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石高プロジェクト_解体新書_その参

石高プロジェクトは
福島県の西会津町で誕生した「持続可能な未来型地域」をめざす取り組みです。その出発点として、地域の課題解決や農業の振興を目的とした新たなシステムとしてのモバイルアプリを開発しました。米作りに焦点をあて農家とファンが支え合う仕組みをデジタル上で実現し、故くて新しい農業を考えます。

橋谷田ファーム こがねもち 8月21日

今回は、前回すこし説明した米手形(NFT)の使い道について話しながら、プロジェクトとして大事にしている「リスクを担ってもらうこと」「何のためにそんなことするの」という部分について説明していきたいと思います。

米手形をもらう

11月中旬に全品種の収穫量がわかると、その後ボードを持っているユーザーの手元に米手形が届きます。ここでは、収穫量に応じて米手形で交換できる米の量は増減します(いくらか、です)。これは農家さんの収益平準化をサポートする仕組みによるものです。つまり、不作の時には農家さんに助け舟をだし、そして豊作の時は分け前がもらえるという形になっていて、わかりやすい例を出すと「5kg相当」の米ボードを持っていると米手形を受け取るときに4kg分になったり6kg分になったりという具合です。

ここの、農家さんのリスクを分担するという部分はこのプロジェクトの特徴的な部分です。そして、ユーザーの皆さんにはこれをマイナス面としてではなく、普通にお米を買うのでは得られない体験として楽しんでもらえればと思っています。
例えば、嵐の予報を見て「自分のお米は大丈夫だろうか?」と心配したり、農家さんの日々の一喜一憂を聞いて自分のことのように共感できるようになるかもしれません。そうして稲に思いを寄せてもらえるようになれば、目の前のお米がありがたい物としてより一層美味しく食べてもらえるのではと考えています。また、そこに辿り着くまでに、不安定な自然を相手に農家さんがどんな努力をしているのかということも知ってもらいたいところです。

根本としては、持続可能な未来のために私たちが生きるための基礎的な部分を担ってくれている農家さんをまずは支えよう、というのがこのプロジェクトのテーマとするところです。

また、イベントに参加したりSNS等で協力した人に付与される人足ボードについても米手形に紐づいていますので、貢献への対価として最終的にお米として受け取ることできます。
ここについても、今後、農家さんの手が届かないところ/こうできたらいいなぁに対する効果的なサポートとして組み込んでいければと考えています。先日のイベントで出た話としては、橋谷田ファームが毎年提出しているJAS有機の申請書類(たくさん)を誰かにやってもらえたらありがたい、というのがありました。そのために新しく人を雇うにも中々難しく、理解のある人が良い、など考えることは多いです。これをボードを付与する仕組みで誰かに分担して解決できないだろうか。こういう痒い所に手が届くものを目指していこうと思っています。

石高プロジェクト ことし1年の流れ(予定)

米手形をつかう

米手形を受け取ったのち、ここからユーザーには選択肢があります。

・お米に換える場合、アプリ内の「米交換所」とよばれる場で米手形をお米に交換する申請をすることで新米が送られてきます(数量指定/玄米の選択などができるよう調整しています)。ちなみに米ボードを買った時点で送料は含まれています。

・お米に換えない場合、アプリ内の「米市場」というマーケットにおいて米手形を売買することもできます。この米市場では「石高コイン」という地域通貨を使用します。

このあたりの機能はまさに今開発中ですので(8月現在)、ここに書いてある通りになるかは確約はできないのですが、実現したいこととしてはお米を起点にいくつかの選択肢を持って関わることができるということです。交換したお米を自分用以外にも知り合いにプレゼントとして送ったり、はたまたNFT(米手形)の売買/コレクションを楽しんだり、など。地域通貨に関しても、西会津町に来て使うだけではないものにしていければとアイデアを広げています。例えばこれがプロジェクトで繋がった別の場所の産品とも交換できるものになれば、まさに現代の米本位制だねと話しています。

今はまだ改善点だらけですが、全体としてなるべく人の手を介在させないように自動化・簡易化することで、新規参加の生産者を増やしたり生産者の抱える細かな事務作業等を減らしていければと考えています。そうしてできた時間を使って生産者が未来に向けて投資していくことが出来ればというねらいです。

オンラインイベント「コメニティミーティング」2023年8月18日開催

どうしても真面目な話ばかりになってしまいますが、シンプルには、買ったお米を育てている農家さんと仲良くなってもらいたいなーという想いです。先日行ったイベント「コメニティミーティング」では、オンラインではありますがユーザーさんと農家さんとが初めて顔合わせをする機会となりました。文字で読んでいるより実際に話しているのを見てもらえると、色んなことが伝わったのではないかと思います。こちらアーカイブ動画もありますので、興味のある方はFacebookグループ「オンラインコメニティ」よりご覧いただければと思います。

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