備えの自給自足で畑はちょっと待って! 付録#007
昨今、世の中の不安定化もあって、
自分たちで食糧を自給した方がいいんじゃないか
という人々が増えてきたように思います。
その中で大体の人が野菜のタネを買い求め畑をやろうとするのですが
そんな人に言いたい。
「ちょ、まてよ」と
季節での偏り
トマトもきゅうりも山ほどある時期は限られてるので
大量に取れた時は瓶漬けにしたり、塩漬けにしたりします。
大根、白菜、カブだって大量にできるけど
ほとんど塩漬けか干し大根やキムチなどの加工品でしょう。
しかし
そういった野菜たちをいつも食べているでしょうか?
食糧難の時に
塩漬けの野菜とトマト煮とキムチさえあれば生きていける人は
どのくらいいるでしょうか。
毎日、皆さんが食べている食生活では何が一番大事でしょうか?
それは主食である
お米
ではないでしょうか?
食卓の消費が多いものから栽培する
自給自足を行う上で大切なのは
テーブルを見渡して
一番消費されるであろうものから栽培すること
日本ではほとんどの場合は
お米がまだまだ首位ではないでしょうか。
話はそれますが
昔は家族の中で誰かしら農家で田畑に出ていましたから、稲作が身近なものでした。
東京であっても新宿の周りでさえ田んぼが広がっていたのです。
満州帰りの日本人帰還世帯も農産技術を持っていたことで
その後の身を立てることができたと言われています。
現代日本人はほとんど主食の生産現場から切り離され興味もなく、知ることもないといった状態になってしまいました。
これは歴史的な観点から言えば
食のインフラの防衛、さらには民族の自主独立にとっては危ういサインなのかもしれません。
いつの時代も人は食糧危機によって我に返り
田畑の大切さ、土やタネ、自然の大切さを痛感し、またそのようなマインドの変遷は社会情勢と共に繰り返されてきたとも言え
今はまさに変化の時期なんだと思います。
さて、主食はまだまだお米という食習慣が残っている今日。
稲作を知ることは食や生活の防衛でもあり
環境や地域を守ることにも繋がり
やはり何よりも、自分たちで栽培したお米を食べるというのは、
皆で感動を分かち合える尊い喜びでもあるとも思います。
ハードルは高いが選択肢はある
ただ、稲作は工程が多く、機械関係か牛馬などのパワーを頼ることになります。
そういったハードルの高さから稲作生産者は
農業者の中でも専門性の高い安定した職業でもあります。
ここで安定したと書きましたが
稲というのは台風や天候の不順にとんでもない強さを持っています。
土壌のバランスが肥料などで偏っていなければなおのことです。
ですから安定した収量やクオリティに結びつきやすい特徴があります。
そうなるとやはり自給自足をやるなら断然お米が主ですので
強く自然栽培稲作の体得をお勧めしています。
もし、自分で実践するのが難しければ
近くで自然栽培を知っている生産者と協力する形で
手伝ったりしてコミュニティを作っていくのがいいでしょう。
それも難しければ
信頼できる生産者と年間契約を結んでおくことをお勧めします。
次は大豆。とにかく穀物。
お米の次に消費が多いものは何でしょう。
味噌・醤油・または納豆などでしょうか。
その原料は大豆です。
大豆はエストロゲンという女性ホルモンに関わる成分が多いため
豆乳や豆腐のとりすぎはあまり勧めません。
大豆は発酵させて食べましょうというのが自論です。
味噌や醤油の仕込み方もマスターできたらさらに良いですね。
そのほか、麦やそば、雑穀類など、穀物類は何かと消費量が多いので
畑をやるなら穀類もちゃんと生産できてた方が良いでしょう。
こちらもお米同様、生産者との年間契約がおすすめです。
また、塩や砂糖などの調味料も厳選して揃えておきましょう。
酢は手作りの柿酢がおすすめ。柿は本州であれば捨てるほどなっていますのですぐつくれます。
ただ熟成には時間がかかるので毎年仕込むのがいいと思います。
また、油は原料分離の際にヘキサンを使用していない、酸化していない油を探しましょう。
ここでようやく野菜
ここまできてようやく野菜の登場です。
同等にやはり動物性タンパク質も考えると
卵が欲しくなります。
自給自足をするなら鶏も飼っておきましょう。
もちろん、広い面積を確保してからのお話です。
10aに10羽を目安にスペースに余裕を持ち
自然栽培の野菜を餌に育つ鶏は健康的に育ちます。
自然栽培の野菜を栽培しながら卵やお肉も恵んでいただくと
食料に関しても充実してくるように思います。
野菜を栽培する時には、備蓄ができるものから栽培します。
ジャガイモ、玉ねぎ、ニンニク、にんじん、などの順です。
その後で季節の葉物があれば十分でしょう。
ハードルの低い順からいけば
ジャガイモ
にんじん
ニンニク
玉ねぎ
の順で、玉ねぎは土壌がフィットしていなければしっかり育てるのは難しい野菜です。自然栽培の玉ねぎともなれば、年月をかけて獲得した土壌バランスが不可欠です。
土壌の性質にもよりますが条件が整っていればまずは、ジャガイモから始めるのがいいかと思います。
個人の畑の場合は自由ですが、出荷生産者の場合は
畑を始めて最初の2、3年は過去の肥料分の代謝のため、植物による土壌クリーニングが必要とされる場合が多いかと思います。
虫や病気が発動しない自然栽培のクオリティに近づけるためです。
個人の場合でも土壌クリーニングはしたほうが虫や病気が出にくくなる傾向はありますので、
栽培区画とクリーニング区画を分けて展開していくことをお勧めしています。
ここまで具体的に順番を追って説明してきましたが、そもそも、お米より、穀物より、野菜よりもっと重要なものがあります。
それは、水です。
水の確保
水は本当に大切です。綺麗な湧き水の出る場所をしっかり押さえておく必要があります。
自分の体質に合った水源の近くに住むことがベストだと思います。
その上で食の備えを考えるとより安心感は得られるでしょう。
しかし、だからと言って安全であるとは限りません。
もしもの時は助け合おう
自分だけが良ければいいという思想は捨てた方がいいと思います。
誰かと協力して、助け合って困難な時を乗り切るような姿勢は大切です。
これがあるかないかでも死活問題につながることもあろうかと思います。
自分の信頼のおけるコミュニティに参加しておくことは、そういった時期を乗り切るには心の支えにもなってくれますし、
今から備えておくのもいいかもしれません。
まとめ
以上、ただただ自給自足で畑やってれば大丈夫ということはない!
ということをお伝えしたく記事にしました。
大切なのは協調とバランス。
あなたがもし生産者であるなら求める人に分け与えてほしい。特に子供達に。
困難なときをみんなで乗り越えるにはどうすればいいかを考える人が増えて欲しい。
そのように願っています。
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