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LEON 愛と成長の映画

はじめに

 どうもkomeiです。今回は1994年に公開された映画「LEON」について書いていきたい。題名は短絡的かつ浅いまとめだが、大きく愛と成長が印象に残った。

概要

 あらすじはWikipediaででも見ておいてほしい。一言でいうと、殺し屋と少女の復讐物語。

 監督のリュック・ベッソンのハリウッドデビュー作であり、出世作。彼の初期の映画「ニキータ」の登場人物から着想を得た。

 ただ、マチルダ役のナタリー・ポートマンが、レオンと次の作品に出たことで、「子どもなのに性的対象として見られたことで、私自身の性的な関心は奪われたと思う。性的な存在になることが怖かったから」と語るような事態になったことは、問題視されなければならない点である。
 彼女はロリータとみられることを避けるために、意図的に真面目なイメージを作り上げなければならなかったと言う。

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 ただ、作品としては素晴らしかったと思う。レオンは愛という観点から語られることが多いと思うので、そこから書いていきたい。

 12歳の少女と40代後半の男というと完全にアウトだが、レオンにはそのいやらしさというかダメだろと思う要素がない。

 ただただ純粋に男を好む女と、受け入れてはいけない事情を持ちつつも惹かれていく男の物語という感じがした。
 初恋に気づいたマチルダは積極的にレオンにモーションをかけていくが、彼は応じず、しぶしぶ身を匿わせる間に落とされるという印象。

 愛とは何かということの一つの答えを提示したのがこの映画だろう。最終的にレオンは自らを犠牲にしてもマチルダの願いをかなえた。そうせざるを得ない状況だったことは否定できないが、もしレオンが生きて帰れる状況でも、自分の手のみを汚してマチルダの希望をかなえただろう。
 生きて帰らなければ意味はないという人もいようが、相手の望むことを何としても実現させるというのが最大の愛なのかなと思った。

初恋 

 名シーンの一つとして、マチルダがレオンに惚れたことを告白する場面が挙げられる。

 何で初めての恋なのにそれが恋だとわかるのかとレオンが尋ねたところのマチルダの回答が白眉。
 'Cause I feel it. 
   ...in my stomach...it's all warm.
 素晴らしい。

きっかけ

 隣の部屋に抑々住んでいたのだが、マチルダが買い物に行っている間に彼女の家族が殺されており、殺した人たちがいる状態で、マチルダはレオンに助けを求める。
 ここでのやり取りでレオンはマチルダの心をつかんだのだと思う。マチルダは異母姉に苛められていて、あの豚が殺されて清々したというような言葉を放ち、レオンは「豚をそんなに悪く言うな。家にもキッチンに豚がいる」というようなことを言う。買ってきたものを置くのにキッチンに入っていたマチルダは嘘だと言うが、レオンは豚がいることを証明するためにキッチンへ向かう。すると豚を模したミトンをつけたレオンがパペットのようにしゃべり始める。そこで、それまで強張っていたマチルダの顔に漸く笑顔が見られた。

成長

 同棲をつうじて、二人ともが成長していく物語でもある。マチルダは殺し屋のスキルを身に着けるとともに、愛を学んで大人の女性に成長していく。

 レオンは読み書きを習うとともに、昔のつらい愛を乗り越えて成長していく。

牛乳

 上の文章を書いてから二週間ほどたったが、続きを書いていきたい。トレーニングシーンには印象的な飲食物が必要である。ロッキーなら生卵だし、LEONなら牛乳である。
 牛乳を買いに行ってマチルダは命が助かり、牛乳を飲んで殺し屋として、女として成長していく。

ナタリー・ポートマン

 なんといっても彼女の演技が最高だった。今まで観た映画のヒロインの中で一番かもしれない。

 少女の幼さと内面の大人感のアンバランスを上手く表現していた。内面は表情や態度の落ち着きなどに表れ、幼さは外見と庇護される立場に主に表れていたと思う。

 今作で個人的に最も気に入ったというか、すごさを感じたのは、マチルダが家族が殺された際に買い物から戻り、レオンの部屋に入れてくれと泣いて懇願するシーン。あのナタリーの表情は忘れられないし、必死さが顔全体にあふれていた。

ジャン・レノ

 殺し屋モードと部屋モードのギャップがいい。サングラスに漆黒のコートを着た時の威圧感がすごい。

 マチルダに詰め寄られて困惑する演技や、ビシッと言うシーンなどきっちり決めていた。

 死に際のシーンがよかった。

スタンスフィールド役の人の狂気な演技も素晴らしかったが、書き疲れたのでこのあたりで終わりたい。

また観る作品。

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