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忘れないでいること それは時に人生を豊かにしてくれる かもしれない…

タイトル画像を見てピンときた方は、きっとウェブや書籍等を漁られたことがある方かと思います。スイス、バーゼル近郊のドルナッハ(Dornach)にある道ですが、この先にはゲーテアーヌムと呼ばれる施設があり、ルドルフ・シュタイナーが創始した人智学協会の本部があります。

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シュタイナーと言えば教育や有機・自然農法の一種であるバイオダイナミック農法(ビオデュナミ)等が有名ですが、他にも色彩論、オイリュトミー(舞台芸術)、哲学等々、神智学から人智学を起こした神秘学者として広く活動した方です。

学生の頃、シュタイナー教育に携わる方と知り合い、後、卒論のテーマを探しているときにオイリュトミー(目に見える言語表現)に出会い、思想や評伝に関する数少ない書物を図書館に探しに行きました。
まま色々あるのですが、19世紀末-20世紀前半にドイツを覆っていた黒魔術に対する白魔術の実践者というオカルトチックな側面に興味を持ったということは否定いたしません。

シュタイナーに関しては私が旅行記などで取り上げるにはおこがましすぎるので、万一何か書く場合でも場を改めたいと思っています。

ゲーテを理想とし、極めて多方面にわたる思想には、目を開かされたり、深く考えさせられたりするような個所もあれば、全く理解できなかったり、怪しくて胡散臭そうな個所もあります。
ですが、思想というものは、読んでみて自分の中に残ったものだけ糧にすれば良いのではないでしょうか。

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私の学生時代は何でも便利にインターネットで検索できるような頃ではなかったので、ドルナッハがどこにあるのかもよくわからず、名前だけは憶えていたのですが、調べることもせず自分には手の届かない場所と勝手に決めつけていました。

ある時バーゼルのホテルのフロントで見覚えのある書体のパンフレットを見つけ、まさかと思いながら手にしたところ、なんとゲーテアーヌムのイベントプログラム。よく見れば、ドルナッハはバーゼルからのトラムで終点程の距離… その時行くことはできなかったのですが、次の休暇先はスイスに決まりました。

今考えてみても、学生の頃では恐らくここまでたどり着かなかっただろうし、卒業後でもドイツ語が足りずガイドツアーにはついていけなかったと思います。
そこそこ仕事もして、お金も時間もなんとかできて、ドイツ語でも身の回りのことができるようになってから、ひょっこりと現れたチャンス。

今更、研究するわけでもないのですが、興味を持ちそれなりの時間をかけて調べたことではあるので、一区切りの意味もかねて訪問。
当時本で見た建物や彫刻、色彩等を目にして、ここまで来たんだなぁとしみじみしたことを覚えています。
長くかかりましたが、何だかやっと卒論を提出し終えたように思いました。

どんなに難しいと思えることでも、何か心に引っかかったものがあれば忘れずに覚えておくと良いのでしょう。
その時が来れば、きっと向こうからやってきてくれるはずです。

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(2003年の回想録: 写真はフィルムカメラにて撮影)

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