寝不足でも元気でいられる方法など。江戸時代の古文書『廣益秘事大全』解読⑤
引き続き、嘉永四年(1851)の古文書『廣益秘事大全』から、奇巧妙術類(生活の豆知識編)の5回目です。
今回は、火を使ったさまざまな知恵が中心となります。
1.刀の研ぎ方
刀の刃をこちらへ向けて左手で刃の先を持ち、
ちょうどよい剃刀砥※を厚さ二分(6mm)
ほどにして、右手で柄を持って
唾をつけながら剣背の方に押す。
※剃刀砥=カミソリを研ぐ砥石
ためらって手の中で留まってしまうときは
刃は鋭くならず、刀のためには砥が削れる
くらいに、すばやく刃をつけるとよい。
表面に刃がついたら、次は裏面に取り掛かる。
刃の向きを反対にし、刃の先を下にして先ほど
のように一息ごとにぐいぐいと刃をつける。
鈍刀でもまず切れないということはない。
2.百里一足の草鞋を作る方法
鯨のヒレを、冬は50日、夏は30日
泥の中へつけておく。その後取り出し
槌でよく打ち砕いて苧※のように
柔らかくし、これで草鞋を作れば
百里(392km)は歩けるだろう。
ただし、木綿を当ててはくこと。
※苧=イラクサ科の多年草
3.雨風に消えない松明を作る方法
桜の皮を厚くそぎ取り、硫黄を焼酎で溶いて
二回ほど塗って日に干したものを松明にすれば、
雨風の激しいときも消えることはない。
また、葦4・5本に木綿を巻いて松脂を
塗って干し、束にして松明にすれば
雨にも消えることはない。
4.雨風に消えない蝋燭を作る方法
胆礬八匁(30g)、樟脳五匁(18.75g)、
松脂十匁(37.5g)、硫黄三匁(11.25g)、
煙硝五分(1.875g)
以上を蝋燭のように固め、先に口薬※を少し
入れて灯す。水をかけても消えない。
※口薬=発火用の火薬
5.一寸八里松明を作る方法
クヌギの木を百目(375g)ほど池の水に
浸して置き、後に細かく叩き砕いて
松明にすれば、一寸(3cm)で八里(31km)
は歩くことができる。ただし、
太さ四寸(12cm)の換算である。
6.何日も寝ずとも気力が落ちない方法
昼夜寝ない日が何日も続くと、気力が失われて
疲れがひどくなる。こうした時に牡蛎の殻を
粉にして飲むと、疲れることが少しもなくなる。
7.鍋や釜の鉄気を抜く方法
鍋の中で藁を炊き、灰となったら冷まして置く。
後に灰を取り出して鍋の中に油を塗り、
竃の下の弱火を入れて油気を乾かす。
そうすればすぐ使うにも鉄気は少しも
出ることがない。
8.油に水気のあるのを防ぐ方法
灯し油に水気が混じり、はじけて火が
消えようとするとき、灯し口の燈心に
塩を少しつけておけばすぐに止む。
【たまむしのあとがき】
寝不足や疲れがたまっているときの解決策は「牡蛎エキス」でした。
即効性があるかどうかはわかりませんが、牡蛎は海のミルクといいますし、栄養価の高い食べ物なので、疲れてなくても(旬の時期に)食べたほうがよいと思います。
私たまむし、身体が丈夫なほうではないので、ほぼ毎日牡蛎ではないですが、しじみ汁を食しています。
マガジン作りました!
過去の記事はこちらからぜひご覧ください!
↓↓↓
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?