慶大の倉沢愛子先生が「千秋の日記」を読んで下さいました

こんにちは。小町蘭です🌺

慶応大学名誉教授の倉沢愛子先生が「千秋の日記」を読んでくださり、ご感想を寄せて下さいました。

「お世辞でなくすごくおもしろかったです。千秋ちゃんの心の動きがとてもよく描写されていると思いました」

心理描写をとても褒めてくださり、「絶妙」とまで言っていただきました。

本の物語として、千秋ちゃんは失恋をして、目の前で好きな人の恋愛を見ていきます。その部分を倉沢先生は、

「千秋ちゃんはちょっと「よいこ」すぎませんか? 広瀬君を奪われたショック、ありさちゃんへの微妙な気持ちをとても上手に表してはいると思います」

と言っております。私としては、「よいこ」に関して、そうかしら? と思いましたが、そういう風に見る方もいらっしゃるのだなと発見になりました。

「千秋ちゃんはずいぶん自分をを抑えているのですね。でも再度言いますが、その微妙な心理の描き方は絶妙です。だからこれで十分千秋ちゃんの複雑な心境は伝わってきます」

それから、家族のことでお兄ちゃんの問題が出てきますが、それに関して倉沢先生は、

「お兄ちゃんのことではもっと怒りも感じていいはずなのに、(千秋ちゃんは)思いやりが深いですね」
「すごい懐の大きなお父さんですね」

と、また心のよさをみてくれました。

他の読者さんの感想でも、「優しくて、ほっこりしました」と言われました。

「千秋の日記」は、優しさを感じられる作品のようです。

先にも書きましたが、倉沢先生は心理描写を特に褒めて下さいました。最後にはこう言ってくれています。

「ともかく心理描写がとてもうまくて、読んでいて引き込まれていきます。また書いたら見せてください」

とても嬉しかったです。

お忙しい中、未熟な私の作品を読んでくださって倉沢先生には感謝しております。どうもありがとうございました。

❇︎ ❇︎ ❇︎

「千秋の日記」は、執筆に2年、直しも入れると2年3〜4ヶ月かかった力作です。呼ばせていただけるなら、大作とも言いたいです。

これは16歳の女子高生の日記小説です。千秋ちゃんの日記なのですが、それを読んでいってお話を読む形になります。

太宰治の「女生徒」のような雰囲気です。千秋ちゃんの声が聞こえてきます。制服を着た女の子の匂いがします。

切ない恋と家族の物語です。

一人の女の子の胸の内を覗いてみる作品。

文学フリマ東京(直接の販売)、ヤフオク(ネット)、製本直送さん(製本会社、ネット)にて販売しております。

文学フリマでは手に取ってくださった方が頷いて買って行ってくれました。卓上の見本まで買ってくださった方もいらっしゃいます。

ぜひ読んでみてください。

下記に立ち読みを載せてあります。

ヤフオク通販👉 https://auctions.yahoo.co.jp/seller/rankomurasaki_official

千秋の日記立ち読み
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

二〇一六年一月一日 金曜日
 新年明けましておめでとう。新しい年を迎えた今日から、日記を始めてみようと思います。胸に秘めているあらゆることを、このノートにだけこっそりと書き記していくのだ。アンネは誰にも言えない心の内を、彼女の心の友である親愛なる日記帳キティーにだけ打ち明けたけれど、私にも、アンネのように人に言えない想いというものがあるのだ。それを、これからはアンネのしたように、私もこのノートに書いていくのである。
 では早速今日の日記。今日はお正月。お正月というのは不思議だ。朝からとても神聖な気持ちになる。清らかな風が心を通り抜ける心地がする。今日は日本晴で、気持よく澄み渡った青空が広がり、清々しい一年の始まりだった。
 朝は家族揃って朝ごはん。喪中明けのお正月だから、今年は少し贅沢をして高島屋のおせちをお取り寄せ。でももちろん食べる前にお母さんの仏前にお供え。皆で焼香をして、手を合わせて、それから頂いた。百貨店のおせちというのは初めてだけれど、おかずの種類が豊富で、鮑なんかも入っていて豪華で、彩りよく、華やかで、重箱にきれいに詰められているのも美しくて、一層おめでたい気分になった。でもおせちを見たら、お母さんが忙しく立ち働いておせちを作っていた姿や、お手伝いをして一緒に作ったこと、それから私の大好きな栗きんとんはいつもたくさん作ってくれたことなどが思い出されて、ちょっと寂しくなった。おせちを食べている時、お父さんは私達三人にお年玉をくれた。お兄ちゃんと私には一万円。優太には五千円。優太はこのお年玉でDSのポケモンのルビーを買うらしい。これはクリスマスにサンタさんからポケモンのサファイアを貰った時から決めていたこと。私は半分は貯金して、もう半分は新春バーゲンに行って新しいバッグを買うつもり。お兄ちゃんは何に使うのだろう? 今は受験だからお年玉の使い道など考えていないかしら。でも大方本を買うんだろうなと思う。
 朝ごはんの後は家族皆で氏神様である杉山神社へ初詣で。神様に新年のご挨拶を申し上げた。ところで世の人は神様にお願いをするらしいけれど、私はそうしたことがない。もちろん私だって願いというものは持っているけれど、でも神様にお願いをして叶えてもらいたいと思ったことはないのだ。だから私の参拝はいつも手を合わせるだけ。鈴を鳴らして、二礼二拍手一礼。そうすれば何だかよい気持。参拝した後は家へ帰って蜜柑を食べながらテレビを見て、お昼にお雑煮を食べてまたテレビ。今度はチョコレートとポテチを食べながら。お正月のテレビでは、女性の方々は皆華やかなお着物を着ていらして、素敵だなあと思った。夜はすき焼き。我が葉山家では毎年元日のお夕飯はすき焼きなのだ。お正月だからお肉は霜降りの黒毛和牛。お肉はやわらかくて、脂の溶けた匂いがたまらなくて、とてもおいしかった。今日はお母さんが亡くなってから五回目くらいのすき焼きだったけれど、大分味付けが上手くなったようだ。特にお酒の量が難しいけれど、塩梅が覚えられてきた気がする。すき焼きの味にはこだわるお父さんも、「上出来、上出来」と言っておいしそうに食べていた。
 ざっと書いてみたけれど、日記とはこんなものだろうか。初日だからちょっとぎこちないものになってしまったかもしれない。本当はもっと書きたいことがあるけれど、それはまた明日にしよう。ひとまず今日はここまで。

-------------------------------------------------

🌺著者紹介🌺
純文学系の小説家志望の小町蘭です。
小説と詩を書きます 。
芸術の為の芸術、文学の為の文学
ブックショートアワード優秀作品
文芸思潮現代詩賞2次選考通過
早稲田大学国際教養学部卒

ショートショートはnoteで販売しています。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?