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『映像業界・テレビ業界の問題点について』取材を受けました

※取材は2023年12月2日に公開されたものです。twitterでは告知していましたが、noteでは載せていなかったので改めて掲載します。


*記事より一部抜粋

「24時間『死ね』と言われる」「病んで倒れて一人前」 テレビ業界のイジメ体質と問題点を現役映像作家が告白
現役映像作家で障害・虐待・機能不全家族に関する社会活動にも取り組む米田愛子さんが実名で告白。

~省略~

――どんなクライアントだったのでしょうか。
米田:公共放送のとある番組制作を委託された会社の男性ディレクターだったのですが、24時間以上ぶっ続けで「死ね!」と暴言を吐かれるんです。

~省略~

――ハラスメントや暴力が横行する原因は何だと思いますか。
米田:まずは加害者に加害意識が全くないことだと思います。現在私は顧問弁護士と共にハラスメント・誹謗中傷等について勉強しているのですが、いくつもの事例を見て、加害者が「一方的な好意」「正義感」「かわいがり」といった認識をもって良かれと思って加害している場合が少なくないと感じました。

 ジャニーズ事務所の性加害問題でもそうですが、前述の通り「独裁的権力のある環境」では被害が見過ごされ、表ざたになりにくいんだなとも感じます。
 また被害者側の意識に起因して声を上げづらくなっている場合もあると思います。

――被害者側の意識とは。
米田:私にとって映像業界におけるハラスメント問題が始まったのは実は学生時代からで、教員から「ホテルに行こう」と誘われたことがあります。
しかし

抜粋元:ねとらぼ

記事全文は以下をご覧ください🔽
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2310/13/news069.html

取材はテレビ批判が目的で受けたものではありません。

これまで触れられなかった事を知っていただきたいためです。
この問題は性別に関係なく起こっています。

私はスキルの面で業界から恩恵を受けましたが、テレビ以外にも舞台、映画、映像、ドキュメンタリーにおいて悲痛なニュースは絶えません。
その課題感から口を閉ざす事はできないと考えました。

テレビ業界の構造について知らない方は以下を参考にしてください。

制作・放送の現場では、元請け・下請け・孫請けの三社などがあります。
体験談では、この環境下で発生した派閥がハラスメントの一因でもありました。

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取材を受けた経緯と思い

先にも書きましたが、「テレビ以外にも舞台、映画、映像、ドキュメンタリーにおいて悲痛なニュースは絶えません。その課題感から口を閉ざす事はできないと考えました。」という衝動と思いが駆け巡ったのが2023年の夏でした。
経緯としては、私からねとらぼ様に取材依頼のメールをお送りしたのが始まりです。

それまでも、映像業界では性加害やハラスメントのニュースが度々話題になっており、私自身もモヤモヤしたフラストレーションが溜まっていました。

ただ当時は「自分なんかに何ができるだろう」と悩んでいました。

そんな中、行動に至るきっかけとなった出来事が起こりました

2023年7月23日、水井真希さんが亡くなられました。
あらためて、心よりご冥福をお祈りいたします。

水井真希さんについては、私は直接の知り合いではなく、SNSでツイートが流れてきたことで知りました。
この頃、映像業界には波紋が広がって、みな思い思いのツイートを波のように投稿していたように感じます。

断罪する者、擁護する者、傍観する者。
私もしばらく傍観していました。

ふつふつと煮える、言葉にできないモノが心にあるのは確かでしたが、だからといってどうすればいいのだろうと、悩んでいました。
しかし私には他人事には思えなかったのです。

ふつふつとした思いが日々増す中、私は水井真希さんの固定ツイートの全文を拝読しました。
そこには、水井真希さんの思いと告発が投稿されていました(2024年5月27日現在は削除されています)

〜5月29日追記〜
削除されたツイートは以下から読むことができます。
https://memento2024.hatenablog.com/

〜追記ここまで〜



水井真希さんの言葉で印象的な一文があります。

『ドキュメンタリー屋はクソ』

私は一応、ドキュメンタリー作品を制作した身ですので、ドキュメンタリー監督でありドキュメンタリー屋であると考えます。

クソという言葉の背景には様々な事象があった訳ですが、私は我が身を振り返らないといけないと痛感しました。
(私のデビュー作は障害者を取材したドキュメンタリーです。別の側面からすれば障害者を食い物にしている、という意見もあるでしょう)

『ドキュメンタリー屋はクソ』
この言葉を忘れてはいけないと思いました。
(正直、私自身のバックボーンも影響しています。機能不全家族のことも。)

この言葉は忘れてはいけない。

それでも、作品作りはやめられない。

映像業界。私に何ができる?何もできない?おこがましい?

このような思いが駆け巡り、ふつふつふつふつと、私の湧き出るモノは増して…爆発しました。

気づいたときには、メディア各社に取材依頼のメールを送っていました。
数十社送った中で、唯一OKしてくださったのが、ねとらぼ様でした。感謝しています。

私の言葉に意味なんてあるのだろうかと何度も何度も繰り返し悩みましたが、ひとつ確かなことがあり、行動に至った訳です。

それは、被害を受けた人に「自分だけじゃないんだ」と孤独感を払拭することができるのではないかということ。
私自身も他人の体験談を聞いて、苦しい反面、孤独じゃないなと感じることも多かったからです。

何が変わったか?

記事を公開したのが2023年12月。
約半年経った2024年5月現在。

映像や舞台、芸能業界内の動きでは、ハラスメント防止対策に関するステートメントが公開され、ハラスメント防止活動や、メンタルヘルスケアの重要性を再認識されてきている流れを感じます。

例えば、以下のようなハラスメント防止対策に公的支援(補助金)が出るようになったり。

action4cinema / 日本版CNC設立を求める会 より
2024.03.25の記事


おわりに

映像業界は私の憧れの世界でした。
私は家庭環境の影響もあり、映像の世界に逃げ込むように、生きるために視聴し、糧にしてきました。

なので、悲痛なニュースを見るたびに、言葉にならない気持ちになります。

ひとりの人間としては「こんなもんか」と思ってしまいます。
が、しかし
映像側の人間としては「いや諦めない。こんなもんじゃない」という強い思いもあります。

環境改善のためにできることはある。
少しずつ、よくなる。そう信じて。


虐待など様々な側面にも言えることで、ハラスメント問題にも共通する事実があります。

壊れた心と体は、壊れる前には戻りません。


この事実を理解して、誰もが安心して過ごせる社会を望みます。

実現していきましょう。




~profile~
・社会課題をテーマに活動する映像グラフィック作家
・映像デザイン事務所CreDes代表
・ヤングケアラーや機能不全家族についてのドキュメンタリー監督

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https://x.com/official_credes