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コロナ禍で親が見せられたもの

私が働き方にこだわる理由。
それは生まれ育った原体験に起因しています。

私の実家は熊本の小さな書店でした。
父は外商にも出ていましたが、店自体は10坪ほど。
私が生まれて1歳半の時から両親が初めてました。

私は1979年生まれです。
バブルの崩壊もあったし
リーマンショックもあったし
熊本の震災もあったのですが
今は長兄家族が継いでくれていることもあり
そろそろ40年になろうかという歴史を刻んでいます。

「子どもの本の専門店」であるという、
今の私からすると、ランチェスター戦略なのか
USPなのか、地方創生ブランディングなのか…
ホント、熊本市内から車で30分もかかる立地でいまだに経営できている
奇跡のような本屋さんだなぁと思います。

そこで育った私は、さらに違う影響を受けております。
このお店と家は繋がっています。
お店にはお客さんがいて、両親は、そこで働いていて…
全ての営みが半径10メートルで起こっていました。

つまり、ライフとワークの境目が非常にあいまいな日常だったということです。ライフとワークのバランスとかそういうことではなく、そもそも一体であることが私の職業観です。
分けることの方が不自然。

朝起きても、父と母は家にいたし、小学校をサボった日は、父の営業についていきました。
母が夕食を作っている最中に、話の長い電話が鳴ると、鍋がふいてしまうことなんて日常茶飯事。

夜中に、母とレジのお金を数えもしたし
本に挟まっている短冊みたいなアレを出版社ごとに束ねたり。
そんなお手伝いもしていました。

土日はかき入れ時なので、遊びに連れて行ってもらうことなんて滅多になかったけど
平日の4時頃、父親とキャッチボールをして遊んでもらうことはできました。その後、父はデスクに向かって伝票を書いてました。

1980年をピークに、日本の自営業者の数は減少をたどっているそうです。
今は9割が会社員。
両親が働いている姿をどれだけの子どもが見たことがあるんだろう。
そう思っています。

私は、夏休みなどは積極的に自分の息子を、自分の会社に連れていきます。
最近、長男が学校で「昨日、パパの会社に行ってきた」ということを言い出しているそうです。

コロナ禍は、今後も深刻さを増すのでしょう。
それでも何か、これをきっかけに未来のためになったとすれば
リモートワーク等の変化で、1人でも多くの子供たちが、自分の親の働く姿を見れたことなんじゃないかな。とか思っています。

ライフとワーク。ONとOFF。分かれていた方がいい!という人は多いと思います。でも私は、ライフとワークの境界線が限りなく曖昧な働き方も良いもんだよ。と伝えていきたいと思っています。

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