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休校・休園でも慌てない。楽しく過ごす6つのコツ(前編)


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この記事は2020年春に「國學院大學メディア」へ、執筆・掲載したものを転載しております。

当時とは状況が異なる点もありますが、変わらずお役立ていただける記事です。ご了承ください。

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新型コロナウイルスの感染拡大で、保育所から大学まで休園・休校になっている地域も少なくありません。休みが長引いてきて、親御さんの中には、毎日メリハリなくゲームやテレビを見てだらだらしていること、勉強が遅れてしまうのではないかいうことを心配したり、ネタも尽きてきて明日はなにをしたらよいか、一日三食の献立をどうするかに日々頭を悩ませたりしている方も多いことでしょう。なかには、お子さん自身が不安やストレスで落ち着かなくなったり、イライラしたりしていることもあるようです。

 園や学校の生活は、親子が少しの間距離を取ることで、親も子離れし、子どもも親に干渉されず生活面での自律と社会的な自立を学んでいける、そんな場だったのだということを改めて実感させられるこの頃です。この記事では、ご家庭で、親御さんもお子さんもリラックスして、かつ楽しく有意義に過ごすためのちょっとしたアイディアやつかえるリソースをご紹介します。


① 親御さんもお子さんも、いつも通りを期待しない、がんばりすぎない

 まだまだ続きそうな外出自粛です。これまで通り親御さんもお子さんも仕事や学習を頑張ろうとしても、環境も違いますし、家庭は仕事や学習に最適な空間ではないので同じようにはできません。いい意味であきらめる。「今日はここまでできて上出来!」と、親御さんもお子さんもお互いに今日の自分を認め合うことが大切です。肩の力を抜いて。がんばりすぎないで。

② 家族の穏やかなコミュニケーションを大切にする

 毎日夜には時間を決めて、家族がコミュニケーションをとれる時間をつくるとよいですよ。不安を抱えているお子さんとっては親御さんとゆったりかかわれる時間になりますし、親御さんにとっても仕事の時間、家族の時間とメリハリをつけるのに大切です。ただ、毎日気まぐれに声を掛けても年齢が上がるほど面倒くさがることもあるので、「毎日20時に集合!」などとルーティン化するとよいです。髙山先生も以前の記事でご紹介していますが、おしゃべりしたり、カードゲームやボードゲームなどをしたりするのもよいのですが、この時間に、次の日の家族の時間割をつくるのも楽しいですよ。ポイントは、お子さんの時間割だけでなく、親御さんの時間割もつくってみんなで取り組むこと。そしてお子さんの時間割は親御さんが決めず、年齢に合わせてできるかぎりお子さんが自分で考えて守ることです。次の日には、一緒に時間割に取り組みましょう。時には親子で学習に取り組む時間やお父さん先生、お母さん先生の出番があってもいいですし、いつも親御さんの目があるとお子さんもリラックスできませんので、互いにうるさく言わず、別々に楽しむ時間をつくることも大切です。

 実はこんな時、子どもたちはちょっとした大人の目にも神経質になりやすいので、子ども部屋がないときは、お子さんからは視界が遮られ、親御さんからは見えているような低い衝立(段ボールでもいいです)やメッシュ地の小さなテントなどをリビングの片隅に置いてあげると、その中でリラックスして過ごすことができます。ちょっと一人になりたいお父さん、お母さんにもいいかもしれませんね。


③ コロナのことを正しく伝え、子どもであっても社会的責任ある存在として認める

 特に小さなお子さんは、今の社会の状況がよく理解できていないことも多いので、親御さんの不安やイライラする様子をみて、自分が何か悪いことをしているのではないかと感じてしまったり、テレビの報道から病気や命の危険があるということを知って強い恐怖を感じてしまったりすることがあります。これも年齢に応じてですが、手洗いやうがいをしっかりして、マスクをしたり、おうちにいたりすれば心配がないこと、外に出られないことはつらいけれど、その頑張りがたくさんの命を守ることになるとても大切な行動なのだということを、折を見て、伝えていきましょう。



吉永 安里
研究分野 幼児期のことばの発達、小学校国語科教育
論文 「どうして?」「やってみたい!」があふれる幼児期の学び(2021/11/10)
『おおきなかぶ』における幼小の指導の連続性ー読みの環境構成と指導内容の観点から―(2021/05/10)

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