小宮山巧

言語思考力を測定・養成する試験・教材(小論文試験、論理思考教材等)を受託制作しています。

小宮山巧

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最近の記事

007_「言語で思考し続ける力」と「可能性を想起する力」

可能性の想起とは 前稿までにおいて「言語で思考し続ける力」を構成する力として「論理を理解する力」「原理を理解する力」という力について説明してきましたが、本稿ではもう一つ「可能性を想起する力」というものを掲げ、その輪郭を把握しておこうと思います。 この「可能性を想起する力」は、一般には「仮説形成力」といわれ、さらに格好をつけずに表現すれば「当て推量の力」ともいわれるものですが、実際にこの力が脳中で駆動しているあり様を実感できるよう、あえて「可能性を想起する力」と表現して、

    • 006_「言語で思考し続ける力」と「原理を理解する力」

      原理とは何か 前稿で「言語で思考し続ける力」を構成する力は「論理を理解する力」の他にもあると述べましたが、本稿では「言語で思考し続ける力」を構成するもう一つの大切な力としての「原理を理解する力」というものについて、私なりの考えを述べてみたいと思います。 まず、この「原理」については、かの哲人皇帝マルクス・アウレリウスが、 というように、その定義を表現していますが、ここでは「あらゆる事象をそのようなものとして成立せしめている根源的な規則」と定義しておきます。 例えば、

      • 005_アドミッションポリシーと入試問題の整合性

        アドミッションポリシーと入試問題を整合させる理由 私が外部委託の形で携わっている仕事の一つとして、大学入試問題制作というものがありますが、この仕事においては「アドミッションポリシーと入試問題の内容を整合させる」という手法を、特に重視しています。 通常の大学入試問題の制作において考慮すべき主たる要素は、問題の難易度を当該大学の受験生の想定学力レベルに適合させるといった要素ですが、私が大学から入試問題制作の委託を受け、その制作に入る場合においては、想定学力レベルの考慮は当然と

        • 004_「言語で思考し続ける力」と「他者への想像力」

          論理構造把握力を得る訓練とは 前稿までの主題としていた「言語で思考し続ける力」については、その定義と意義について述べてきましたが、では、この力を培うためにどのような方法が最も妥当であるのか。その方法論に入ります。 とは言うものの「言語で思考し続ける力」を培う方法として私が考えているものは、特に斬新なものではなく、本当に真正面からシンプルに「言語で思考し続ける力」の土台である「論理構造把握力」を得るために、論理構造を備える文章を読む「論理構造の読解」と、論理構造を備える文

        007_「言語で思考し続ける力」と「可能性を想起する力」

          003_「言語で思考し続ける力」の意義

          思考の大切さを敢えて言挙げする 前稿で、「言語で思考し続ける力」を構成する大切な力の一つに「論理を理解する力」がある旨を述べました。つまり「言語で思考し続ける力」を構成する力には「論理を理解する力」以外にもある訳ですが、そこに言及する前に、そもそも「言語で思考し続ける力」にはどのような意義があるのか、一人ひとりの人生や、現実の社会において、なぜこのような力が大切と考えるのかについての私の想いを述べておこうと思います。 「どのようなものであれ、思考というものが大切であるの

          003_「言語で思考し続ける力」の意義

          002_「言語で思考し続ける力」とは

          言葉と言葉の連関 自らの携わる仕事においては、どのような仕事においても「言語で思考し続ける力」を養い育てる要素を提供すること。これを年来の自身のミッションとしてきましたが、「思考は言語で構成されるものであり、言語で思考し続けることはあまりに普通すぎて、そのような力を特に養い育てる必要はないんじゃないか」という声が聞こえてきそうです。しかしながら、ここで言うところの「言語で思考し続ける力」をより詳しく述べると…… いかなる状況にあっても思考し続け、自己と他者にとっての最善

          002_「言語で思考し続ける力」とは

          001_「言語で思考し続ける力」を培う

          私は年来、「言語で思考し続ける力」の養成をテーマに掲げ、それに関わる各種のコンテンツ(大学入試試験、論理思考試験、組織内部試験、学習書籍等)を個人で受託し、制作して参りました。 このような仕事に携わることになった契機は、法学部卒業後に就職した企業で、その当時に始まった司法試験制度改革の一環として法務省が開発した法曹適性試験(現在は終了)の受験対策講座の制作担当となり、同試験の目的に適う問題とはどのようなものかを、徹底的に研究したことにあります。 この研究の過程において、「

          001_「言語で思考し続ける力」を培う