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日本はなぜデジタル化で遅れをとっているの?

DX
昨年度のビジネス業界の流行語を、と聞かれればまあこれでしょう。
昨今話題に事欠かないワードで、
もう耳にたこができるほど聞いたという人も少なくないはず。


DXとは?

改めて、

DXとは
デジタル技術による業務やビジネスの変革
のことをいいます。

なぜここ1.2年でこんなにも耳にするようになったかというと、
日本のDX、いわゆるデジタル化への対応の遅さがコロナ禍によって浮き彫りになったからなんです。

その代表的なもので言えば、特別給付金。
オンライン申請といいながらも、事務処理に関してはアナログな作業を行っていて、
二重振込や漏れなど問題点が多く出た。
中には郵送よりも遅れる地域なども散見された。
表層的には「デジタル対応してますよ〜」っていうアピールしつつも、
影では人手でめちゃめちゃ作業する

人手作業の非効率性が顕著に現れたんです。

このように日本ではまだまだデジタル化が成されていない点が多い!
出来てても、
形だけで本質を顧みないデジタルも多々。


そんなこともあって
急にホットワードになっているんですね。


行政・国力維持といった観点からも
デジタル化の波へ抗う事はできない。
国として早急な対応が求められている側面もあるんです。

なぜ日本は遅れているのか?

では、なぜ日本はデジタル化に足踏みをしているのでしょうか?
理由を挙げればキリがないだろうし、
元々のインフラが整っていたから〜、
などと言い訳はできる。

そこであえて理由を2つ挙げるとすれば
以下であると私は考えています。

①意思決定〜実行プロセスの課題
② 縦割り社会による分業性

おそらくこれ。

以下で詳しくみていきます。

①意思決定〜実行プロセスの課題

日本では意思決定から実行までの
プロセスにおいて、
スピードの面で圧倒的に
目まぐるしく変化する現代社会に
追いついていないのです。

しっかり計画してから実行、
リスク回避を最優先するあまり
綿密な計画を立てないと動き出せない。
所謂、大企業病というもの。

この根本はおそらく下記にある。
日本企業はやっていいことだけを決める
ホワイトリスト式をとっていることが多い。
これが良くない。自分の首を締めちゃってる。

何か新しいことを行うときに
やれ法律、やれプライバシーと
壁が多く立ち上がってしまう。

その点中国などはやってはいけないことを
ルール化するブラックリスト式
極論、人に危害を加えるとか犯罪系のことでなければ一旦はやってみる。
(中国の人はその辺のリテラシーに長けているため、本当にいい社会作りのためにこのルールを活用しています、!)
やっていく中でみえた課題を一つずつ潰していく。
そういう手法を取っているから早いんですね。

②縦割り社会による分業性

私個人の考えではこの分業性が一番の課題!
日本では行政が完全に分業性を取ってしまっている。
例えば「Go to キャンペーン」でも
この弊害をきたしていた。
「トラベル」は国土交通省が、
「イート」は農林水産省が、
「イベント」は経済産業省と、
それぞれの事業について所轄が
見事にバラバラになっている。
(おそらくこういう謎の縛りって世の中にたくさん蔓延ってる)

このキャンペーンを実施するためにそれぞれの省にお伺いを立てなくてはならない。
時間はかかるし、どこか一つの省がNoサインを出したら実施に至らない。
このことは企業にも文化として根強く残っている。
私自身、前職で勤めていた企業も
俗にいう大企業病患者であったので、
縦割り社会の弊害は痛いほど実感しています。


そうです。
日本社会って超ハードモードなんです。
少人数が声を上げてもまあ意見は通らない。
そういう文化が蔓延ってしまっている。

日本はこれからどうしていけば良い?


では、
日本はどのようにすれば
上記の課題を解決できるのか?
打開策は二つ。

一つ目として先行の成功事例を取るなら
アジャイル方式」への切り替えが功を奏すはず。
ITの世界では浸透していますが、
アジャイル方式とは綿密な計画よりも、
大きなビジョンを掲げた上で
まずやってみてから、
高速でPDCAを回して
改善を行っていく手法のこと。
米中のメガテック企業は
大体採用している手法です。

DXにおいても
計画に時間をかけているようでは
本来の革命には程遠くなってしまう。
菅政権でマニュフェストに掲げている
デジタル庁でもこの方式を率先して採用することを願うばかりです。
(じゃないとたぶん何も変わらない)

二つ目は「カニバリゼーション」。
カニバリゼーションとは
自社の製品やサービス同士が売り上げを共食いすることをいいます。
本来避けるべきと言われていますが、
カニバリゼーションを行っている代表格Amazonではこんな面白いエピソードがあります。

書籍通販が主流であった時代に
CEOのジェフ・ベゾスは
書籍部門を任せていた幹部に
デジタル書籍部門への移動を命じました。

そしてこのように語っています。
「君の仕事は、今までしてきた事業をぶちのめすことだ。物理的な本を売る人間、全員から職を奪うくらいのつもりで取り組んでほしい。」
(ジェフ・ベゾス はてなき野望より)

我が子を殺せ
みたいなものですよね!
でもそのくらい新陳代謝しないと
生き残れないってことなんですね、おそらく。

日本という国でDXを起こすにしても、
阻害する既得権益、権利を破壊するつもりで
断行しなければDXは叶いません。

以上二点挙げました。
組織の体質的な面が悪さをしている。
とてつもなく多くの人が関わる分
かなり難易度は高い。

でも逆にいうと、
皮肉にもコロナ禍で露わになった穴を埋めるには絶好のチャンスともいえますよね。
これを機に体質改善を行うべき!

日本が少しでも
良い方向へ前進することを祈っています。
(自分に出来ることってなんなんだろう?)
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たらたらと書きましたが、
DXについて個人的に学びになった本のリンクを貼っておきますので、
気になる方は是非お手に取ってみてください。
今回の内容とは少し論点がズレますが、
DXを起こすにあたっての精神性を焦点に当てています。個人的にはかなり腑に落ちました。

アフターデジタル2 UXと自由 https://www.amazon.co.jp/dp/4296106317/ref=cm_sw_r_cp_api_fabc_E3uaGb85V32RW


それではまた。

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