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大聖堂の屋根の上 あの人影は誰でしょう?

フランクフルトの隣街、マインツ(Mainz)と言えば、先ずはマインツ大司教の司教座聖堂。マインツ大聖堂はドイツ三大聖堂に数えられていますが、残念ながら、他の2聖堂(トリーア大聖堂、ケルン大聖堂)のように世界遺産には登録されていません。(今後に期待です。)
他にも、活版印刷を発明したヨハネス・グーテンベルクの出身地、また、ドイツ三大カーニバルの一都市としても有名です。(後の2都市はデュッセルドルフとケルン)

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マインツの大聖堂の名前は聖マルティン大聖堂と言うのですが、その名の通り、大聖堂の屋根の上には聖マルティンがいます。

11月11日は聖マルティンの日と言われ、マルティン祭が行われます。
夕方になると、子供たちがランタンに火をともし歌いながら街を歩き回るのですが、途中でお店や家に立ち寄り、歌を歌ってお菓子を貰います。(なんだかハロウィンみたいですね。)
それから、街の広場では聖マルティンの寸劇が行われます。

この聖マルティン、元はローマの兵士だったのですが、とある冬の日、雪の中で凍えていた半裸の物乞いに自分のマントを半分裂いて与えます。
実はこの物乞いはイエス・キリストで、その夜、マルティンの夢の中に半分のマントをまとった姿で現れ、善行を讃えます。
深く感動したマルティンは洗礼を受け、後に聖人に列せられます。

と言うことで、屋根の上の像は、馬に乗ったマルティンが物乞いの姿にマントを分け与える姿でした。

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聖マルティンにはガチョウに関する言い伝えもあります。

聖マルティンがフランスのトゥールの司教に任命されそうになった時、自分は司教にはふさわしくないとガチョウ小屋に身を隠したのですが、ガチョウが騒いだため、見つかってしまい、あえなく司教に就任。その罰として聖マルティンの日にはガチョウが食べられるようになったということです。

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マインツにはもう一つとても有名な教会があります。

シャガールの青いステンドグラスのある聖シュテファン教会。
聖シュテファン教会は990年に建てられた歴史ある教会ですが、第二次世界大戦で大きく破壊されます。教会再建のあたり、当時の司祭が平和の象徴としてユダヤ人芸術家のシャガールにステンドグラスの制作を依頼し、叶ったものです。

フランクフルトは国際空港を使うために訪れることも多い筈。
大都市の観光に飽きた方は、ちょっと足を延ばしてみてはいかがでしょう?

(1999年の回想録: 写真はフィルムカメラにて撮影)

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