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仕事が「好き」な理由を分析して考えてみる

「好きなことを仕事にしなさい。社会人になったら号泣するほど辛いことも必ずあるけど、本当に仕事って楽しいのよ」

 この言葉は、大学3年生の時、バイト先だった出版社の社員の方からかけてもらった一言だ。この頃の私は、ちょうど就活を迎えようとしていた時期。「好きなことができる会社」を就活の軸としていたものの、OB訪問を受けていく中で「好きなことを仕事にすると、好きなことが嫌いになってしまう」という声も一定数あることを知り、好きなことを仕事にすることを不安に覚えていたときだった。
そんなとき、尊敬していた社員の方からこの言葉をかけてもらったことで、「好きなことを仕事にしよう」と心に決め、就活ではとことん私の好きなことができそうな会社を受け続け、無事に第一志望の広告代理店に内定。幸いなことに配属も希望していた部署に配属させていただくことができた。

どんなに大変でも、自信を持って「好き」と言える

こんな順風満帆な私は、入社をしてからも楽しく仕事をさせていただくことができ、社内外からも「仕事が好きな人」という認識を持たれていた。
もちろん、毎日が楽しいことだけではなかったし、冒頭のいただいた言葉のように号泣したことも3年間でなんどもあった。
さらには、仕事に没頭するあまり、自分の体調の悪さにも気づかず体調を崩してしまい1か月近く会社をお休みしてしまうこともあった。
好きで仕事をしていたが、丸3年という区切りで入社した会社を退職し、今は色々な事情があり、家業の理美容系の会社でBtoC向けの新規事業に携わる仕事をしている。今もありがたいことに「好きなこと」を存分にやらせていただくことができ、日々充実した日々を過ごしている。
私の前職の仕事は、慢性的に残業も多く、ひどい時は上司やパートナーさんと朝まで完徹して企画書を仕上げることもあり、周囲からすれば「忙しい部類」に入る業種であったと思う。
それでも仕事は楽しいと思っていたし、どんなに大変でも自信を持って仕事は「好き」ということができた。

そんな風に思っていたある日。私はふと自分のことに疑問を持った。

なぜ、私は仕事は好きなのだろうか?
私の仕事の何が好きなのだろうか?

自分のことを知るためにも、私の生活の大きな比重を占めている「仕事感」について分析をしてみたい。

仕事の好きな部分① 企画を考えること

仕事をしていて一番ワクワクする瞬間、それは企画を考えているときだ。
考える企画はなんでもいい。「もう少しこういう風にしたらいいのに」「こういうプロモーションをするのがよいのでは?」「こういう商品がほしい」「こういうイベントをしたい」など様々である。特に企画について考えていると、他のことでは一切発揮しない〈ゾーン〉に入ることができ、時間を忘れて永遠に考え続けることができるのだ。
このゾーンに欠かせないのが、私の場合、ホワイトボードと紙とペン。
こも3種の神器さえあれば、私は場所を問わず考え始めることができる。
逆に3種の神器のどれか一つでも欠けると、私の集中力は圧倒的に削られてしまう。
前職でも、現在も至るところで企画を考える場面がある。
前職では、外国人観光客を地域に増やすにはどのような施策を行うかー、全く賑わっていないスペースに人が来てもらうにはどうしたらいいかーということまで幅広いプロモーションの企画を多く考えていた。
現在は、20代〜30代の人が「かわいい!」と思える化粧品商品の企画、多くの人に認知をしてもらうためのキャンペーン施策、実際に購買に繋げるためのPOP作りなど、企画を考える部分が多くあり、その度にゾーンに入るくらい考えることができる。

仕事の好きな部分② モノをつくること

①ともかぶる部分であるが、企画を考えたあと、実際に考えた企画を作っていく瞬間がとても好きである。特に重要なのが、自分が手をかけて作っているかという部分である。前職では、販促物と言われるポスター、チラシ、動画といったものまで様々な制作物に携わることができたが、実際作ったものをみて「達成感」が込み上げてきた制作物は100以上作ってきても3つほどであったと思う。広告代理店の仕事はクライアントの意向に沿って制作物を作り、実際にクリエティブ部分については、社内外にいるプロに任せて行うため、制作物が無事に完成するまでのディレクションをすることがもっとも求められる。もちろん、そこの過程をディレクションすることも好きな分野ではあるが、やはり自分がてをかけて作ったと感じるのは、クリエティブの部分までしっかりと入り込み作ったものの方が印象に残っているし、出来上がった時のモノをみた時の感動が圧倒的に違う。
今の仕事は、モノを作ることがメインである。代理店ではなく、事業会社であるのでクライアントの意向をききながら制作をすることがなく、自分たちのチームないで「よい」と思えるものを作っていくことができる。
これは本当にワクワクするポイントであると思う。

仕事の好きな部分③ 何かを伝えること

3つ目は、何かを伝えること。もともと、高校生の時は雑誌記者になることが夢だった。何かを伝える時に、ただ文章で伝えるのではなく、伝える時に必要となる写真・映像・文章など様々なメディアを組み合わせて発信することが好きだった。これは①の企画を考えること、②のモノを作ることとも通じることがあるが、どんなことを伝えたいかを考え、どんな方法で伝えるかを考え、実際に発信するという全ての流れが好きなのだ。
前職では、広告という手段を使って伝えることを多くしていた。
制作したWEBサイトのページへ多くの人を集客するために、SNS広告を使って広告を展開したり、メールマガジンやプレスリリースなども活用していた。
今は、広告にお金をかけるということを会社として行わないため発信する内容は全てオウンドメディアで行う。WEBサイトや自社SNSを使い、全て自分で発信内容を考える。前職の場合はパートナー会社に依頼してしまうことも多かったが、今は自分ですべて行うことができるため、そこに楽しみを感じている。

仕事の好きな部分④ 調査・分析をすること

最後に、調査・分析も私の好きな仕事の一つ。実際に企画を提案するときには現状を分析する際にも他社分析や市場分析を行なったり、商品を作っている過程でも実際に使ってみる感想のアンケートをとったりすることもある。
実際にアンケートをとり、分析しどのような企画にするかを考えることがとても好きだ。他社の事例を知ることで、自分の知らない世界をまた一つ知ることができるし、アンケート結果をみることで世の中の傾向も知ることができとても勉強になるのだ。このように、調査・分析は自分の価値観を壊し、色々な価値観に触れることができる機会であるのでとても好きであるのだ。

4つを踏まえて:マーケティングと父親の洗脳?

この4つの「好き」から見えたこと。それは、顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにするマーケティング活動に携わる一連の流れ全てが好きではないか?ということだ。企画を考えること、モノを作ることは4Pでいうproductに当たる部分であり、何かを伝えることはpromotion、そして分析はpriceやplaceが必ず入ってくるものである。この枠組みの中で考えなかったとしても、私の好きなことは何かしたでマーケティング活動に直結するものであるということがわかった。マーケティングが好きな理由を今度は深掘りしていくと、経営者である父親の影響を受けていると思う。
幼い頃から明日までに商品の名前を100個考えて、という内容や、
一緒にお店にいくとお客さまの動きを観察し、どの位置が一番手に取ってもらいやすいかを話し合ったり、この立地でお店を出すならどのお店が儲かると思う?といった質問を投げかけてきたりと、かなり経営に近い話を日常会話から行なっていたことが理由だと思う。
さらに、仕事が楽しいものであるという植え付けもふりかえれば父親からだった。父親は経営者であることから、平日はもちろん、土日もよく会社に出社をして仕事をしていた。だが、父親の口からは人生で一度も仕事に関する愚痴を聞いたことがなく、「仕事は楽しいぞ」と私に会うたびに話していた。洗脳レベルに私に話続けることで、仕事への認識を変えていったのだと思う。

まとめ:好きな仕事は人によって考えかたは違う

今回、仕事が好きな理由をまとめてみたが、その中でわかったことは、何を「好き」と思うかは人によって大きな差があるということだ。私自信、仕事が好きと言いながらも、好きな仕事の中にも、かならず苦手なこともあり、逃げ出したくなることもあった。例えば、前職の仕事の中でもそのような機会はあった。県や国の仕事をする中で、実質60日しか働いていないのに、100日分の工数を積むためにその日にやっていない仕事の内容を打ち込むといった仕事をしている時は、「なんの意味があるんだろう…」と自問自答しながら行い続けたことも一度や二度ではない。このように、「好きな仕事」の中にも苦手な仕事や嫌いと言われる仕事もあるのではないかと思う。
「好きな仕事」は人の考え方によっても違うものであれば、私は、好きなことを仕事にしたほうが人生が豊かになるのではないかと思う。

これからも、好きな仕事をしている中でもしんどい時期は必ずくるだろう。号泣するほど辛いことも多くあると思う。だが、決して仕事が嫌いになることはないと断言できる。
これからも、仕事好きを公言し続けるつもりだし、何歳になってもどんな仕事でも仕事はし続けたい。


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