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離婚とやら

先日、仕事先で初めてご一緒した男性ディレクターさんがいた。

間に入ってくれた友達が私のことを紹介するときに「もう大きいお子さんもいるんですよ〜」と紹介してくれ「へぇ!見えない!」と、それ以外に返事できないだろうないう想定内の返しをいただいた。(ありがたく頂戴)

「若いときに結婚されたの?」

「そうですね、ハタチでしたね。もう離婚しましたけど。」

「おぉ。おめでとうございます!」


この返しは予想外。

バツイチです、とか

離婚しました、とか言うと


女の人は「よかったね」「おめでとう!」「やったじゃん」って返してくれることがほとんど(笑)

男性は「あらら」「大変だね」「がんばってね」とか当たり障りない感じの返答が多い。

この違い、おもしろい。

男性から「おめでとうございます!」って言われたのはじめてだなって、ふと。


もう5年前の話だけど離婚することになり、そのときに夫から言われたのが「子供を育てていけるのか」ということだった。


離婚はするけど。

え?なぜ?私が生活費のすべてを捻出するテイで話してるのだろう・・??と、呆れた

私がおかしいのか、世の中の離婚する夫婦はみんなそんなものなのか、統計が分からないが。

夫さんは、離婚したくなかったので、とにかく難癖をつけてきた。

・生活していけるのか

・私がシングルファザーの家庭で育ったので、子供に同じ辛い思いをさせるのか(ちなみに、私はソレが理由で不自由したことはないし、辛いと言ったことも無い)

・他に男ができたのか(新しいパートナーに養ってもらうと思っているよう)(もちろんパートナーなどいないし、このころはむしろ恋人なんて一生いらないとうんざりしていた)

他にも散々言われたが、ほとんど覚えていない。

離婚に向けての話し合いは、それまで何度かあったが平行線のまま数年が経過していた。

お互いの家族も借り出され「もう離婚しなさいよ」と言われる始末だった(笑)

「子供を育てていけるのか」

確かにコレは、私も一番の不安要素で、なんとかなる・・・と思っていたけど別居するにも当時中学生の息子と、小学生の娘の3人暮らしをするための部屋探しで瞬時に心が折れた。

学校は転校したくないという子供たちの希望があり、親の都合で離婚するのだからせめてそこは叶えてあげたかった。

私が住んでいるエリアの家賃相場は単身向け1Kで、およそ10万円

1LDKが18万円
ファミリータイプ2LDKが27万円

もう白目向いて吐きそうな意味分からなさ具合。

この金額はちょっと高いので、グレード下げればもうすこし安価ではあるけど学区内となるとカナリ限定的。

平米数に対して、人数の制限というのもあり30平米以下だと3人は住めないらしい。現実的にもかなり狭いけど、30平米以上となると安くて12万ほどは見ておかないと部屋は借りれないと知った。

あとは、意外とお子様NG物件が多い。
これは悲しかった。

将来、この子たちが税金払いますけど。家主さんたちの生活助けますけど・・いーんすか、そんなこと言って!

知り合いのツテで紹介していただいた不動産屋で、なんとか子供と3人で住んでもいいよとOKが出て内見に行けた物件は2件だった。

たったの2件かと思ったが、選べるだけまだマシだったかもしれない。

①築20年の1Kマンション
オートロック付き ユニットバス
部屋は・・・6畳 ここに3人は無理すぎる

②築40年の1DKアパート
バストイレ別 和室とDK
現実的で最低限の広さはあるが、めちゃくちゃ趣がある・・はっきり言ってボロい・・・コントに出てくるような・・・

その日のうちに②に決めて手続きをし、お友達のハイエースで3往復してもらって引っ越しを完了した。

古かったけど、住めば都!!!狭いし、地震来たら木造アパートだから、ミシミシすごい揺れたし、壁薄いから隣の人のお部屋に来客があれば話声も聞こえてきたけど

親子3人で自転車に乗り、コインランドリーに洗濯を放り込んで銭湯に入って

長風呂の息子を待ち、ガリガリ君を食べながら帰宅した日々。数年前の記憶だけど、いま思い出しても何とも言えない感情で泣けてくる。宝の思い出。

息子が「こんなボロいアパート住んでたら友達にいじめられる!」と言ったことがあったけど「そんなこと言う人は友達じゃないよ」と言ってあげるのが精一杯だった。

でも、翌日家に帰ったらさっそく息子の友達遊びに来てるし、なんなら泊まってったし、なんなの、うち友達がたまるようなキャパ無いんだけど!

狭いんだけど、おい!いじめられるとか心配してたヤツ誰だよ!!って笑ってしまった。


趣のあるアパートにて(笑)

親が離婚することは、子供の人生で一大事だと思う。ショックじゃないわけがない。

ただ、それが悪いこと、悲しいこと、いけないことだと思ってほしくなかった。親のエゴだったとしても。

結婚も離婚も幸せになるための選択肢。

学校のお友達とも全員仲良くしなくていい。嫌いな子がいても、それは悪いことではない。  

離婚しても、夫さんには幸せになって欲しいと思っているし、感謝もたくさんある。健康で元気でいてほしいし、なにより子どもたちにとって、パパは一人しかいないのだから!好きだと伝えて、会いたいときに自由にあって良いし、なんなら、住んでる家が別・・なくらいの感じで受け取ってくれれば、と私なりにいろいろな伝え方をしたのが良かったのか?受け取った子どもたちを早く大人にしてしまったのか、母の前で悲しんだりやさぐれたりすることはなく、毎日毎日キャイキャイ狭いアパートで過ごした。


ひとり親家庭って言うことで悲壮感とか出したくないし、かわいそうって思われたくないってプライドが伝わっていたのかもしれない。

現実に「あなたたちは可哀想な子ではない」と言い続けてきたし、ママも可哀想な人ではない、不幸ではない。


離婚して家は狭くなったし、古いし

世帯収入が、私のみだから裕福ではないし、ありあまる富はないが、そんなのは己で手に入れてもらおうと思う。

あたたかいごはん、雨風をしのげる家、学校に行く環境。これが、わたしが準備してあげられる幸せの形であり、毎日「今が一番しあわせ」を更新している。

離婚を悩んでる方にオススメするわけではないし、離婚した人には(内容にもよるが)「おめでとうございます!」と声をかけている私。

おめでとうございます!は、新しいスタートだね!気持ちよくヨーイドンしてね!の意味で言ってる。

1つ言えるのが
「なんとかなる」

絶対に大丈夫。
おめでとうございます!


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