狛犬歌留多

関東ではたらく寄り道好きな「おはぎ」と美味しいものに目がない「きなこ」のプロジェクト。…

狛犬歌留多

関東ではたらく寄り道好きな「おはぎ」と美味しいものに目がない「きなこ」のプロジェクト。 散歩中、旅先、偶然出会った狛犬の記録。 インスタ:@komainu_karuta 音楽 サウンドクラウド: https://soundcloud.com/user-476025531

マガジン

  • 狛犬歌留多 Vol.3

    狛犬を訪ねたいろは歌。わ〜ぬ編。

  • 狛犬歌留多 Vol.5

    狛犬を求めて完結編。あ〜す編。

  • 狛犬歌留多 Vol.4

    狛犬をめぐる冒険。う〜て編。

  • 狛犬歌留多 Vol.2

    狛犬を訪ねて訪れた寺社のいろは歌。ち〜を編。

  • 狛犬歌留多 Vol.1

    狛犬の記録をもとに寺社の名前で紡ぐいろは歌。い〜と。

最近の記事

追われた天狗 本牧十二天社

失われた名所、本牧十二天社。東京湾に顔を向けたひとこぶラクダの形の神奈川県。本牧はラクダの喉仏の部分にあたる。 本牧は「牧馬の地」でやがて漁村となり、江戸時代には景勝地として賑わい谷崎潤一郎もかつて居を構えていた。本牧塙にある十二天社は天狗が住むとされ、漁民から大変に恐れられていたという。 戦後GHQに接収された本牧。神社は移され、埋立地と港湾に姿を変えた。移された十二天社へ向かうと、不穏な空模様。天狗の使いとされる鳥たちが大群で飛びたった。令和にも残る少し独特な空気。神社

    • ふらり途中下車 沼袋 瑠璃光山禅定院

      浮きつ沈みつする日々の小さな冒険。それが途中下車の散歩。みなさんは「沼袋」を知っているだろうか??島袋でも池袋でもなく沼袋。知ってるあなたは東京通。筆者は沼袋のことを池袋の蔑称だと思っていた。ごめんなさい。 西武新宿駅から5つ目に沼袋は実在している。西武鉄道の池袋駅の一日の乗降者数は36万人。沼袋駅は1万5千人。(最下位は正丸駅169人)。知る人ぞ知る都会の秘境、それが沼袋なのだ。 https://www.seiburailway.jp/railways/ad/data/p

      • 生田神社

        姫路への遠征でとった宿は神戸三宮にあり、事前に行きたい場所を決めておいたが、どこを歩いても面白い街だった。案内図の方向を示すために山側、海側と書いてあるのも分かりやすいし素敵だ。巨大なアーケードと地下街が駅周辺に広がるさまは圧巻である。時間のゆるす限りうろうろできる。 良いご縁を願い、生田神社に立ち寄る。山側からだとサイドの鳥居から入るのが近道だ。日差しを避けて生田の森で一息つくのも良い。 狛犬がいるのは鳥居、本殿、蛭子神社。色とりどりでそれぞれ作風も違う。鳥居の狛犬はよ

        • 春から縁起が良い

          噂には聞いていたが、現場で一体何が繰り広げられてるのか想像もつかず、自分の人生とは無縁と思っていた、あのアフタヌーンティーを喫する時がきた。同行者は慣れた様子で見知らぬサイトで予約を取り、所定の時間と場所をSNSで送ってきた。銀座三越である。普段は歌舞伎を見るために訪れる界隈なのだが、初のミッションである。用事のある場所以外は本当に何も知らない。以外と近くにアフタヌーンティー会場というのがあるものだ。これからは出かけたついでにアフタヌーンティーの手配などするのかもしれない(す

        追われた天狗 本牧十二天社

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        記事

          雪と狛犬

          雪山と犬というと、子供の頃読んだ「高安犬物語」を思い浮かべる。読書感想文にと思ったが、雪と無縁の場所で育った筆者はゲートルやアイゼンを想像できず、主人公の犬も可愛いというより誇り高く激しい気質の猛犬。「銀牙」的なテイストは果たして子供向け・・・?映像化したらR指定のハードコアな犬生に圧倒されたのだった。 しかし、時がきた。雪山と狛犬に挑む。グラウンドの片隅を冬の登山靴とアイゼンで歩いてみたり、真冬に窓を開け放して床に寝てビバーク訓練(寒すぎて眠れなかった)。講習を受け、ガイ

          石段とウィスキーとブルース 伊香保神社

          皆さんに忠告しておく。ベッシー・スミスを聞くときは、バーボンに氷、それと水を多めに用意しておくこと。 ブルースの女王と呼ばれたベッシー・スミス。陽気な伴奏とはうらはらに紡がれる人生の嘆き。染み入るような声を聞いてしまったらどうして飲まずにいられよう。 果たして筆者は、二日酔いで布団で丸まることとなったのだった。こんなことになったのは、伊香保にある素敵な白い本屋に足を踏み入れて長田弘の本で彼女を知ったからだ。 萩原朔太郎が石段上がりの街と呼んだ伊香保。大正ロマンの香り漂う

          石段とウィスキーとブルース 伊香保神社

          チルな旅 禅の里永平寺

          夜更しが止まらない。ポテトチップスをお供にワールドカップの熱狂、SPY &FAMILYの一気見、いかんいかんと思いながら目を上げればカーテンの外が白んでいる。奇妙な高揚感と気怠さと後悔。 冬が来る前に遠出した。かねてから行きたかった場所。曹洞宗の大本山、永平寺。英語のガイドブックではずばり「Eternal Peace」。韓流グループや化粧品の名前みたいで落ち着かない。 それはさておき、北の果ての東尋坊の切り立った岩と、深い青色の海と、ひっそりと山奥深く千年の時を刻む古刹。

          チルな旅 禅の里永平寺

          江戸の時間

          東京MXテレビのお昼の番組に師匠が出演すると聞いて、ToDoリストに入れておいた時間帯が深夜という致命的な間違いをしてしまった。なぜ独断で深夜だと思ったのか。自分の無意識が怖い。反省しつつ見逃し配信で視聴して感想をしたためた。普段接していて気が付かなかったことだが、テレビでもいつものお茶目なキャラで、変わらないところがすごい。 番組で紹介されていたのはお江戸日本橋という曲だ。自分もよく意味を解らずに口ずさんでいた歌詞の解説があってためになった。日本橋から高輪は約7.5kmあ

          江戸の時間

          近未来な江戸 隅田川と野見宿禰(のみすくね)神社

          宿禰(すくね)という文字を見た時、呪術廻戦の宿儺(すくな)と空目した。一度浮かんだイメージは消えず、伏魔御厨子のような形の神社を勝手に期待し、秋のご機嫌な週末狛犬狩りに。 両国駅から徒歩10分もかからない。途中の甘い芳しいチャイの香りや江戸情緒あふれるちゃんこやに後髪引かれながら進む。相撲のない国技館は閑散としており、街路樹の並ぶ裏路地歩きをまったり楽しめる。 社殿は当然伏魔御厨子のような物騒なものではなく、手入れの行き届いたお雛様めいたコンパクトなものだった。 相撲協会が

          近未来な江戸 隅田川と野見宿禰(のみすくね)神社

          桐生八幡宮

          通っている美容院が仮装して営業していた。ハロウィンである。店でテーマを決めているらしく高校でありJKというか制服のギャルである。仮装のネタになるほど浸透したのかギャル。幸いメイクは黒い方のあれではなかったので逆に昔の感じを思い出させるところもあり懐かしがってしまった。今も現役はいるんだろうか。 そんなことを話ながら散髪をしてもらいつつ、紹介してもらったあかね噺を読んだらとても面白い。落語の話でちゃんと軸があるだけじゃなくて、知ったつもりになっていて実は知らない落語のこと、由

          桐生八幡宮

          浅草神社

          川越に行って小江戸と呼ばれる界隈を散策し、邦楽のコンサートを聴いたり喜多院で春日局ファンのお姉さんにガイドされながら戦乱の世に思いを馳せつつ、翌日は浅草へ。行く先々がどうも江戸である。 お昼過ぎからホッピー通りのお店はほぼ満席だ。まだ明るいけど席の空気感は宵の口である。時間帯でいえば昼呑みだが、前倒しで夜呑みしている勢いである。夜多めの週末も楽しそうだ。 平成中村座の二部を鑑賞して、あれこれ反芻しつつ歩く帰り道。SNSの前評判をいろいろ見てきたのですこし構えて観たのはまずか

          途中下車のすゝめ 検見川神社

          雨上がりの秋の日。千葉市の美術館を訪れた帰りだった。総武線の車窓からこんもりした森を見かけた。神社には古く大きな木があることが多い。これを逆手にマンションやビルがひしめく中に林があれば、高確率で神社だ。新検見川駅で下車して歩くこと6分。果たして検見川神社があった。 平安時代に疫病を鎮めるために建てられたそう。門前の狛犬。鳥のフンもついておらず、毛並みが良い。土地の人に可愛がられているのだろう。 茶店ににんまり。午前10時から午後3時なら玉こんにゃくをいただける。 途中下

          途中下車のすゝめ 検見川神社

          東京と湧き水 貫井(ぬくい)神社

          しりとりの「り返し」攻撃をご存知だろうか?常に「り」で終わる言葉を瞬時に返す戦法だ。だんだん語彙が尽きてきて最後は困り果てたものだった。はてさて、歌留多作りも佳境に差し掛かると地名や寺社の名前に神経を尖らせる。 手に取ったのは雑司ヶ谷の墓地に眠る明治文士、大町桂月の「東京遊行記」。言葉灯台下暗しとは言ったもので、東京にはいろいろな場所がある。「ぬ」で始まる神社は果たして小金井にあった。 かるがもも惰眠をむさぼる昼下がり。野川(のがわ)沿いの遊歩道をぶらついていると森が現れ

          東京と湧き水 貫井(ぬくい)神社

          吉祥寺散歩 蓮乗寺

          吉祥寺には、「吉祥寺」という名のお寺はない。国分寺にはちゃんと「国分寺」があるけれど。その代わり、吉祥寺の北口のにぎやかな商店街を抜けると四軒寺という地名がある。       超人気コロッケを買うため徹夜する鳩。 四軒寺には実際に四つのお寺がある。蓮乗寺はそのうちの一つ。日蓮宗のお寺である。吉祥寺の大地主でもある。 血生臭い事件のあった深川の冨岡八幡宮もそういえば大地主であったなどと取り止めもなく考える。神奈川の大山や日光の男体山など、山ごと神社な例もある。 ひとくち

          吉祥寺散歩 蓮乗寺

          行田市駅まわりを散策

          行田といえば足袋である。忍城址にある行田市郷土博物館には足袋の製造工程の展示があって良い。お城に行く途中にある、足袋とくらしの博物館のお土産コーナーには、柄物の足袋が充実している。自分は履かないけれど、柄が素敵なので、愛用する人に配りたくなる。 行田八幡方面の味のある街並みもよいが、東のほうに足を延ばしても楽しい。ぎょうだ足袋蔵ネットワークによる足袋蔵マップが行田の歴史的建造物を網羅していて便利である。街の建物が普通にレトロだったり、地図にある建物も商店街や住宅街のなかに馴

          行田市駅まわりを散策

          再び行田へ

          今回の行田めぐりは、ICカード対応になった秩父鉄道を利用した。いつも食べ物について語り合う同僚が行田で気になるかき氷店を見つけたと話していて、あの翠玉堂を思い出したのだ。ある時、遅い初詣を終えて行くところがなくなり、あてもなく歩いていたら営業していた。味のある木造店舗のガラス戸に手書きの張り紙がしてあり、何かを始めたとかそういったことだったと思うがよく覚えていない。あとからお店のtwitterを見て季節のメニューのお知らせと分かった。冬だったが、かき氷のお知らせだったかもしれ

          再び行田へ