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8章⑧【IQ高くなる】 3つ目のパラレルワールド 1/18/2019

IQ高くなる[平成31年1月18日(金)] 

ゼミで苦手なのは、意見を求められる時である。
ボクは黙々と論文を書くだけのゼミがあればいいのになあ、といつも思う。

特に才女の大杉さんの哲学的な論文は難解すぎて、よく分からない。
いきなり意見を求められて、オタオタしてしまう。
何が書いてあるか、全く理解できないのである。

1つ1つの単語を検索して、あー、そういうことが言いたいんだ、と理解するのにかなり時間を要するので、意見を求められても、
「いやあ、特にありません」
って、言うしかなくて情けない。

それに、ボクの発表に大杉さんの指摘は、鋭すぎて怖いのだ。
今日はお手柔らかに、と思いながらゼミに行く。


しかし、今日のゼミは、なんだか雰囲気が違う。

何人かの発表聞いて、あれ?変だなあと思った。
みんなの発表が、常識として知っていて当たり前の事柄ばかり。
中学生でも知っていそうな、勿論、ボクだって常識として知っていること。

なんじゃこりゃ?
一人が、常識的に間違ったことを発表していたので、
「それは、こういう解釈なのでは?」
とボクが常識の正解を言ってみた。

そうしたら、ゼミのみんなが、
「なるほど、そういう考えがあるのか」
って驚いていた!

教授から、
「いいところに目をつけたね」
という、お褒めの言葉を頂くが、

それ、小学生でも知っている常識なんですけど、皆さん、一体全体どうしちゃったのですか、と言いたくなった。
さすがに、言えないけど。
それでも、みんな、ボクの回答に真面目に納得しているので、目が点になってしまった。

今日の、才女の大杉さんの論文も、とっても平易に書いてあり、童話を読むみたいに理解できた。
いつも、こんな感じで書いてくれたら理解できるのに、と思った。

それから、またまた、驚いたことがある。
他のゼミ生が、どうも、大杉さんのことを話しているらしい。
「女のくせに、偉そうなこと言う奴、キモいよな。女は黙っていればいいんだよ」
と小学生でも言わないような悪口を、大杉さんに聞こえるように話している。

いつも、可愛くて朗らかで、そんな馬鹿げた非常識なことをいうような男の子たちではないので、ボクが居なかった時間に、大杉さんが男の子たちに何か酷いことをしたのだろうか、とあれこれ考えてしまった。
でも、大杉さんは、論文の指摘が鋭いだけで、いつも他のゼミ生の人たちと和気藹々といているはずなんだけど。

ボクは引っ込み思案だから、生徒会長の女の子みたいに、
「そこの男子、女子を苛めちゃだめでしょ!」
なんて言う事が出来ない。

なんだか元気がなく、節目がちに本を読んでいる大杉さんに、
「酷いこと言うよね」
と恐る恐る話しかけるくらいしか出来ないダメ人間なのだ。

そうしたら、大杉さんは、本をパラパラめくりながら、
「当然のことよ。女はバカで、難しいことなんて解らないのに、出しゃばっちゃだめよね。女は殿方を立てなくてはね」
と静かに言った。

目が点になった。
女はバカ?殿方を立てるって、意味がわからない。

ボクは、大杉さんの本を捲っている仕草が、やけに艶っぽいので、大杉さんの白い手を茫然と見つめていた。


これって、パラレルワールド?人格変化?
大杉さんの女々しい姿は、まさに、大和撫子である!
平安時代の女性になっている!
いや、平安時代であっても大杉さんなら、男たちを従えるだろうに!

どうなっているのだ!

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