韓国映画「コインロッカーの女」感想文


コインロッカーに捨てられた少女はホームレスとして駅の中で育つ。
やがて、裏社会で生きる「母さん」(キム・ヘス)と出会い、1度捨てられるものの自力で戻り、組織の中で凶暴な少女イリョン(キム・ゴウン)として働き始める。
イリョンは借金の回収をするために、顧客のもとを訪れ、そこでその息子(パク・ボゴム)と出会う。
屈託のない笑顔で無邪気に応じる彼にイリョンは好感を持つ。
イリョンが激しい追い込みかけないことにしびれを切らした「母さん」は、彼に処分を下すことを決める。
命令を下されたイリョンは彼を連れて走り出すのだが…。

たくさんの名作を詰め込んだような話だった。
何となくリュック・ベッソンが作る戦う少女という感じ。
ヒロインは、「ニキータ」のニキータであり「レオン」のマチルダである。
また、時に溢れ出しそうな母性は「セーラー服と機関銃」の星泉みたいだった。
ただ、これらの作品と違うのはヒロインを育て成長させるのは男性ではなく女性であること。
世界観は「ゴッドファーザー」。
日本、韓国、イタリアの映画には、「家族」というしがらみが、本物、疑似問わず根底に蔓延る。

「母さん」は、イリョンを含めた子どもたちをとことん突き放し、時に冷酷な判断を下す。
それでありながら、一貫してこの映画に流れているのは愛情であるから厄介だった。


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