見出し画像

かつて 世界で最も美しい と称された街 は今もなお美しい…

ドレスデン(Dresden)という街の名前を聞いて、何を思い出しますか?
マイセン磁器のコレクションやラファエロのシスティーナの聖母(聖母を見上げる2人の天使が世界的に有名)のあるツヴィンガー宮殿、 財宝コレクションで有名な緑の円天井(博物館)のあるレジデンス宮殿、 ヨーロッパ最大のジグソーパズルと呼ばれながらも修復再建を果たしたフラウエン教会、 エルベ河岸の美しいプロムナードであるブリュールのテラス、 ヨーロッパ屈指と言われるゼンパー・オーパー… 名物にはクリスマスのお菓子として有名なシュトーレンもありますし、ギネスに認定された世界一美しい牛乳店なんて言うものもあるそうです。

Dresdner Molkerei Gebrüder Pfunds GmbH

エルベ川のフィレンツェとも讃えられた、ザクセン王国の首都、ドレスデンを訪れたら、その歴史と文化を存分に楽しんでください。

画像1

ただ… できれば併せて この街がかつて地獄の窯に投げ込まれた歴史があることを知っていて欲しいと思うのです。

1945年2月13-15日にドレスデン爆撃という徹底した空爆が連合国軍によって行われました。4度におよぶ無差別爆撃で街の約85%が失われ、公式には約2万5,000人が亡くなったとされています。
奇跡的に戦火を逃れたというのが「君主の行列」(マイセン磁器によるタイル壁画)です。

画像2

また、バロック様式の歴史的街並、建造物の修復には残された煤けた瓦礫と新しい石材が組み合わせて使われています。(下:フラウエン教会)

画像3

1945年2月13日夕方、夜間、14日未明…
3度目の空爆で市内に火災旋風が生じ、燃え盛る炎にまかれた多くの市民が犠牲になりました。
更に翌15日、既に壊滅状態となっていた街に4度目の爆撃が行われ、空襲を生き延び、片付けのために地上に出てきた市民を襲いました。

軍事施設をほとんど持たない文化都市への民衆も対象とする徹底した無差別爆撃は人道問題として捉えられます。
そして、その扱い方にも多様性があります。

ネオナチといった極右グループがこの歴史的な惨劇を政治的に利用、国粋主義の拠り所の一つとして、2010年にドレスデンで追悼集会、デモ行進を組織。

これに対し市民が「人間の鎖(Menschenkette)」を作り阻止。
以来、毎年2月13日、ドレスデンでは旧市街を中心に人々が手をつなぎ、ナチズムや様々な偏見や差別に対する抗議活動「人間の鎖」が行われています。

Human Chain for February 13th


画像4

画像5

画像6

この街を初めて訪れたのは1998年11月。
街の発展も進んだ明るい季節の再訪となりました。

画像7

画像9

画像8

(滞在: 2016年4月、1998年11月)


#旅行
#海外旅行
#ヨーロッパ
#ドイツ
#ドレスデン
#第二次世界大戦
#爆撃
#人間の鎖




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?