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ことば 【詩】

雲の隙間があの子に見えて
あの子の形が光に見えて
光が閉じるその時までに
私の影を消したくなって

季節に似合わぬ涼しい風が
夕焼け空をすり抜けてった

言葉の気持ちを整えたくて
気持ちの光を遮れなくて
遮れなかった気持ちの渦は
零れていって、零れて言って…

夕焼け空を閉じてくように
街には音と声とが響いた

『言葉しなくちゃ嘘だよな』
夕陽の落ちた暗闇の中
拾い集めた言の集めは
行き着く先で夜に光った

——日記。

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