脱皮

私と夫には、定期的に起こっている脱皮
こう書くと、『お前ら、蛇かよ！？』と思われるだろう
人間から生まれた人間です
この話し、日焼けが原因ではないのよ

私は2024年3月初旬にこの脱皮現象が来た
ピークは2024年の3月中旬～4月中旬くらい
それから何週間後かに一部が剥がれるといったところだろうか

脱皮歴でいうなら、夫の方が歴史が古い
もう小さい時から4～5年に1回のペースで来ていたらしいのだ
夫の場合は、決まって手のひらと足の裏に来る
元々夫は全身かゆいかゆいの人で
心を見ても中にため込みやすい性格をしている
心も体もデトックスが急に必要になるのであろう

私の場合は、顔・首・手のひら・足の裏以外にくる
ピークの時は恐ろしかった
一番ひどかったのは、胸の皮が剥がれたとき
日焼けでめくれる皮の、3倍の厚みはあろうかという皮が一気にむけたのだ
むけたところは赤くなり、ヒリヒリと痛んだ
お風呂に入るときやブラジャーを付けるときは、痛さと友達になった
なんとも気を遣う

不妊治療中で数日後に採卵を控えていた私は、変な薬など使いたくなかった
だから、昔から知っている”ユースキン”を頼った
会社の回し者じゃないけど、おかげさまで落ち着きました
心も症状も・・・

まず、私が脱皮する前にある出来事が起きた
自分の人生を振り返る時間
ふと一番苦しかった時を思い出していた
自分の中では、方がついたと思っていたけれど、それは大きな間違いだった
方がついたと思って、その場面を思い出しそうになると
逃げるような感覚で人生を生きてきたのだ

やっぱり私は苦しかったんだ、嫌だったんだ、本当は・・・
と思っているうちに
涙が止まらなくなり大号泣
久しぶりに泣いた

私は泣くときに、頭の部分が熱くなる
しかし、この時はそれにとどまらなかった
いつものように頭が熱くなった後、急にその熱が上半身を駆け巡ったのだ
頭　→　肩　→　両腕の手首の前まで　→　胸　→　背中の中心以外　→　お腹
こんなことは初めてでびっくりした
しかもその”もわんもわん”とした熱は
泣き終わった後もやんわりとずーっと続き
寝る頃には、上半身が熱っぽさで包まれた感じで
手に汗びっしょりかくほどだった

『私の体、どうしたんだろう？？？』と思いながらも
眠気には勝てず、就寝
翌日は、もわんもわんした感じも消え、通常モードに戻った
ところが、その翌日だったと思う
”あれ？腕の皮が剥がれてる”
まあそれなりの衝撃だったが
1週間もしないうちに上半身の皮がペリッとめくれる事態になった

夫や母に皮が剥がれていると言ったら、『何があったの？』と聞かれ
本当のことを言っても信じてもらえず
彼らの下した”診断”は
『疲れている。不妊治療で心が不安定』だった
もっともらしいいが、真実と違うのだ（笑）
あー、この世界は本当のことを言っても通じない世界だったんだ
私ってばか・・・

一ヶ月間は、腕の次は胸、胸の次はお腹みたいに
場所がコロコロ変わりながら、脱皮し続けた
同じ箇所は3回くらいはげた
いや～神秘的

逆に夫は、手のひらと足の裏だから厚みも半端ではない
剥がすときに大変にならないように、手立てをうち工夫している
夫は私と違って、自分の人生を振り返って大号泣という感じじゃない
これは予想だが、気づかぬうちにたまっていた鬱憤等を吐き出せるようになったんだろう
結婚して1年目で、なんと2回も脱皮したのだ
この時は密かに、『この人は私に何か我慢しているのかもしれない』と思っていた
いや、今もある

ただ、夫は思いのほかおしゃべりだ
言うと腹に決めたことは言える人なので
大きな事や小さすぎることはため込まない
大事だと思うことは、野放しにせずに向き合うのだから
そういう意味でため込まないのだ

最近は二人とも落ち着いている
夫：50歳　私：39歳
夫は50歳だが、足の裏はヒビが一切無く、つるんつるん
正直驚いている
足の裏だけで言えば、夫の方がきれいなのだ
私はといえば、今までよりは若干水をパチンとはじく程度

心のデトックスで、脱皮できるとはねえ・・・

これはちょっと余談だが、実は肌だけが変化したわけではなかった
髪の生え際が白髪だったのに、一部黒髪になってきている
あの日を境に変わったし、5，6年近く白いままだった部分だったから
原因はきっとあれだと思う訳よ
拍子抜けしたよ
何回も白髪染めを買っては染め、買っては染め
何回したと思ってるんだー
まあ、完全に黒になったわけじゃないから
白髪染めは使ってはいるけれど・・・

最近は、心のデトックスをするべく、心の中を探索している
ずいぶん欲深な性格よ
でも、目の前でこんな現象を見たら
『今度はどう考えれば、どんなことを感じれば全部黒髪になるんだ？』って
考えずにはいられなくなった

『年を重ねれば、ふける』は嘘