天ぷら好きにはたまらない!天丼と天ぷらがセットになった「のっけ定食」
東京の西日暮里駅から徒歩4分にある「天正(てんまさ)」様は、かき揚げ天丼に天ぷらの盛り合わせがついたランチ「のっけ定食」が人気の天ぷら割烹です。
新鮮な旬の食材にこだわり、春はカツオやホタルイカをお刺身や一品料理で、たらの芽等の山菜は天ぷらで楽しめます。天ぷらを美味しくする秘訣を店主の山田様にお伺いしました。
お店を始めたのは修行先の閉店がきっかけ
以前は、築地と銀座、八丁堀に3店舗あった天辰(てんたつ)というお店で修行していました。銀座のお店に25~6年いましたが、2011年の東日本大震災の後にその店を閉めることになって、自分もいい年齢になっていたこともあり、自分でお店をやろうと思ったのがきっかけです。出身は荒川区、南千住の方なので地元でもあります。
修業時代から数えるとあきたこまち歴は30年近く
銀座のお店でも、あきたこまち協会さんのあきたこまちを使っていました。自分のお店を始めるまでに、色々お米を検討しましたが、結局あきたこまち協会さんに決めました。前のお店から考えると、あきたこまち歴は30年近くになりますね。
ご飯の硬さは、自分があまり軟らかいのが好きじゃないので、ちょっと硬めの食感にしています。あきたこまちの無洗米を、ウォーターサーバーや浄水器の水を使って、10分ぐらい水に浸してから炊いています。
「美味しかったね」と喜んで頂くのが一番
お客様には、美味しかったねと喜んで帰って頂くのが一番大事かなと思います。そのために味はもちろん、接客についても気を付けています。
食材は季節のものを使うようにしていますし、今の季節だとカツオとかホタルイカですね。春先には煮物なら筍を使ったり、天ぷらはたらの芽とか木の芽といった山菜を使うようにしています。その季節にしか食べられないものを使うことにもこだわっています。
仕入れは長い付き合いのある信頼できるお店で
食材は豊洲市場から仕入れていますが、今の仕入れ先は全部、前のお店から付き合いのあるお店です。築地に市場があった時からなので、もう20~30年になりますが、お互いの信用がある分、良いものを出してくれますね。
毎日引いた出汁で作る「天つゆと天丼のタレ」
朝5時に市場に行って、仕入れた魚が配達で届く8時半ぐらいから、ランチに間に合うよう仕込みを始めます。
出汁は昆布を一晩水につけてうま味を出してから、翌日の朝に鰹節を入れて出汁を引いています。天つゆは、出汁に醤油とみりん、砂糖を足して、天丼のタレは、残った天つゆを継ぎ足しながら、醤油や酒、砂糖を入れて毎朝火入れしています。
天ぷらを美味しく揚げる秘訣は「油と衣」
お店で使っている食材に合うように、サラダ油とごま油をうち独自にブレンドして油を作ってもらっています。揚げ油は、新しい油にちょっと使った二番油とかを足して調整しています。二番油を入れると、まっさらの油よりカリっと揚がります。
衣の溶き方も夏や冬、季節によって全然違ってきます。天ぷらの衣は暑さに弱く、暑くなればなるほど垂れるのが早いので、なるべく溶かないようにしています。油の調整や衣の状態、火加減に関しては感覚でやっているので、うまく説明できませんね。
正直に言えば、今日はちょっとだるいなと思ってしまうと、天ぷらが上手く揚がらなかったするので、「いけねえ、これじゃダメだから調整しなきゃ」とか失敗もしますね。
揚げ油の温度は「季節や食材の量」で変わる
基本的には160~180度ぐらいの間で揚げるようにしていますが、ランチとか忙しいとちょっと温度が下がってしまったりするので、火力を調整しています。
3人前を一気に揚げなきゃいけない場合は、180度ぐらいの温度で食材をいくつも揚げますが、1人前だったら天ぷら鍋の中に1つ、2つしか入れないので150度ぐらいの温度でも揚げられます。ただ、温度が上下してしまうのは油にもあまり良くないので、 できれば一定の温度であるのが理想です。
「のっけ定食」の「のっけ」は、かき揚げを乗っけるかどうかということ
かき揚げが1つと野菜天が3つ、それに魚とエビの天ぷらがついた定食です。かき揚げは、そのまま塩かおろし天つゆで食べるか、天丼にするかを選べます。塩はうま味のあるヒマラヤ岩塩です。
「のっけ定食」という名前は、もともとは前のお店からのもので、築地にあったカレー屋、豊ちゃん(現在は閉店)というお店で聞いた「のっけ」を、先輩が「良いじゃん」ということでいただいたらしいです。カレーの上にカツを乗っけるからそう言っていたのかな。
「火力」に気を付ければ家庭でも美味しく天ぷらを揚げられる
家庭のガス台で天ぷらを揚げる際は、火力がポイントになるので、天ぷら鍋に入れる食材を1つか2つにしてください。
お店みたいに火力が強ければ油の温度を保てますが、家庭の火力で一度にたくさん入れてしまうと、揚げるというよりは油で煮る形になってしまうので、カリッと揚がりません。
油が150~160度になったら食材を2つぐらい入れて、また温度が上がるまで、そのまま待ちます。手間はかかりますが、そうすれば家庭でも美味しい天ぷらが揚げられると思います。
=人気のランチメニュー「のっけ定食」をいただきました=
かき揚げは、ご飯にのっける天丼でお願いしました。少し硬めのあきたこまちのご飯と、タレが絡んだかき揚げがマッチして美味しい!
天ぷらの盛り合わせは、かぼちゃ・ナス・ピーマン・エビ・キスの5種類を、塩と大根おろしたっぷりの天つゆ、2種類の味で楽しめます。
とても食べ応えがありお腹いっぱいになれました。ご馳走様でした。
猪爪
店舗情報
天ぷら割烹 天正(てんまさ)
#プロの料理人が選ぶ理由
インタビューを通じ、大潟村あきたこまち生産者協会のお米やパスタを選んだ理由、おすすめの調理法などを紹介します。
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