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もっと知りたい、生理のこと。第二回目「なぜ生理痛は起こるのか」

ライターの河合桃子さんの特別コラム第2回目。今回は「生理痛」について取り上げていただきました!読み応えたっぷりなのでぜひお読みください

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生理そのものは病気ではないのに、やたら痛みに悩まされるのはなぜなんでしょう? しかもその人それぞれで症状が違ったりで、謎は深まるばかり。その痛みのメカニズムについて、前回にもご登場いただきました「咲江レディスクリニック」の丹羽咲江院長に伺います。

プロフ写真②(20200214)

生理痛の原因は子宮から月経血を押し出す力の作用で起こるもの

前回のコラムでは生理の経血の正体は子宮の内側から剥がれ落ちた“子宮内膜”だということをお伝えしました。生理痛とは、その剥がれおちた子宮内膜が経血となって体外に排出される際に起こる痛みだそうです。丹羽先生が言います。

「生理期間は卵胞ホルモンの作用で増殖した子宮内膜が剥がれ落ちて子宮外に経血として排出されます。子宮と膣をつなぐ子宮頚管という細い管を通って膣内へ押し出すために子宮の筋肉を収縮しなければなりません。この子宮が収縮することで生理痛を引き起こします」

この生理痛の痛みは年代により変わる場合もあるそうです。


「例えば10代ですと子宮が成熟しきっていないので、この子宮頸管長が細くて狭くて広がりにくい。さらに血液は水と違ってゼリー状の塊になりやすく、このような半固形状のものを狭い子宮頸管部から押し出す時に子宮がギューギューと収縮するので痛みを激しく感じたりします。20、30代になると今度は冷えや生活環境のストレスや食事の偏りなども加わって血流が悪くなり、子宮の収縮が強まり痛みも強まるケースもあります。40代になると、長年、月経を重ねるごとに進行する子宮内膜症や子宮筋腫を発症し、それにより痛みが激化し鎮痛剤さえ効かなくなってくるといった場合もあるので、“痛みの変化”を感じた時は婦人科に相談してみると良いです」


●基本的に生理痛は、40代以降で楽になる…?

生理と女性ホルモンの分泌量は密接に関係するようです。とくにわかりやすいのは痛みの変化だと丹羽先生は言います。

「一般的に生理痛は更年期世代では軽くなる傾向にあります。なぜかというと加齢により女性ホルモンの分泌量が減って子宮内膜が厚くならず、子宮を収縮させて生理痛を起こす「プロスタグランジン」の産生も減るからです。さらには出産を経験すると子宮口も広がるので、産前よりも生理痛は軽くなったと感じるケースが多いです。ただし、先ほどもお伝えしたように痛みの変化を感じた時は要注意です。実際に私の患者さんには、3人出産後に突然、生理痛が酷くなり、調べたら子宮腺筋症という病気になっていた、というケースもありました」

女性の体はライフステージにより常に変化し続け、生理痛の原因も変化するのですね。体の変化を正しく知って、生理と上手に付き合っていきたいですね。

▶取材協力

丹羽咲江先生(咲江レディスクリニック)

https://www.sakieladiesclinic.com/  

ライター:河合桃子
@momo19773
”フリーライター歴20年以上、主に男性週刊誌を主戦場に“女性の性”を追いかけ記事執筆やグラビア作りに関わってきました。こちらでは小学生の男児女児を育てるシングルマザー“マン”として女性を元気にするコンテンツをお届けしたいです”

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