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胸糞悪さは仕組まれていた!?バチェラー3がここまで話題になった5つの理由

こんにちは、20代で大企業のマーケティング領域 部長職を担わせていただいている孔明(@komei_marketer)です。

このノートでは、最近流行っているモノの理由を分析して、ざっくばらんに自分の意見をまとめ、マーケティング活動を行っている方々に対して「日々の活動に参考になるもの」を届ける目的で書いています。

今回の記事ではバチェラー3を取り上げてみたいと思います。

バチェラーはシーズン1放送時から観ていた(しかも毎回金曜0時の最新話更新時に速攻で視聴)のですが、特にバチェラー3で視聴者が爆発的に増えた印象があります。調べてみると、バチェラー3が公開されてから「バチェラー」というキーワードのGoogleトレンドスコアはとてつもなく伸びていました。

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» 引用)Googleトレンド 検索キーワード「バチェラー」

これだけ話題になっている本番組ですが、残念ながら「マジで胸糞悪い」という意見がソーシャル上の大半を占めます。ただ僕が感じているのは、Amazonプライムのマーケティングとしてはかなり成功していると思いますよ、ということです。その秘密を探るべくnoteをまとめてみようと思います。別にシーズン3で登場する、特定の人物の肩を持つつもりはないので、あしからず笑。

※以下「番組のネタバレ」を含んだ内容となっております※

0. バチェラーってなに?

バチェラーとはAmazonプライムで放送されている「恋愛リアリティ番組」のことです。最近様々な恋愛番組があると思うのですが、バチェラーの特徴は以下の通りです。

■登場人物
・バチェラー(=ハンサムで社会的地位を確立している才色兼備の独身男性)とバチェラーの心を争う20人の独身女性

■番組ルール
・バチェラーと20人の女性たちは「真実の愛」を見つける旅を行い、その中でゴージャスでロマンティックなデートを繰り返す
・毎話終了時にローズセレモニーと呼ばれる、バチェラーが気に入った女性に対して「薔薇」を渡す儀式を行う
・その回で「薔薇」を貰えなかった1人~5人の女性については退場となり、以降の番組では登場しない
・最後の1人になるまでこれを繰り返し、最後の1人に選ばれるとバチェラーはその女性と結婚を前提に付き合う

このような恋愛番組なので、他の恋愛番組と比較して「1話ごとに結論があり、番組構成として最終話までダラつきにくい」ことが特徴です。

また最後の1人に選ばれたら(一応)結婚相手として認められる、という設定なので、特に20代後半男女にウケがいい印象です。
※やはり自分ごと化しやすいテーマだと、共感が生まれやすく視聴ニーズが高まるのではないかと思います。

さて、ここから本格的に「流行った理由」について分析していきたいと思います。

1. 理由1)綿密に練られた本編公開前プロモーション

シーズン3を1ファン目線で観ていて特徴的だな、と思ったのは「シーズン3の本編公開前から、いままでのシーズンを観ていた人に対して丁寧に情報発信を行っている」点です。

下記シーズン3の製作発表が行われてから、シーズン3本編が実際に公開されるまでの情報発信をまとめてみました。

191104_バチェラー

» 参考)Twitter バチェラー・ジャパン【公式】Amazonより作成

以下特徴的な情報発信をまとめます。

■2019/6/14 参加女性陣20名発表&予想スペシャル

参加女性陣のプロフィールを公開しつつ、ナインティナインや指原莉乃といった有名人も出演した「予想動画」をYouTube上にアップしています。
※おそらく「女性のプロフィール」と「豪華キャストを使った予想動画」を同時にアップすることでPR効果をあげ、媒体掲載率を上げることを狙ったのでしょう。

■2019/7/23~ 名シーンプレイバック

上記のように、主にTwitter上でシーズン1、2で特徴的だったシーンを切り抜いて、「いままでの視聴者の懐古感」を煽るような短編動画を多数アップしています。

■2019/8/23~ モンスター解放まであと●日カウントダウン

21日前(=3週間前)から「モンスター解放まであと●日」というクリエイティブで、連日カウントダウンを行っています。公開日に着目させつつ、女性陣に興味関心が湧くような、良いクリエイティブメッセージですね。

以上のような、丁寧な情報発信を行うことで、本編公開を行った9月13日時点での「今までシーズン1、2を既に観たことのある視聴者」に対して、シーズン3の期待値を最大限高め、公開タイミングでの話題最大化に寄与したのではないか、と思います。

2. 理由2)関西圏を狙ったキャスト陣と番組構成

バチェラー3で1つ特徴的だったのが「関西を贔屓したキャスト陣と番組構成」だったことです。下記を見ていただければわかるのですが、番組構成上重要なポジションを持つキャストについては関西出身者を中心に組み立てられています。

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» 参考)Amazonプライムビデオ バチェラー・ジャパン シーズン3より

■関西勢で重要なポジション
・バチェラー友永さん
・Episode10で最後に薔薇をもらった水田さん
・Episode8で落ちてしまったが子供がいることを告白&バチェラーを常に翻弄していた田尻さん
・Epi4の2on1で中川さんと戦って落ちてしまった金子さんなど

これは完全に私の想像なのですが、今回のバチェラー3は「関西視聴者」を増やすためにキャスティング、番組構成を組み立てていたのではないでしょうか。同郷出身かつ関西弁で喋っている方が出演しているTV番組は、標準語で喋っている他の番組と比較して共感を生みやすいですし、興味関心を湧かせやすいのではないかと思います。バチェラー友永さんの関西弁は耳に残るものがありましたし、神戸訛りの独特の喋り方は「友永構文」としていじられるほどです。

ちなみに関西視聴数が伸びているのかな、と思い、参考情報としてGoogleトレンドを調べてみたのですが、有力なファクトデータは出てきませんでした(泣)

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» 引用)Googleトレンド 検索キーワード「バチェラー」

3. 理由3)話題にしやすいシナリオ設計や演出構成

バチェラー3では「構成がうまいな」と思わせられるシーンや演出がとても多かったです。具体的には下記のような点です。

■話題にしやすいシナリオ設計や演出構成
・1話完結で話が終わるため、感想を述べやすい
・金曜日0:00更新(※金曜夜の会社の飲み会etc.で話題にしやすい)
・次回予告に常にフックをつける
・フィナーレに向けて期待感を煽るクリエイティブを採用する

■次回予告に常にフックをつける

その中でも「次回予告に常にフックをつける」というところに着目してみます。下記は各エピソードの一番最後に付いている「次回予告シーン」で特徴的なセリフを切り出してみました。そのうえで、その隣に「制作意図の解釈」を自分なりに入れてみたのですが、やはりこうして言語化してみても、「次回エピソードを観てもらうためにどうやって視聴者の期待を高めるのか?」という点を大切にしているように思えます。

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» 参考)Amazonプライムビデオ バチェラー・ジャパン シーズン3より

●次回予告の妙
・Epi3:次回Epiで2on1があることを伝える
・Epi5:田尻さんに子供がいることを次回カミングアウト、することを伝える
・Epi6:ローズセレモニー前に友永さんが「薔薇を渡せない」ことを女性の誰かに伝える、ことを予告する
・Epi7:田尻さんの子供に友永さんが「お父さんができるってなったらどう思う?」というシーンがあることを伝えるetc.

細部の話かもしれませんが、このような構成や演出のすべてが「ねぇねぇ昨日のバチェラー観た!?」「次わたしは●●が薔薇貰えないと思う!」「でも次回予告的には●●が落ちるんじゃないかなー」といった、話題~口コミを生む力になっているはずです。

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■胸糞悪さは仕組まれていた!?バチェラー3がここまで話題になった5つの理由
理由1)綿密に練られた本編公開前プロモーション
理由2)関西圏を狙ったキャスト陣と番組構成
理由3)話題にしやすいシナリオ設計や演出構成
理由4)本当の最終話は「●●●」として仕組まれていた
理由5)結果論としてよかった●●●●

■マーケティング観点でのまとめ(+今後の展開予想)


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