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100周年を迎えられた感謝

小松庵総本家は、2022年5月10日に「100周年」を迎えることができました。これもすべてが支えていただいている方たちのおかげと思い、その気持ちをここでお伝えしたいと思います。

本当に、どうもありがとうございます。


日頃からお店に通っていただいているお客様がいらっしゃるからこその商いですが、そのお客様が蕎麦好きなったきっかけの全てのこと(ご家族や、先生、お友達、映画や小説かもしれませんし、ネットや雑誌・新聞の記事かもしれません)、お店で提供している蕎麦や食品の生産者の皆さま、流通の皆さま、店舗を作ってくださった方たち、そしてその方たちを支えていらっしゃる方たち、小松庵で働いているスタッフのみんな、その家族や友人たち…そう考えると、とても多くの方たちとのご縁が続いて100年間を積み重ねて来ることができたのだと感慨深くなります。

国産の蕎麦を自社で挽いて、100%蕎麦粉だけで打った蕎麦です

小松庵の創業は大正11年(1922年)5月10日です。
新潟出身の小松鶴一が駒込の地で小松庵を開きました。創業した翌年には関東大震災に見舞われました。100年間の間には、自然災害、戦争、疫病など辛く苦しい日々もありましたが、その合間には楽しく幸せで笑顔の時間もたくさんあったと思います。

コロナ禍では、やるべきことができずに悶えながらも、飲食店として何ができるのだろうと足元を見直し続けました。そして2021年の初夏からスタートしたのが、店舗の1つ銀座店の店舗兼ギャラリーの場を使ってのトークイベントです。このトークイベントでは、毎週月曜日の16時〜17時に各界の専門家の方たちを招いて講演や座談会を開催することになりました。今も引き続き、実施しているイベントです。

その内容をまとめたのが、こちらのnoteで掲載しているものになります。コロナ禍でリアルで集えなくても、文章でトーク内容をお伝えすることができます。

これまで、画家さんご自身のお話、画家さんのご友人たちの落語家さんや音楽家の方、ギャラリーのある街・銀座のプロフェッショナル、小松庵と縁のあるオリーブオイル専門家の方たち、そして蕎麦の専門家の方たちが講師をしてくださいました。

ギャラリーのご説明をしますと、銀座店に画家さんたちの作品を展示して「ギャラリー」としています。照明や飾り方にもこだわって、画家さんたちがご自身で飾り付けています。作品はずっと飾っていますので、お食事をされながらご覧いただくことができます。

そして、平日の16時〜17時はお食事のご提供を中断して、作品をご覧いただくことに専念していただく時間を設けました。この時間を「森の時間」と名づけて特別な時間としました。森の中へ休息に訪れるように、都会の真ん中の銀座の一角で、ふっと自分自身に還る時間を持ったり、そこで出会った人たちと語り合ったり、何かをみんなで生み出す場所にできたら、という思いが込められています。

100周年のお話に戻ります。
創業日の5月10日には、お客様たちへの感謝デーを開催しました。

本店の駒込では、創業100年を支えてくださった地元の皆さまに向けて、せいろを1枚100円でご提供しました。原材料の仕入れ値以下になりますが、それより「100」に掛けた価格が大切だという気持ちでスタートした企画です。言い出したのは、日頃は自社の工場内で蕎麦の製粉をしている蕎麦粉ブレンダーです。こちらのnoteでも講師を務めたときの話を掲載しています。
原価割れする企画を開催することで、3代目の孝至社長はいろいろと心配だったと思いますが、心配しながらも許可を出してくれました。

普段1000円以上でご提供しているお品を100円でご提供するので、「物凄く行列になったらどうしよう」「ネットでの事前の宣伝はやらないことにしよう」「でも、準備してたくさんの蕎麦を打って用意していたのに、来ていただけなかったらどうしよう」「では事前告知のポスターを貼ろう」「何日前から貼ったらいいのだろう」すべてが手探りでした。

日頃はみんな、お客様にメニューの品をご提供するという仕事をしていますので、今回のような自社企画のイベントはあまり経験がありません。それぞれの店舗で、店長や料理長、スタッフのみんなが一緒に一生懸命に考えた内容をご用意して、創業100周年の日を迎えることができました。

ソラマチ店では、創業の日の様子を実況中継のようにInstagramで動画配信を行いました。こんなことは初体験で、投稿者自身が楽しみながら配信していたようです。今も、5月10日の厨房の様子などをご覧いただけるかと思います。

https://www.instagram.com/p/CdZuwI1PRJa/?igshid=YzAyZWRlMzg=

お客様がいらっしゃらないのではないかと危惧していた社長は、当日は本店の入り口で呼び込みをしていました。

道ゆく地元の方たちとお話をしながら呼び込み中です

こんなメンバーが小松庵で働いています。

今回の店舗での企画は、最初の第一弾です。
100周年の企画は、今後1年間続く予定です。こちらの場では、これまでと同様に「森の時間」のトークイベントの報告もしつつ、100周年についても報告をしたいと思います。

これからもよろしくお願いいたします。


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