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てりたまさん出版記念レビュー🍳

投資家仲間としてお付き合いのある「てりたまさん」が少し前に本を出版されました。
題名は「マニュアルには載っていない会計士監査現場の教科書」。

会計士の先生は他のシチュエーションでお世話になる機会もあるのですが、
現場第一線で監査される先生方は、すごくキレッキレの仕事の印象があります。

そんなてりたまさんの本を読んで、
税理士の視点としてどう思うか、
簡単ですが、レビュー(というか単なる感想)したいと思います。

いろんな方がこの本をレビューされているのを見て、
てりたまさんがTACで学習されていたことを初めて知りました。
同じくTACで税理士を取得した者として、資格の形は違えどこのような会計分野でご縁があってホント光栄だと思います。

てりたまさんの記事はこちらからご参照ください。



1.いきなりの結論 本はBuyなのか


スタートからこんな話で恐縮ですが、
会計士を目指す、もしくは合格した方に限らず、
税務に関わる人でも是非読んでほしいです。

その理由は2つ

・税務の仕事をする立場から見て、場合によっては利益相反になるクライアントと物事にどう向き合うべきかの話が似ており、必要なエッセンスが盛り込まれている

・どのような視点で監査を行うか、税務会計とは違った視点があり、それを念頭に置きながら税務を行うことに有益な点がある

私が推したい理由は特に前者の方になります。

本の中に書かれている話とは異なりますが、税務でも似たような話はあります。

先生、なんとか税金安くならんかなぁ?

これ、なんとか経費にならないだろうか

税理士としてNOと言わなければならない瞬間ももちろんあります。

ただ、できない、無理だという話をするだけでは、
相手方の納得、更には信頼を勝ち取ることは難しいです。

ここって、この場面に至るまでの信頼関係の積み上げでもあります。
普段からの仕事がいい加減では、そもそもが信頼すら積み上がっていない。
それで説得させるのが大変なんです。

そのクライアントと向き合う姿勢は、普段私が配慮している仕事の話ととても似ていると感じる部分がありました。


2.機会あれば会計士の先生と仕事をすべき


税務に関わる中ではなかなかそういう機会に巡り合うことがないと思いますが、仕事の範囲がクロスする瞬間が一部あります。

その一つはM&A(企業の合併・買収)です。

税理士は主に中小企業をクライアントとして仕事をしますが、
その企業が他の企業を買う、もしくは買われる、
という時にデューデリジェンス(業界では略してDDと言ったりします)という過程を通ることになります。

DDとは簡単に言えば対象企業の価値算定、もしくはリスク等の調査を指しますが、DDも会計に限らず、

①財務DD…財務上、事業上からの本来の価値算定
②税務DD…過去の調査の結果、納税の状況など、税務上のリスク算定
③法務DD…労務、法務上のリスク、許認可などのリスク算定
などいろんなものが存在します。

この場合に、監査をされる先生は一通りの把握はされている上で、
特に私のような税理士とは①と②の話をすることになります。


ここから専門用語的な書き方になってしまいます。
会計は貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)で大きく成り立っていますが、
会計士の先生は本当に儲かっているか、決算が正しいかどうかをBSを基にして判断されます。
(もちろんそれだけではないですが、BSの重要性は大きいはずです)

理由を書きだすと何日もかかりそうなのでここでは割愛するのですが、
この視点は税理士でも必須だと個人的には思ってますし、
特に会計士の先生はBSに関する感度が高いです。

また、この視点は会計業界ではそれなりに有能なスキルになります。
是非そこまで身に付けてみてはいかがかと思います。


3.先人の経験が詰まっている本


本を最後まで読んで思うのは、
教科書、という題名もそうですが、
実体験というエッセンスが盛り込まれたいわゆる経験値としての書になると思います。

長きにわたって大手監査法人に勤められ、
監査に向き合われた中に蓄積したエッセンスを詰め込まれた本は、経験値を短期修得するための糧となります。

後進育成のために日々尽力いただいているてりたまさんの著書に感謝しつつ、是非お手に取っていただけたらと思います。

簡単ですが、これでレビューとさせていただきます。

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