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ショート3「『多様な読み』と、『ひとつの正解』の共存・うまくいく!発問のポイントーー「要約」について考えると見えてくるもの」

今回のポイントはこちら。

①「要約はひとつだけか?(反語)」
②「多様な読み」の受容と「ひとつの正解」を問うことの共存方法
③うまくいく!発問のポイント

まず結論。

要約はひとつではない。


それはなぜか?

要約とは、「目的や必要に応じて」おこなわれるものであるからです。

ひとつではないなら、正解をひとつとする問題をつくりたいときには、どうすればいいの?


「○○の目的に応じて」「○○の必要に応じて」
と限定して問えば、要約もまた限定されますから、それをひとつの正解として評価することが可能です。


もう少しかみくだいて説明しますね。

かつて、キーワードの羅列としての「要約」を問う問題が高校生向けの問題集でよく見受けられました。

ただ、キーワードの羅列と要約は、必ずしもイコールではありません。

そのヒントを求めて小中学校の学習指導要領解説や教科書をひらいてみると、「目的や必要に応じて」という文言が見つかります。

たとえば、

データを正確に伝えたいと思うなら…
データ部分をわかりやすく抜き出すような要約になるでしょう。

感動を伝えてテクストに興味を持ってもらいたいと思うなら…
情感に訴えかける部分を取り上げ、あえてラストを伏せることもあるでしょう。

と、考えてみると。

これって、要約だけの問題じゃないんです。

テクストを理解しようとするとき、その理解が「たったひとつ」であることの方が、めずらしいのではないでしょうか。

だからこそ、条件を限定して「こういうルールで読んだとき、答えはどうなる?」と発問することで、ぐっとわかりやすくことがあります。
そして、そこで得た理解をつかって、さらなる深い読みを探ることが可能になります。

答えはひとつじゃない。
だからこそ、ルールを決めて問うことで、あえてひとつの答えを出してみる。


この緩急を可能にすることが、国語の授業の強みであると言えるのではないでしょうか。





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