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山あり谷ありトンネルあり、鉄道プルバックトイ 『プルプラ』 の開発秘話

ミニカー&エアプレーンモデル、そして鉄道プルバックトイ『プルプラ』の国際貿易(@KOKUSAIBOEKI)の鳥谷部です。

前回は、鉄道プルバックトイ『プルプラ』のコンセプトなどについて書きました。今回は、開発秘話について書きます。


時を戻そう

プルプラの開発が始まったのは、3年前のこと。それまで飛行機、船、戦車などのプルバックトイを手掛けてきたものの、初めての鉄道シリーズということで、社内から電車好きなオジさん達が開発チームとして集められ、毎日のように熱く議論を交わしていました。(ちなみにプルバックトイとは、後ろに引いて手を離すと走り出すゼンマイ駆動式のおもちゃで、みなさんも小さい頃に遊んだ経験があるのではないでしょうか。)


ホワイトボードは文字で埋め尽くされ、その議論は昼休みにもおよび、会社近くのラーメン屋さんの座敷席から熱気が溢れ出す程だったとか…
ゴマラーメンがおすすめですので、お近くにお立ち寄りの際は、召し上がってみて下さい。

話が脱線しました。 (電車だけに?!)

ボディは?フォルムは?デカール?※1 タンポ印刷?※2  走るだけ?連結?飾れるのコレ?

※1プラモデルとかの装飾の時などに貼るアレです。非常に薄いのでボディに馴染みがいいです。
※2弾力のあるシリコンパッドでピチョンと印刷します。多少の凹凸箇所にもきれいな印刷ができます。パッド印刷とも呼ばれてます。プルプラは全てタンポ印刷です。


様々な意見交換の末、基本的な部分が固まり、現在のプルプラの形となっていったのです。

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出来るだけモールドを掘って表現したので、ボディは想像以上にカッコよく仕上がりました。細かい部分もデカールではなく、鮮やかなタンポ印刷で。小さな文字が潰れないようにするのが本当に大変でした。カッコよさを残しつつ、STマークもちゃんと取得しました!


衝撃的なひと言

プラスαの要素を議論していたある日、開発チームの1人の発言がプルプラの運命を大きく変えました…

「やっぱり電車は、線路の上を走った方が子供は喜ぶよね…」

「どうせならNゲージ、走らせたいな…」

「え?!」  「あ?!」  「はい?!」

まさに晴天の霹靂、衝撃的なひと言でした。

「やりますか!!」

そこからはもう苦難の連続…
カワカッコいいフォルムを生かしつつ、Nゲージの9mm幅で走らせる。
特にカーブ走行においては、スピードを抑える仕様にすると曲がり切れない、スピードを出し過ぎると脱線する…


スパコン富岳でも使わせてもらえれば、あっという間に解決するんでしょうが、こちらは開発チームと製造工場の職人さんによる、「スパ勘」で、あーでもない、こーでもないと微調整を何度も何度も繰り返し、滑らかなコーナリングが出来るようになった頃には開発から2年が経過していました。

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※苦労した滑らかなコーナリングは、YouTube でも見れます。



時は流れ2020

そんな苦難の道を辿ったプルプラを最後に待っていたのは、新型コロナウィルスの影響で生産ラインが停止、発売の延期というトンネルへの突入でしたが、幸いにも生産ラインの復活も早く、何とかトンネルを抜け出し、先日無事に発売にこぎつけたのでありました。本当にお待たせいたしました。


開発チームのオジさん達はというと、自粛中に第二弾、第三弾の開発、ある方面で実用新案を取得など、プルプラの輪を広げるためにいろいろと考えちゃってるようで、終点ではなく、この人達のレールはまだまだ長く続いているのでした・・・


そんなプルプラはこちらから購入可能です!!


おもちゃ作家の佐藤蕗さんに、プルプラの遊び方を考えていただきました!



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