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空に落つる鳥

ここは少し暗い美術館。軽い気持ちで踏み込んだ。
出口はとても近いと分かってる。
でも小さなものだと聞いている。
それゆえ人はどんどんと溢れだし
柔軟な才気溢れるもの達は胸張って、
小さな出口を出て行った。
彼らの作品の贋作は床に散らばる。
壁は自動で上に行く。
何時でも自分の作品を壁にかけれる美術館。
多くの人は作品の下で不毛な議論をする。
この様子木なら根っこが腐ってら、
伸びても花が実るのは稀なことと知っている。
花がついてもその内に高く記憶の彼方かな。
壁は自動で上に行く。
空を飛び出すやつもいる。
古くの絵画を破っては己の絵画に貼っている。
バレては直ぐに根が腐る。
床の贋作まとめては売り買いしてるやつもいる。
光る高くの名作を知らずに贋作買っている。
壁は自動で上に行く。
この窮屈な美術館。
好奇心さえ忘れさす。
自らの幼心が抱いてた洞窟の奥への好奇心。
洞窟のような暗がりで奥行きのない作品を
やたらめったら見せられる。
暗さに目が慣れてから好奇心は生じない。
感受性の漣が絶えない疲れを生じさす。
好奇心への好奇心。
盲にさえ少し憧れる。
あれ、いつの間にか人減っている。
壁は自動で上に行く。
洞窟の写真に意味は無い。
たまに飾られる外界は、
それでも僕らの興味引く。
これから小さな光射す。
周りの人には見えてない。
これが噂の針の穴。
ではお先に往復券を
片手に洞窟向かってこ
あらら、、外出りゃこの施設、
上下逆さまになってるや。
壁は自動で上に行ってた。


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