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行政のひきこもり相談・体験記

無職で体調不良の義弟のことを相談するために、夫婦で行政のひきこもり相談を受けました。

予約の電話をしたのは私で、その電話も、相談の1回目という感じで、概要を伝えてありました。週の初めに電話し、都合で金曜がよかったので、その週の金曜に予約できれば、と思っていました。予約が取れたのは翌週金曜。電話も午前中にかけて相談担当の方がふさがっていて、午後まで待ったりで、ひきこもりに悩む人が多いことを実感しました。

続いては、相談室で聞かれたことや話したことを覚え書きします。

初めに用紙が渡され、夫が相談者の個人情報を記入しました。ネットで相談窓口のことを調べた時には、匿名での相談も可能とありました。それを知っていましたが、私は本名で予約をしていて、相談者(夫)の個人情報を知らせることに抵抗はありませんでした。でも、流れで、義弟の個人情報も記入することになった時には、少し、いいのかな?と感じました。夫は躊躇なく書いていき、私も「まあいいか」と流してしまいました。
今思うと、義弟の個人情報は伏せておいた方がよかったかもしれません。義弟の性格的に、勝手に個人情報を知らされたことを知ったら、よく思わないだろうからです。

記入が終わると、二人いらっしゃる担当の方から聞かれることに私たちが答える形式で、話は進みました。電話では話しきれなかったことを聞かれます。
・家族関係
 (両親、兄、高齢の祖母、結婚歴なし)
・家庭環境
 (父が大声で怒鳴る、父は母には怒らない、長男に厳しかった)
・義弟の幼少期
 (スポーツ歴やこだわりは強かったかなど)
・義弟の持病
 (持病の宣告とひきこもり始めた時期が重なる)
…など、について話しました。1時間の予定が少しオーバーするほど、よく話を聞いていただきました。

印象的だったのは義弟が子どもの頃に「どんな子だったか」をしっかり聞かれたことです。これには夫が特に問題はなかった、と答えていました。それに対して、今度は夫自身が子どもの頃にどうだったか、と尋ねられて「楽しくなかったですね」と即答していました。

私はかねてから、義弟、夫の子ども時代には問題があるし、今の2人にも大きな影響を与えているという考えを持っています。ひきこもり相談の担当の方も同じ視点での質問をしてくださったことに喜びに似た気持ちをおぼえました。一人で考えてきたことが、決して的外れではなかったと初めて外部の人によって証明してもらえたようでした。

相談担当の方の一人は、夫に「ご結婚されて本当に良かったですね」と言ってくれました。夫は子どもの頃に父からけなされ、受験に失敗してノイローゼになり、結婚してからまた勉強をするようになった、と話したので、それを受けての言葉でした。モラハラの話などをしていなくても、私は理解のある妻に見えるんだな、と思い、その上にモラハラもあったんだから、もう本当に感謝してくれ、という思いもありました。同時に、相談の席では、前面に出しませんでしたが、義理の両親にかなり辛辣な批判的な気持ちがあるので、恥ずかしくもなりました。

夫は「本当は自分が率先してやらなければいけないことなのに妻の方がやってくれて、ありがたいです」みたいなことを言い、私は「義理の両親に対しては、けっこう批判的なことを思ってしまってます」と言いました。夫はモラハラ夫の典型パターンで、外で私を褒めたりはこれまでもあったので、そこには感動しませんでした。

今回の対面相談では現状を話すだけで、今後はチームを組んで、どのような対策が取れるかを検討してくださるのだそうです。ひきこもりをしている本人が来所すれば、心理士さんとも話すこともできるとのことでした。精神科の有料カウンセリングも、ドクターではなく心理士が行うことを知っていたので、これは利用価値があるのではないかと感じました。

私たちの場合は、同居していない兄夫婦なので、せっかくサービスを紹介していただいても、本人にどのように伝えていくかも決めかねていて、実際に利用できるかはわかりません。でも、ありがたいです。

何より、義弟のことを一人で悩んでいる時よりも、気持ちが楽になりました。相談して楽になった部分もありますが、私の場合は、電話で予約をしたその日から、10日あまりの間、義弟のことを考える時間が自分でも気づくぐらい減りました。

私が長時間考えてもどうなることでもないので、考える時間が減ったことはよかったです。ついつい義弟のことを考えてしまっているときは、義母に対する批判も同時に出てきて、苦しかったです。もしそのタイミングで義母と電話でもしたら、いざこざになってしまったかもしれません。

今後も、このまま考える時間は少なめのままで、やるべきことをやっていけたら、と思います。義母への批判(義父は前から問題外の存在です)は、私の中にはまだありますが、少しずつ形を変えていくかもしれません。

義弟のことが心配で、長いこと停滞している焦りから、純粋な心配だけでなく、余計なものがたくさん付着してきていました。義母、義弟、夫に対して、ネガティブな気持ちが渦巻くことも増えてきてしまいました。これを機に、リセットしたいです。

そして、自分で自分を褒めることは何度もしてきたけれど、人から言葉にして褒められるようなことはあまりないので、今回はそれも嬉しかったです。

 「ご結婚されてよかったですね」
という夫への言葉は、私のことを褒めてもらえたのと同じだと私は受けとめました。

相談したその日は疲れたのか安心したのか、いつもは酔わない少しのお酒が体にきいて、翌日は頭痛になるほどでした。

義母のことを、自分で何でもしようとしてうまくいっていない、と思っていましたが、私こそ自分で何でもしようとしないで、この相談窓口では夫にたくさん喋らせて活躍してもらおうと思います。夫は私がけしかけても一度も両親に文句を言ったことがないほど、実家からの洗脳があるようなので、夫自身も気づきを得て欲しいです。

行政のひきこもり相談窓口、行ってよかったです。私の行ったところは当たりだったのかもしれませんが、誠実に対応していただき、無料というのが信じられないぐらいでした。

【追記】
これを書いた後に思ったことです。
夫が両親に文句を言わないのは、洗脳ではなくて、両親には自分の気持ちがわかってもらえないと諦めの境地にいるからなのかもしれない。
そう感じた理由はまた書きます。


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