日報 2023-12-31 恋人不死身説の感想、年末ですよ。の話
『恋人不死身説』/谷川電話
私は最近短歌を読み始めた者である。
流れてくる短歌のツイートをぼんやりと追っていた時に、
二種類の唾液が溶けたエビアンのペットボトルが朝日を通す
が流れてきて、この歌が『恋人不死身説』に掲載されていることを知り、読むことにした。
この歌集は、1冊を通して読むのが重要だと思った。
時の流れがよりいっそう歌に深みを与えている(と感じた。)
1冊通して読んだ方がいい、と書きつつ、備忘録代わりにお気に入りの歌を幾つか引用させていただく。
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「~~~~←四本のうち一本は陰毛。どれが陰毛でしょう?」
これはいい沈黙なのかどうなのか 猫の細目のような月だ(ね)
くちびるを近づけようとしたときに鳴る股関節の音はせつない
干したての布団のにおいをかぎながらパチンコみたいに涙がでちゃう
ああこれもぼくの抜け毛だ またきみの抜け毛が見たい もどっておいで
牛丼を昔あなたとキスをした口で食べてるそういうわけです
レシートの金額にあと1足せばあなたの誕生日だなって捨てる
なんというさみしさなんだ切り取ってデスクトップに貼り付けちゃうぞ
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純愛じゃなくて、ちょっとキモいぐらいの愛を上手くまとめているのがかなり好き。
最初の、"「~~~~←四本のうち一本は」"のやつは、短めの毛を4本手に持ち、「どれが陰毛でしょうクイズ」をしているんだろうなあ、という情景が頭に浮かんだ。そのレベルのバカップルになりたいなあ。
"ああこれもぼくの抜け毛だ"~の歌の前に、
なんとなくきみの抜け毛を保存するなんとなくただなんとなくだけど
髪の毛が遺伝子情報載せたまま湯船の穴に吸われて消える
という歌があるので、髪の毛に対する執着が強いのが一貫していて好きだったりする。
31音でひとつの歌だけど、同じ人がひとつの脳みそで詠んでいくから、そういう積み重ねがあっても面白いじゃん。
著者がもう1冊出版している『深呼吸広場』も読んでみたいな。
ついに2023年が終わる
2021年から言っているけど、私は本当だったら2021年の5月5日か6日、遅くても2021年12月31日までには死んでいるはずだった女である。
2022年、23年の元旦には「あれ、まだ生きている。ほよよ?」と思っている。
これは、例外なく今年もそう。2023年12月31日 01時49分54秒(現時点)でも、「あれ、まだ生きている。ほよよ?」と思っている。
鬱に入っている?と思われるかもしれないが、落ち込んでいるとか気分がいいとか、そういう話ではなくて、本当に謎なのである。
うまく「自分が生きている」現実に着いていけていないのである。
もしかしたら、「自分が生きている」ことに着いていけていないから鬱が良くならないのかもしれない。すぐ、死んでしまえばいいやと考えてしまうから。死、という最大の切り札をいつでも切れる状態にあるのがあまり良くないのかもしれない。
かといって、死のうとした記憶を丸っと電気でも流してビビビビと消せるわけでもないし、ゆっくりと長生きすることに思考をシフトしていかなければならない。っぽい。
難しいよーーーーーーーーーーっ
今年、数えてないけど何回鬱モードになったのだろう。数えていればよかった。日常の些細な一コマですぐグイーンと気分が落下して、手がつけられなくなるので、数えてられない。
認知行動療法として日記を付けていたけど、落ちている時は日記を書こうだなんて思わないから、追いつけなくなってきて、やめてしまった。
恐らく100日くらいは沈んでいた。
来年は80~90日落ち込むことが目標。
それでは。
2023-12-31
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