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アジア紀行~ミャンマー・バガン⑭~

再びオールド・バガンへ

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ホテルに戻ってベッドに横になっている間に、少し眠ってしまった。
目が覚めて外に出ると、気温がぐっと下がっている。昼間の暑さがうそのようだ。一雨降って、涼しくなったのだ。
現在午後4時。日が暮れるまでまだ間がある。
e-bike に乗って、一路オールド・バガンへ。顔にあたる風が爽快だ。

オールド・バガンの城壁の南側の入り口から中に入る。
左手に考古学博物館、右手の森の奥にいくつかのパゴダが見える。
そのうちの一つに入ると、中にはまだ新しいと思われるきれいな金色の仏様がいらっしゃった。

bagan3日目オールドバガン1

パゴダの前では、木の枝に風鈴や風鐸を吊り下げて、家族で売っている。
少女がお父さんと子供たちだと教えてくれる。

bagan3日目オールドバガン2

bagan3日目オールドバガン3


ゴドーパリィン寺院(Gawdawpalin Temple)

次に向かったのは、博物館の北側にあるゴドーパリィン寺院だ。
バガンではタビィニュ寺院についで2番目に高い寺院で、塔の先端は地上55mもある。12世紀から13世紀初めにかけて建てられた美しい寺院だ。

bagan3日目オールドバガン5ゴドーパリィン

一人の少女が土産物屋からこちらへ近づいてきて、中を案内するという。
彼女の目的は、もちろん観光客に土産物を売ることだが、まったく押しつけがましくないのがありがたい。

bagan3日目オールドバガン6ゴドーパリィン

彼女の話によると、バガンでは1975年に大地震があって、遺跡の多くが崩壊したという。この寺院も例外ではなく、現在は修復されているが、その時に崩れ落ちた塔の部分がそのまま記念に残されていた。

bagan3日目オールドバガン8ゴドーパリィン

この後も、1975年の大地震の話は何度も聞かされることになる。自分はミャンマーのことを何も知らないのだと、このとき思った。
この寺院でも、何体もの黄金仏と獅子像に出会う。角に位置する獅子は、前肢をそろえ、後肢は建物に沿って大きく開くスタイルである。

bagan3日目オールドバガン9ゴドーパリィン

bagan3日目オールドバガン10ゴドーパリィン


ブー・パヤー(Bupaya Pagoda)

日没が近づいてくる。
いくつかの獅子像に心ひかれながら、本日最終目的地に向かう。
オールド・バガンの北西の端、エーヤワディー川に面したところにあるブー・パヤーだ。ブー・パヤーは、古くから川を航行する船にとって目印になっていた。「ブー」は「瓜」、「パヤー」は「仏塔」という意味で、その名の通り独特な円筒状の外観をしている。
現在、川岸に建つ小さな金色の仏塔は、1975年の大地震の後に復興されたものだが、この地にはバガン朝以前に、すでに仏塔があったそうだ。

bagan3日目ブーパヤー・パゴダ1

見下ろすと、たくさんの船が停泊している。ここにも人々の生活がある。

bagan3日目ブーパヤー・パゴダ2

bagan3日目ブーパヤー・パゴダ3

ブー・パヤーの門前で、面白いものを発見した。
守門獣の獅子を撮影しようとしたところ、その横に、日本の「姫ダルマ」のような小さな人形がいる。
これは何だ?

bagan3日目ブーパヤー・パゴダ4

bagan3日目ブーパヤー・パゴダ6

この写真を現地からFacebookに載せたところ、友人のO君が「ゾージー」だと知らせてくれた。彼は当時、北海道の大学にいたが、隣の研究室にマンダレー出身のミャンマー人がいて、そのことを教えてくれたという。
遠く離れた古代遺跡の地にいながら、現代世界の最先端とつながっている。
ところで「ゾージー」という名称はわかったが、それが何者かは相変わらず不明である。
そこで、Wikipedia のお世話になる。

Zawgyi (alchemist), Burmese shaman or magician, skilled in Tantric lore

「Zawgyi」というのは、古くから民間で信仰されている魔術師のようなものらしい。普通は手に杖を持っているそうだ。そのほうが、ますます魔法使いらしく見える。

ブー・パヤーを立ち去る前に、もう一度眺めたエーヤワディー川は、夕暮れの淡い光の中でゆったりと流れていた。

bagan3日目ブーパヤー・パゴダ5




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