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アジア紀行~ミャンマー・バガン⑤~

エア・カンボーザ

朝5時起床。フロントに、5時15分のモーニングコールを頼んでいたが、目が覚めた。しかし時間になっても、電話はかかってこなかった!
ホテルでは朝食をとる間がなく、渡されたプラスティック容器にパンと惣菜などを入れて、空港で食べる。
空港まではタクシーで移動。4,000チャットと言われたので5,000チャット札を渡すと、おつりがないと言われる。よくある手だが、まあいいか。

国内線の暗い建物で目指したのはエア・カンボーザ(AIR KBZ)の窓口だったが、狭いのですぐに見つかる。バガン(BAGAN)行きのチケットを受け取って荷物を預ける。搭乗までまだ1時間ほどある。
案内の放送はミャンマー語と英語だが、聞き取れないので、周りの人の動きに気をつける。
7:40、空港のスタッフに「あのバスに乗れ」と言われるが、飛行機までたいして離れていない。

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搭乗した飛行機は左右2列ずつで、座席は自由席。右の窓側に座るが、これは失敗だとあとで気づく。窓の外に大きなプロペラが見える。

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ヤンゴンからバガンのニャウンウー空港(Nyaung U Airport)までのフライトは、約80分ほどだった。バガンに近づくと、乗客が左の窓から下界を眺めはじめた。進行方向の左側に「パガン五千坊」と言われる光景が広がっているのだ。あ~、左側の席にすればよかった!

「バガン(BAGAN)」は、かつては「パガン(PAGAN)」と呼ばれていた。「五千坊」というのは、仏塔や仏教寺院の多さを示しているが、それは決して誇張した数字ではない。パガン王朝の最盛期にはおそらく五千を超えていたであろう。現在でも大小合わせて二千から三千の仏教遺跡が点在しているという。
次の写真は、翌日に撮った「シュエサンドー・パゴダ」の上からの展望だが、飛行機からはもっと広範囲に眺めることができた。

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ついに待望のバガンに降り立つ。ワクワクする。
ニャウンウー空港で荷物を受け取り、バガン遺跡への入域料として25,000チャットを支払う。
ここバガンでは4泊する予定なので、たぶん遺跡巡りを満喫できるだろう。まずは落ち着き先のホテルに向かうことにする。タクシー乗り場に行くと何人も声をかけてくるが、何と日本語ペラペラのドライバーがいた! 車は日本車。この車に決めて、宿泊先の Royal Bagan Hotel に到着。料金は5,000チャット。
まだ朝の10時だが、無事チェックインできる。

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シュエズィーゴォン・パゴダへの道
(Shwezigon Pagoda)

ホテルで軽く昼食を済ませたあと、近くに大きなパゴダがあるというので、フロントの女性に道をたずねて出かけることにする。名前は「シュエズィーゴォン・パゴダ」。空港やホテルでもらった地図で、だいたいの場所はわかるし、フロントの女性は歩いて15分ぐらいだと言う。

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Royal Bagan Hotel があるのは、上の地図でいうと、右上の「シュエズィーゴォン・パゴダ」という文字の「ィ」の辺りになる。
「シュエズィーゴォン・パゴダ」(Shwezigon Pagoda)の「シュエ」はビルマ語で「金」、「ズィーゴォン」は「砂の河岸」「祝福された土地」「勝利」「栄光」などの意味を持つ。「パゴダ」はビルマ語では「パヤー(Paya)」で「仏塔」のことだ。
砂の川岸に建つ黄金の仏塔。それがこの「シュエズィーゴォン・パゴダ」である。確かにすぐそばには、広大なエーヤワディー川の流れがある。

真っ昼間の炎天下の道を歩く。だれにも出会わない。こんな暑い時間帯に、外を歩いている人はいない。15分で着くはずが、途中、寄り道して写真を撮ったりしたので、目的のパゴダに到着するのに1時間以上かかってしまった。直行しても、たぶん30分くらいかかったと思う。
けっこう消耗したが、歩くことはいろんな発見にもつながる。たとえば、道路のところどころに素焼きの水瓶とプラスティックのコップが置かれている。道行く人が自由に飲んでもいい水だ。素焼きの陶土にしみこんだ水は適度に気化し、中の水の温度を下げる。渇いた人を救う仏教的な施しかもしれない。ミャンマー人の優しさを感じる。

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シュエズィーゴォン・パゴダに行く途中の道路脇に、かつての寺院跡がある。破損した獅子像が一体だけ残っている。顔の半分は崩れ、体の後ろ半分は煉瓦が露出している。守るべき寺院が消滅した今も、ただ一人居住まいを正したまま、参拝する人もいない参道の先を見つめている。
いつ頃のものかわからないが、もしパガン王朝の時代からここにあったとしたら、千年の歳月が経過したことになる。

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低い丘の上に、名前もわからない白いパゴダがある。丘の麓には二頭の獅子が聖域を守っている。

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パゴダの中には、小さな金色の仏様がおられた。

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シュエズィーゴォン・パゴダはもうすぐそこだ。



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