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【がん闘病】がんになって社会化した私

 こんにちは。もじょこです。2021年11月に乳がんステージⅡと診断され、現在抗癌剤治療に励んでいる34歳教員です。
 今日は、病休中の現在の過ごし方と昨日あった出来事を書いていきます。

 抗癌剤治療の間は、総合的は判断(こちらの記事を参照)のもとがっつり病休を取ることにしたわけだが、実際には、元気な日もある。ずーっと寝たきりではないし、次の抗がん剤までに体力を回復させなければならないため、適度に運動する必要もある。ただただ寝て過ごしてはいけない。
 とはいえ、どんなにゆっくり起きてもやることを詰め込もうとしても、時間が余る。余るとゲームを始めるかプライムビデオで海外ドラマを観始める。そして止まらなくなり、「あぁ今日も無駄な時間を過ごしてしまったぁ」と自己嫌悪に陥る。…という日々になってしまう(いや、こういう無駄な時間もきっと必要な時間だ。でも…ね、うん…)。
 ということで、休んでいるからこそできることを少し考えてみた。とはいえ、病休中であること、公務員であること、何よりも闘病していることが優先。実際に、抗がん剤で免疫力はかなり低下しているため、ウイルスをもらったりすると、結構きつい(風邪が結構重症化してしまった経験もある…)。そのへんの配慮をしつつも、なんかしてみよう…と思った。

 ということで、やってみたのは、一つはボランティア。とはいっても、壮大なやつじゃない。猫好きなので、猫にまつわるボランティア。地元でやる保護猫譲渡会の会場準備。SNSでボランティアを募集していたので、応募してみて、昨日はそれに参加したわけ。
 もう一つは、患者会に入会すること。実際、私の周囲にはAYA世代のがん患者は見当たらない(知らないだけかもしれないけれども)。情報がなかなか得られないというのもあるが、何よりも、先輩方から、生の声を聞いてみたかった。仕事との向き合い方、人生設計、何を励みに治療と向き合ってきたのか…などなど。これもネット(県のホームページ)で存在を知って、勇気を出して入会希望のメールをしてみた。昨日は入会して初の、LINEオープンチャットの日。ということでチャットに参加してみた。

 どちらも、約2時間という短い時間の活動ではあったけれども、自分にとってはものすごく大切な時間になったのは言うまでもない。なぜなら、私ががんにならなければ、出会わなかった人たちだったから。

 譲渡会ボランティアも、仕事を休んでいて少し時間に余裕があったからこそできたこと。患者会は、そもそも患者にならないと入会できない。がんになって、抗癌剤治療をしている「おかげ」で、私の世界は広がった、というわけである。

 まだまだはじめの小さな一歩ではあったが、確実に、私という世界が広くなった、という実感がしっかりとある。これがどんな意味を持つのかなんて、わからない。治療が終われば、また仕事に追われて、ボランティアもオープンチャットも参加できなくなるかもしれない。でも、そんなことはどうでもよくて、昨日、出会うなんて考えてもいなかったような人と出会うことができた、そしてその経験は一生生き続けるのだという実感が私の体を貫いている。それでいい。

 がんになったからこそ社会化した私。病気になることは、不運ではあるが不幸ではない、ということばを耳にしたことがあったが、確かにそうだと思う。…というか、がんになること自体は、善でも悪でもないはず。病気は、ならないのが一番だから、病気になることは悪いことかもしれない。でも、病気にならないと飛び込めない世界がある。病気になったからこそ社会化できるのは、善いことかもしれない。いや、それ以前に、善い・悪いという判断は、自分がするものだし、そもそも判断する必要がないことだ。私はがんになったが、がんになったことによって社会化した。ここに善も悪も、何もない。そこには、事実と経験があるだけ。

 さて、今日は天気がいいので、ゆっくり洗濯でもしながら、昨日の余韻に浸ろうかな。

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