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【おすすめ本】ライオンのおやつ

著者:小川糸
発行所:ポプラ社

「ライオンのおやつ」の主人公は、ステージⅣの末期がんを患っている

重いテーマではあるけれど、瀬戸内の柑橘のようにさわやかなストーリー

死をみつめるということは、いかに生きるかということだと改めて痛感

丁寧に描かれる食

小川糸さんの作品は、“食”がストーリーと密接に絡み合っている

そして、それらが鮮明に描かれる

まるで、自分も目の前にそれを見ているかのように、まるで味わっているかのように感じることができる

そんな小川糸さんの小説が好き

ライオンの家

温暖な気候に恵まれた瀬戸内地方にあるホスピスでのストーリー

主人公は若くして、がんをわずらい
自分の終のすみかとして、そこを選んだ

人が生きる上での基本 “衣・食・住” について考えさせられる

こんなところで最期を迎えられたら、素敵だなと思った

癒された思い出

読み進めながら、涙が溢れてくる


わたしは、2017年に親友を遺伝子異常のALK陽性肺癌で亡くした


その時の、まだ癒えていなかったものに、ストーリーの一文一文がびんびん響いてくる


親友が言っていたのを思い出す

その時が近づいてきたころのこと

「昨夜、亡くなった父がきた」と、

そして、2人で「まだ、お迎えには早いよ!」と声をあわせたことがあったっけ

小説の中にあったこの世とあの世の間の出来事は、実際にある

量子力学の世界 

この小説の中には量子力学の世界が描かれている

「量子力学とは」を科学的に説明しようとすると難しくなるけれど、この本に自然に描かれている

この分野が今ひとつ理解できないという人は、この本から感覚的に学びとることができるのではないだろうか

死生観


糸さんは、どのようにしてこのストーリーを創り上げるのだろう

もし叶うことがあったなら一度聴いてみたい

だって、生きている糸さんは、未経験のはずだ

それでいてとてもリアリティがある(小説ってそういうものかもしれないけれど)

この肉体から魂がぬける瞬間は、エクスタシーを感じるのだとか

ストーリーの中のことだけれど、これも実際そうなのではないかと感じた

そう思うと、本当にその時を迎える恐れはない

ただ、生き抜いてその時が来たら落ち着いて受け入れることができそうだ

ライオンのおやつ」を読んでみたい!思われた方は
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