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【かみ砕き解説】住宅を買う際のBS(貸借対照表)の視点とは-その1-

先日PIVOTにて住宅購入の視点について展開されていましたが、
”BS思考”という表現がされていました。


BSの視点があれば、お金の面でどう考えて家を買ったらよいか理解は進むというような表現はされるものの、
動画の中でもBSに対する反応はイマイチな様子。


つまるところ、貸借対照表って何者だ
BSってどう考えたらいいかわからない、

という話を私自身周りから聞きます。
会計をやっていない方はBSの意味さえハテナが付くと思います。
そこで今回は住宅購入の話に絞ってこの話をかみ砕いてみようと思います。


1.そもそも、BSとは?

BSは資産と負債が対になっている


この図は簿記の勉強をする方だとよく見かけると思います。
左側が資産、右側が負債。
(超シンプルに考えるため、あえて純資産は除きます)

この形がBS:貸借対照表の基本です。
左(貸方)、右(借方)が対照になっている。
そのまんまです。

読み替えをします。


家庭の話で考えると、基本的下記のようになると思われます。

負債があるとそれで何かを買ったハズ

つまり、財産を手にする際に、
手元資金で賄えない場合はローンなどの負債と引き換えに購入しています。

☆具体例

・オートローンを使って車を買った→ローンで借りたお金を元に車を買った

・住宅ローンを組んで家を買った→ローンで借りたお金を元に住宅を買った


ここで、住宅ローン(フルローン)を使って自宅を購入したとします。

住宅という財産とローンが両建て

こんな関係図ですね。
左右に住宅という資産と、ローンという負債が同じ額で並びます

企業の会計だとこうもいかないので、BSが次第に複雑になるのですが、
基本の考え方はこれでいいのではないかと思います。


2.BSはこうやって動く

住宅を購入したところまで割とスムーズだと思います。問題はこの後。
住み続けるとこれがどう変わるか。

これを、

(1)ローンの視点(返済の過程で何が起こるか)

(2)住宅という資産の視点(ローンを払った先がどうなっているか)

というパターンで紐解いてみようと思います。


(1)ローンの視点

ローンは返すことで、少しずつ減っていくと思いますが、
その"返す"という話はどういう仕組みで回っているか、
図にしてみました。

ローンの元金の支払いと利息の支払いは別物

ここでようやく冒頭に挙げた動画に関わってくるのですが、
多くの方は、負債の返済と利息の払いを一緒にして見ています。
言い方を変えると、家計に関してはキャッシュフローだけを見た理解になっている方が多いと思います。

キャッシュの入と出が管理上楽ではあるが…

普通家計のやりくりであればこのキャッシュフローをベースにした考えでも、特段問題はなさそうな気がします。
ところが、家をテーマにすると、
この話では追い付かなくなります。

動画中でも指摘していましたが、
賃貸派持ち家派の比較のロジックとして、
ローンの支払いと家賃を比較に出すことが多く、
それでは不十分という話がありました。

それは、このBSを元にした考えとキャッシュフローの考えを混同していることに起因しています。

ぱっと見は出ていくものが同じに見えるけれども…


(2)住宅という資産の視点

先の図だけ見るとローンの払いと家賃の払いが同じように見えるのですが、
ここにBSを追加すると次のような関係になります。

ローンは支払いの後に住宅という資産が残る

つまりは、支払によって、

・負債となる部分が減っているのか(=一方で資産を残している)
・その場の費用(経費=ここでいう家賃)として払い切りで終わるか

ここが一番の違いになります。


3.次回テーマ

ここまでの内容で、資産を残す持家派が有利なようにも見えるのですが、
この話には続きがあります。

家は住むと消耗し、時間の経過と共に価値も下がります。

建物も住んでいるうちに価値が下がる


この話で、また振り出しに戻りそうですが、
ここから話は更に膨らんでいきます。
売買の話、そこに関わるローンの話をまだ残しています。

記事が思ったより長くなってきましたので、
分割して残りを次回にします。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

それではまた!





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