タロットと西洋占星術のリンク⑤~天体に対応するタロットカード(土星・天王星・海王星・冥王星)
皆さま、こんにちは。
今回は5回目になります。
今回は、トランスサタニアンと呼ばれる、土星より外側を公転する天体たち(天王星・海王星・冥王星)です。月から始まり土星までの7天体は顕在意識を、土星以降の3天体は潜在意識を表すと言われています。
土星+天王星・海王星・冥王星に対応するタロットカードについて考えてみたいと思います!!
以前のテキストはこちらからどうぞ。
土星
占星術の土星は山羊座の支配星になり、悪魔のカードが対応していましたね。では天体の土星に直に対応するタロットカードは?
世界になります。
土星の公転周期は29.46年です。約30年として、一つの星座を約2.5年滞在します。木星は一周12年ですので丁度十二支が一巡するのと同じで、同じ十二支生まれの人を見つけると一周り違う(^_^;みたいな言い方をしたりしますが、土星ともなると、あれから30年・・・遠い目になります。
ですので、土星はこれまでの天体に比べ、軽々しく使えるような天体ではないことがおわかりいただけると思います。土星は社会の枠組みや規律、秩序などを主に意味していて堅苦しいイメージはありますが、集団の中では、ある一定のルールやマナー、一般的な常識がないと成り立っていきません。占星術でいう土星はその時代の社会の機運となる天体でもあります。ですので土星がサインを移動するごとに、世の中の関心事や風潮などが変化していきます。たとえば、現在なら2020年12月17日から土星は水瓶座にインしました。水瓶座の特徴をズバリ一言で言えば、自由と平等。SDGsやLGBTという言葉が浸透し、多様性や平等という問題を浮き彫りにしています。土星は試練の星でもあり、現実に起きている問題に直面させられます。問題に向かい乗り越えていくことで一層深みのある社会に進化し価値観を変化させていきます。
占星術の各天体には個人がその天体を開発(使いこなす)していくという年齢域があります。土星は56歳から70歳くらい。個人のホロスコープでは人生において苦手意識のあるものや、その人がどのような課題を抱えているのかを土星で観たりしますが、年を追う毎にその問題はクリアされていくと言われます。
さて、タロットカードの世界はどうでしょう。世界は「望んでいた世界の完成」を意味するカードです。天王星が発見(1781年)される前までの占星術は土星が一番外側に居る天体でした。そのため古典占星術では限界、これ以上はないという意味から、タロットカードでは世界のカードに土星が割り振られました。※現代、天王星に割り振られている水瓶座もかつては土星が支配星です。
天王星
さあ、いよいよ、トランスサタニアンと呼ばれる天体の一つ目、占星術の天王星は水瓶座の支配星になり、星のカードが対応していましたね。では天王星に直で対応するタロットカードは?
愚者になります。
天王星の公転周期は84年です。自分が生まれた時のホロスコープにある天体がまた同じ位置に帰ってくることをリターン(回帰)と言いますが、天王星リターンは人の寿命を考えると1周できたらお祝いですね。
土星がある一定の枠を表すとしたら、そこから違う価値観で枠を壊そうとするのが天王星。いつまでも古い価値観のまま留まっていられないのが人類の宿命。。。ものごとが成長、進化していくために、打破すべきことがあり、未来へのチャレンジは、いつの時代も続きます。革命であり、自立であり、テクノロジーの分野も天王星で表されます。ひとつのサインを約7~8年かけて運行し、これまでのシステムや常識がテクノロジーとともに変化していきます。現在、天王星は2018年から2026年の間、牡牛座で運行します。牡牛座を一言でズバリ言うなら、物質、お金。これらの扱い方の変革期でもあるということです。支払いはキャッシュレス、電子マネーが当たり前、個人が物を所有せずレンタルや、サブスクというシステムが浸透しつつあります。
個人のホロスコープ上でトランスサタニアンを見るとき、この3天体は抽象度が高く、理解しにくいのですが、天王星はその人の個性やオリジナリティーを観たりします。
まだ見ぬ理想の世界への憧れは、いかにもタロットカードの星を如実に表していますが、愚者はどうでしょう? 窮屈なしがらみから抜けだし、外の世界には何かがあるはず!?と当てもなく旅する姿は、天王星そのものだと思います。
海王星
トランスサタニアンの二つ目の海王星は、占星術では魚座の支配星になり、月のカードが対応していましたね。では海王星に直で対応するタロットカードは?
吊された男になります。
海王星の公転周期は165年です。開発年齢域は85歳から死ぬまで。人の一生で海王星リターンは実際には叶いません。ですので人智の及ばないことがらを表したりします。時空を超えた世界、わかりやすいのは寝ている間に見る夢でしょうか。目に見えないものとしては、みんな大好き!超常現象やサイキックなども海王星の扱うところです。心理学者のユングが提唱した集合的無意識は、人が無意識に持つ、いつの時代も変わることのない普遍的な共通意識というものを示しますが、言葉が通じなくても海外の人とワッと楽しめたり、流行するもの、驚くような偶然の出来事などは、みなこの集合的無意識で繋がっているからだと言われています。
現在、海王星は2012年から2025年の約12~13年間、魚座で運行しています。海王星は魚座の支配星なので、なんの矛盾もなく海王星の影響を世の中に及ぼしていきます。トランスサタニアンの海王星や冥王星はひとつのサインでの滞在期間が長いこともあり、影響はじわじわやってくるという感じで、一個人の生活においては気が付きにくいかもしれません。しかし、今の世の中が魚座と海王星が意味する混沌、曖昧としていることは感じとれます。その反動で救済、癒やしの必要性、感心も高まっていて、善悪ごちゃ混ぜ、何が正しく何が間違いなのか、もうわけがわからない、、これがまさしく魚座海王星の影響なのかと思うこの頃です。個人のホロスコープ上では、その人の感性やどの方面にポテンシャルがあるのかを観たりします。
さて、タロットカードの吊された男はどうでしょう。逆さまになることで視点を変えてみる、辛いかもしれないけどそうすることで何かが見えてくるかもという意識の変革、気づきが大切だということ。意識を変えてみるだけで、どれだけの可能性が広がるでしょう!? 身動きできない状態は幽体離脱状態!?とでもいいましょうか、魂は時空を超え広大な無意識(海王星)の大海原へ潜り込み、精神性を高めています。
冥王星
トランスサタニアンの一番外側の冥王星は、占星術では蠍座の支配星になり、死神のカードが対応していましたね。では冥王星に直で対応するタロットカードは?
審判になります。
冥王星の公転周期は248年です。冥王星が発見されたのは1930年。2006年に太陽系惑星から除外され準惑星に分類されましたが、占星術では変わらず「破壊と再生の星」と呼ばれます。限界や極限を意味し、壊して再建し、時代を作り上げていく星です。開発年齢域は死後(゚Д゚)!!ということは魂になってからですね。死後の世界を考え出すと、逆に生まれてきた奇跡を感じずにはいられません。
さて、現在の冥王星は2008年から2023年の約17~18年間、山羊座で運行していますが、一つのサインの滞在期間はサインによってまちまちで約10~30年、いずれも長い期間なので世代の特徴が出るのも冥王星です。個人のホロスコープでは、エネルギー度、再生力、宿命などを観たりします。
さて、タロットカードの審判はどうでしょう。「生まれ変わって大きくステージを変える」ことがテーマとなります。絵柄は海に浮かぶ棺桶から死者たちが復活を遂げ、大天使ガブリエルからラッパで祝福を受けています。なるほど!! 死後の開発年齢域↑での頑張りようで、復活できるか否か正念場になるわけですね!!
復活する死者たちは、前世でやりきれなかったことに再び挑戦するために目覚めます。世代を超えて引き継がれていくものや、一世代ではやりきれなかったことを次の世代に託すといったことも考えられます。再生の力とは、そんな想いも秘められているのかもしれません。
土星+トランスサタニアンの4つの天体にそれぞれ対応するタロットカード、いかがでしたでしょうか? 無限の可能性を秘めた潜在意識の世界(トランスサタニアン)、壮大過ぎてピンとこない感はありますが、天体を意識してみると面白いリーディングになるかもしれません!!
ぜひ試してみて下さいね!!
文・イラスト:加藤マカロン
【著者プロフィール】
加藤マカロン
イラストレーター&占い師。公式サイトは、マカロンタロットweb 。カードの基本的な意味などを知りたい方は、『マカロンタロットで学ぶタロット占い』(駒草出版)をご参照ください。SNSは、Twitterアカウント (@katomacalon)、facebook などでも情報発信中。
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