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石段とウィスキーとブルース 伊香保神社

皆さんに忠告しておく。ベッシー・スミスを聞くときは、バーボンに氷、それと水を多めに用意しておくこと。

ブルースの女王と呼ばれたベッシー・スミス。陽気な伴奏とはうらはらに紡がれる人生の嘆き。染み入るような声を聞いてしまったらどうして飲まずにいられよう。

果たして筆者は、二日酔いで布団で丸まることとなったのだった。こんなことになったのは、伊香保にある素敵な白い本屋に足を踏み入れて長田弘の本で彼女を知ったからだ。

萩原朔太郎が石段上がりの街と呼んだ伊香保。大正ロマンの香り漂う湯治の街。


山を上がれば絶景。遠く見えるは八ヶ岳。右の小高いギザギザは妙義山。

石段の頂上の伊香保神社には少し強面の狛犬氏。

石段の序盤にはアヒルを埋めた祠がある。

旅はいい。それぞれの街に歴史があり、その街を訪れることでその街を生きた人やかつて訪れた人と繋がることができるからだ。そういう意味では、読書も旅の一つなのかもしれない。

この後は、熊谷直実の眠る熊谷寺へ行こうと熊谷駅へ向かうも深谷駅で間違えて降りてしまった。どこからともなくお囃子が聞こえてくるので行ってみると、神社の縁日。二日酔いではあったものの、ハットグを食したところ激しい胃もたれに遭ったのであった。食い意地もほどほどに。


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