛さを否定せず、希望も持てるような歌にしたい。
歌だから、語感も大事だな。

そんな感じで考えていると、次々と言葉が湧き出てきた。
一つ前の記事で、言葉を「吐き出す」話をしたが、あれから一年。
ようやく、言葉を「紡ぐ」ことができた気がした。


『あしたのあの子』

目が覚めて絶望するあの子
また、今日がはじまった    
消えたいだけのそんな今日を 
少しでも減らせないかと
目をつむる 

他人(ひと)と比べて落ち込むあの子
不安に襲われる夜がある                 
ゆっくりすすむ時計の針は
涙で滲んで見えなくなった
     
闇 
宙をかく手
溶けたいと願う     

それでもあの子は
今を生きてみる
            
弱くてもいい そのままでいい
いつも頑張って生きている君だから
壊れてもいい 泣いてもいい 迷ってもいい
弱さを認めたそのさきに
誰もさわれない強さがあるから

it’s ok

心にヨロイをまとったあの子
そしたら痛みがなくなった
傷だらけの心の叫びは
だれにも届かずに消えた
       
「助けて」    
「見つけて欲しい」
「ひとりにしないで」

それでもあの子は
今を生きてみる
     
弱くてもいい そのままでいい
いつも頑張って生きている君だから
逃げてもいい 休んでもいい 怒ってもいい       
痛みも不安も苦しみも 
忘れられるような「いま」が来るから

it’s ok
          
痛い痛い 
それでも 期待したい       
痛い痛い 
それでも 見たい未来
痛い痛い 
だから神様お願い
弱さを強さに変えてください
      
弱くてもいい
そのままでいい
            
弱くてもいい そのままでいい
いつも頑張って生きている君だから
壊れてもいい 泣いてもいい 迷ってもいい      
弱さを認めたそのさきに
誰もさわれない強さがあるから

it’s ok



いつも頑張って生きている君に、届きますように。

(写真は、『あしたのあの子』MVより)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?