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私にはこれしかない

今の時代、何でもできる人をすごいと思いがちだ
実際にそんな人を見ると、なんでこの人はできるんだ?と思ったりする
でもここに、一人真逆を行く人物がいる

その人物は、とあるエステサロンで店長をしている
九州で一番の売り上げを誇る
一体彼女はどんなことを考えているんだろう・・・

店長が店を構えて10年を迎えたときだろうか
ふとこんな会話をした

店長から、『あなたは、人の中身を見れるよね』と言われた
でも私から見れば、店長の方が中身を見るなと思った私は、
『そうかな~店長は?』と聞き返したのだ

すると、店長はこう言った
『私は疑うもん』
うん確かに、分かる気がする
雰囲気的にそうだ
自分の店を持っているから、疑うのは当然だな
簡単に人を信じたら、あとで痛い目を見るのは自分である
自分も自分の店も守らなきゃならない

世間では、悪い人なんてそんなにいないと言うけれど
嘘なのだ
本当はそこら中に、はびこっている
自分だって内面を見れば、褒められたもんじゃない

こんな会話をしたこともある
自分で自分の道を切り開いてきた店長も、自分のことをこういうときがある
『挫折しないで来たから、なんかそれがダメなんだろうな~って思うときがある』
店長は、どこか自分の性格でここがダメだなと思うところがあって、そこを見つめることを真剣にしてこなかったから、そこを後悔しているというニュアンスで話していた

でもこの話を聞いて、店長が挫折したいと思っても、そりゃ無理だなと思った
店長のやっていることを、私の目線から見てみるとこんな感じだ

人を疑って
観察して
調べて
嫌なことは嫌ということができ
自分の内面を見つめ
馬鹿を演じることができ
すごいと思った人をすごいと思う
どこかでマイナスを作っておく
仕事や仕事につながることを真剣にやる
人の一番大事にしているものに、口を出さない
他には何があるんだろうな~

バランスのいい考え方をして、挫折するのは非常に考えにくい
店長の生涯で挫折は、やっぱり難しくないだろうかと(笑)

店長はあれもこれもと望む性格じゃない
趣味は相撲観戦、駅伝を見る、タイガース応援と数える程度
狭く深い世界を持っている
あえて言うなら、仕事が一番で他のことは熱量がガクンと下がる
例えば、食事はゆで卵とスライスしたアボカドだったり
セブンに買いに行ったり
毎日ビールを6缶飲む
実に豪快
『エステの店長だろう!?』と店長自身突っ込んでいた

店長が言う
『私にはこれしかないもん』

弱い人は一つが頼りないと思いがちだ
だから、もっともっとと他のものを欲しがる
けれど
たった一つだから、大事にできる
たった一つだから、忘れない
たった一つのものを持っている人が一番強いんだなと思った

世間はマルチな才能を持つ人を求めているようだが
それが成功するかは疑問だ

だって、ここに書いた人物は実在の人物であり
店長を通してこう思うからだ

たった一つのものを持っている人がやっぱり強い
たった一つのものを見つけ、磨いたもん勝ちの世界なのだ


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