ひと月先のきみは
わが家の2歳児は新学期早々、というより、たぶん新学期だからかな。リズムを崩している。
一昨日は寝かしつけを終えてリビングに戻ると、22時過ぎていた。いつもなら20時には寝ている娘だから、かなりの夜更かし。
寝るのがぼちぼちな時間になったとしても、朝ゆっくり寝てくれるのなら、気にならないのに。
娘は、寝る時間が遅くなればなるほど、やたらと早く起きてくる。
朝の5時だと、まだよい方だ。
最近はもう朝4時台に起きちゃうこともあるから、そんな時は、夫がレゴ朝活につき合っている。(ごめんよ夫)
産まれたときからよく眠る。
新生児のころは飲まず食わず、もとい、飲まず飲まずで一日中寝るもんだから、私はむしろ、起こすことに必死だったのを覚えてる。
赤ちゃんとは泣いてはお乳を飲んでをくり返すものだ思っていたから、いろんな子がいるんだということを知った。
一度寝ると、揺すっても大きな物音がしても起きない。
夜泣きをしたことも数えるほど。
最近ではお布団に入って一緒に横になると、うとうとするようになった。
長くとも寝るまでは20分ちょっと。
のはずなんだけど。一昨日は寝かしつけが2時間ちょっと。昨日も1時間ちょっと。
なかなか寝つけない日々が続いている。
添い寝でこちらは寝たふりをしてみたり。暑いのかもと冬パジャマから衣替えをしてみたり。
ネットでポチった窓用の遮光シートも貼ってみた。
あの手この手でやってはいるんだけど、あんまり効果はないみたい。
私と夫が寝たふり作戦にでると、娘はお布団に仰向けになって歌い始める。
おしゃべりがぐんと上手になって、歌のレパートリーも増えてきたから、いつでもどこでも歌ってる。
♩ぶんぶんぶん はちばとぶ
♩どーなーぃろーがー しゅちっ あおー
♩じょーおしゃん じょーおしゃん おーはなが…
「すき」のところが「しゅちっ」ってなるところきゅん。
とはいえ、こうなると、たぬき寝いりを決めこんでも意味がないので、作戦は一時中断。
トントンしながら「ねんねだよ」と小さく声かけをするんだけど、なんだなんだ〜起きてるじゃん!!と、もっと楽しそう。
まっ暗な寝室のなかでキラッキラの笑顔。眩し。
今日は1時間くらいで寝てくれないかなあ。添い寝の2時間はしんどいなあ。寝たふりはもうバレてるっぽいし。いっそのこと私が寝落ちすれば寝るかもだけど、隣で大声で歌うから眠れない。明日の夕飯の仕込みどうしよう。
こんなことを考えていると、娘が眠い目をこすりながら「かーしゃん ねんね」「ねんねー」とトントンしてくれる。
いいんだよ、かあさんのことは構わず先に寝てくれていいんだよ。
眠そうにしているけど、なんだか興奮で眠れないという感じ。
頭をお布団にこすっては位置を変えて、位置を変えて、安眠ポジションを探ろうとするんだけど、やっぱり寝れないから歌う。
子供の生活リズムが崩れると、ああどーしよどーしよと焦ってしまう。それでも前よりは、少し前向きに、考えることができるようになった。
きっと来月の今頃にはこんな悩みのことは忘れてしまって、また別のことで悩んでいると思う。
このくらいのひと月先は、全然違う展開が待っている。
食べないとか寝ないとか、イヤイヤするとか。
向き合っている時にはつい視野が狭くなって、ずっとこのままだったらどうしようと不安になるんだけど、成長と共にいつのまにか悩みは消えてしまって、そのうち懐かしく思うようになる。これまでもそうだった。
新生児のころは、一日中ぶっ通しで寝てお乳を飲まない娘のことが心配で、このままどんどん衰弱するんじゃないかと不安で、頭がいっぱいだったけど、ひと月経つと、順調に飲めるようになっていた。
いま眠れないことも、おそらく時間が解決してくれる。
そのころはまた、別のことで頭を悩ませていて、暗闇のなか寝たふりをしながら聴いた歌のことなんかを思い出すようになるんだ。
寝かしつけのときの「ねんねだよ」に
「じょうずだね」「またあしたいっしょに歌おう」で、寝てくれたりしないかな。