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不思議な話(心霊系)

 周囲の人間に、自分は怪異な体験を好物とし、それを収集していると公言しているが、それに応えるような、そんな逸材は、まあ、いない。
怪異に寛大な私でも、それは気のせいでは?と思ってしまう失礼な毎日だ。

そんな自分だが、それでも、いくつか、「それは珍しいタイプの怪異では?」と思ったものがある。

一つは、某飲食店のマスターの話だ。
珍しいことに、このマスターは、私にとっての怪異のデパートだった。ダメもとで、お聞きしたのだが、なんと色々、体験談をお持ちという。
観光地方都市の飲食店を経営しているだけあって、某有名芸能人が絡んだ怪異は、文庫本収録の長編になりそうな質とボリュウムだった。

私としては、その話を自費本に入れたいとは思ったものの、その芸能人があまりに大物すぎて、下手に書いたらヤバいかなとビビってしまった。
それで、もっと他に無いかと尋ねたら、学生時代の話を教えてくれた。

その話が不思議だった。

若者グループで、深夜とある廃ビルに入り込んで遊んでいたらしい。
よくある肝試し的なものだ。
ある部屋で、みんなで話していたら、バッといきなり右手の方から、明かりが射したという。窓の外から強烈な光が射しこんでいる。
それは車のヘッドライトで、マスターは、誰かがやってきたと思ったそうだ。と、その車が、いきなりこっちに向かってグアアアアとエンジンを唸らせて走ってきたというのだ。
みんなあわてて、うわああと逃げたが、同時におかしいということに気づいた。
なぜなら、そこは3階だったのである。しかも室内。

マスターは言う。
「変だよな。3階ってのもおかしいけど、だいたい、人じゃなくて車だったんだ。車の幽霊っていうの?」
「珍しい!」
「走って来て、なんかぶわっと通り過ぎたんだよな。風を感じたもの」
「おおう・・・」
という次第である。
マスターに、某芸能人絡みの話の取材をしたい方は、当方へご連絡ください。繋ぎます。



そして先週。
期待していなかった、霊感ゼロの人から、これまた変わった話を聞いた。
その人の職場の人が、「心霊写真を撮ってしまった」と言っていたというのだ。
どんな写真?と尋ねたら、水族館で家族を撮った写真だという。
連続で2枚撮った写真が変だった。
娘さん[不確かです]の髪は長く、肩から胸の方にストレートに垂れている。1枚目は普通に映っていたが、2枚めの写真ではなんと、それが三つ編みになっていたのだ。
「見せてもらったの?」
「うん、見た。本当に、1枚目は、ふつうにこう[ジェスチャー]なってる髪なのに、次のが、マジに三つ編みなんだよ」
「おおう・・」

面白い写真だ。
考えられることと言えば、霊体の憑依だろう。
ただ、ご家族の写真のせいか、ご本人の拒絶感が強いようで、なんとかして見たいという欲望は、さっとひっこめた。


でも、そろそろ、国も本腰を入れる時期じゃないか。
怪異の研究はすべきだ。
いや、してるだけで、平民が知らないだけか。
私としては、これらを集めてデーターベースにしたら、本当に面白いのに、と思う。
だれかやってくれないかな・・・・
と最低なダメっぷりを晒して、終わります。

お読みいただき、ありがとうございました。

終わり


現在、「自分事典」を作成中です。生きるのに役立つ本にしたいと思っています。サポートはそのための費用に充てたいと思います。よろしくお願いいたします。