長命酒の作り方など。古文書『廣益秘事大全』解読⑳
嘉永四年(1851)の古文書『廣益秘事大全』から、奇巧妙術類「生活の豆知識編」解読の第20回目です。
今回は、長寿のお酒「長命酒」の作り方や、以前にも取り上げた「お腹の中の子の性別を知る方法」の別バージョンをご案内します。
昔の日本人の、シンプルで人間にも地球にもやさしい生き方の中に、現代でも取り入れることのできるものがあればと思い、そのヒントを提供できるよう、古文書を読み解いてご紹介します。
1.長命酒の作り方
・生酒 一升(1.8㍑)
・氷砂糖 百目(375g)
・梅干し 20~30個
梅をよく洗い塩をまぶし、全部一緒に
壺に入れる。そして、口をよく閉じて
50~100日土中に埋める。
その後取り出すと、
梅の香りがよく充満し風味がよくなる。
痰の絡みを治し、気血を巡らせ、
腎水※を増し、疝気※を癒す。
※腎水=精液
※疝気=下腹部
2.湯香煎※の作り方
※湯香煎=香煎湯ともいう。香煎をふりかけた
湯で、上野や愛宕山の茶屋で茶のかわりに
出したとされる。香煎とは、米や麦を炒って
粉末にしたもの。
・飯のこげ(炭火の上で裏表むらなくよく炙る。
それを薬研※でおろして粉にする)
・白ゴマ(ざっと煎って粉にする)
・山椒の粉
※薬研=生薬を粉末にする道具
以上を湯桶※に湯を注いで
合わせて使う。また、白湯でもよい。
※湯桶=茶懐石で食後に出される焦げ湯を
入れる器。あるいはそば湯入れ。
3.胎内の子が男か女かを知る方法
懐妊した女性が南に向いたとき、
後ろから呼びかけて
左から振り返れば男子
右から振り返れば女子。
また、女性がお手洗いに行くとき、
夫が後ろから呼びかけて振り返るのも、
上記のように左右で男女を知ることが出来る。
また、乳房にしこりがあるのが
左なら男子、右なら女子。
これらは秘事である。
【たまむしのあとがき】
長命酒は梅酒なんですね。これならすぐにでも作れそうですね!
健康に留意されておられる方は、ぜひお試しいただきたいと思います。
ちなみに、養命酒との違いは何なのか、こんなすぐにでもわかりそうなものなのに、一瞬パニクる私たまむし、きちんと調べてみました。
養命酒は正式名称が薬用養命酒といいまして、14種類の生薬が入っているそうです。
つまり漢方薬たっぷりドリンク。
ですから、酒・砂糖・梅干しだけの長命酒とはまるで別物なのです。
いずれにしても、一番大事なのは味だと思っておりますが、皆さまいかがでしょうか?
話は変わりまして、以前登場したお腹の子の性別を知る方法は、数字を使った摩訶不思議な方法でしたが、今回は後ろを振り向いたとき、左右どちらから振り返ったかで判別するという、これまた摩訶不思議なものでした。
ほんとに合ってるの?これ?
根拠はいっさい不明ですが、信じるか信じないかはあなた次第です。
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